数学ギョウザ【ショートショートnote 杯参加】
「オレ、5個。だからあと3個。」
「オレあと4個。」
「うそつけ、もっと食べただろう!」
「うそついてねーよ、オレ6個しか食べてない。」
「6個ならあと2個じゃん。バカじゃん。計算できないんでちゅかぁ〜〜」
「お父さんー、こいつ、オレの事馬鹿にしたー。」
「お父さんこれ食べて。なくなるから。」
「いや、お父さんはお酒飲みながらゆっくり食べたいの。」
「じゃあ、オレがこれ食う。」
「ずりぃ!」
「お母さんの分はとっておかなくていいの?」
「やべー」「忘れてたー」
「オレの分あげる。」
「ぼくもうあと1個でいいよ。あと全部お母さん。」
「なんか増えてねぇ?いち、にー、さん、あれ?さっきより増えた?」
「後から焼いたやつじゃね?え?減ってんの?わかんねぇー」
「おばけが食べたかもな。」
「お父さん、ごはんの時にこわいこと言わないで。」
「まじビビる。じゃあオレ、あと6個くらいいただく。」
「ぼく5個でいい。あとはお父さんとお母さんで食べていいよ。」
(408字)
◇◇◇◇◇◇
ショートショートnote杯に参加します。
食卓に並ぶギョウザの総数がいつも謎です。
常に進行形であり、焼きながらつまみぐいしているからかもしれません。
※見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」から「二ノ宮金三郎」さんの作品「肉を包んだ旨いものと友人」をお借りしました。ありがとうございました。