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音楽生成AIでボカロPのようになれるのか

ポッドキャスト「アシカガCAST」第769回の要約記事です。

音楽生成AIのLoudMeで曲を作った

さいきん話題になっていた音楽生成AI「LoudMe」を使って曲を作成してみました。LoudMeは無料で曲を作り放題なんですが、同じく音楽生成AIのSUNOといろいろに過ぎているし、運営の素性もよくわからないということで、怪しいと言われてもいます。


【追記 2024-09-01】
to4kawaさんからコメントで教えていただいたのですが、LoudmeはSunoを不当に使用しているとSunoの公式Discordの管理人から注意喚起が出ています。
Sunoの無料アカウントを不当に利用しているにも関わらず、Loudmeは有料プランを始めています。「Sunoからサービスを盗むだけでなく、ユーザーからもお金を要求しており、あなたの個人情報をどう扱うかについて深刻な懸念を抱かせている」とのことです。
Sunoは無料でも使えますし、素直にSunoを利用するようにしましょう。


「夏っぽいアイドルソング」とだけ指示して、あとはおまかせで曲を作ってみました。曲調について具体的な指示をしなかったのですが、イメージ通りの曲が完成しました。クオリティも予想以上に高く、驚きました。

ただし、お題を与えただけなので、自分で曲を作ったという感覚はありません。歌詞を自分で作り、曲調などを細かく指示すれば、より自分が作った曲だと感じられるかもしれません。

Sunoと作った注意事項を人に知らせる曲

以前、Sunoを使って、注意事項を伝える曲を作成した経験があります。この曲は、キャラクターデザイナーの井上・ヒサトさんのイベントでのオーダードローイングに関する注意事項を歌にしたものです。

サンリオ時代に生み出したハンギョドン、バッドばつ丸は、サンリオに権利があるのでオーダードローイングでは描けませんといった注意事項なんです。

短い歌詞をわたしが作ったんですが、Sunoの使い方がよくわかってなくて、歌詞をプロンプトとして指示してしましました。なので、わたしの作った歌詞の意味を汲み取りつつ、Sunoが新しく作詞&作曲してくれています。

あとで調べてみて、指定した歌詞の通りに歌ってもらうこともできることを知りました。ただ、歌詞は音の数を考えて作る必要があるので、なかなか難しい作業ではあると思います。

これから作詞をしたいという人へのヒントとしては、既存の曲の替え歌として歌詞を作ると、ちゃんと歌詞として成立したものができるはずです。

AIを使ってボカロPのようになれるのか

音楽生成AIで曲を作ってみて、ボカロPみたいに曲を作って発表して、うまくいけば人気者になれるんじゃねーみたいな考えが頭をよぎりました。

ボーカロイドで曲を作るのとは全然違いますが、自分がプロデュースした曲が作れるということで、ある程度は作った曲がオリジナルソングとして認められるんじゃないかなと思っています。

ChatGPTで作詞し、Sunoで曲を作るという人も多いようです。これは、曲のコンセプトを決めて作詞家や作曲家に発注する代わりにAIを使っているとも言えるので、音楽プロデュース業の一種と捉えることもできるでしょう。

AIで作った曲を音楽配信した人の話

実際に、Sunoで作った曲をApple Music、Spotify、YouTube Music、Amazon Musicなどで世界的にリリースした日本人がいます。テクノエッジというサイトの編集部の松尾公也さんが、AIが作り上げた架空バンドのコンセプトアルバムを制作・配信しました。

このプロジェクトでは、40年近く音楽制作業を行っているプロが最終的な仕上げを担当しています。AIが生成した音源には圧縮音源特有のノイズが乗っているけれど、そこは目を瞑るしかないとあきらめたそうです。

しかし、各パート間のバランスや凹凸を描いた平坦なレベル感が気になり、音源のセパレーションツールでボーカルだけとか、ドラムだけとかを抽出した音源を作って調整したらしいんですね。

やっぱりプロにとっては、そうやって調整しないと音楽生成AIが書き出したまんまの曲だと、音的にクオリティが低いということなんだなと知ることができました。

「AIが生んだ架空バンドの楽曲」というコンセプトを守るため、新たな音の追加は控えたそうです。そこにこだわらなければ、後から音を加えてクオリティを上げられるということですね。

最近ほかの人の記事で、SpotifyやApple Musicなど大手プラットフォームでは、生成AIによる音楽の受け入れを拒否し始めている傾向があるといった記述を見かけました。なので、音楽生成AIで作った曲を音楽配信に乗っけて、そこで儲けるみたいなことは、やっぱり難しいんじゃないかと思います。

曲を作って楽しむことのハードルが下がった

音楽生成AIによって、自分で曲を作って楽しむことのハードルがめちゃくちゃ下がったと感じています。男性ボーカルも女性ボーカルも、ボーカル入りの曲を簡単に作れるようになりました。

ただし、ちゃんと自分で曲を作っているボカロPとは、やっていることのレベルや費やす時間が全然違います。音楽生成AIで曲を作ることをステップとして、プロとして音楽業界に関わることは難しいかもしれません。

しかし、AIで作った曲を作詞したことで才能が認められて作詞家デビューしたり、AIが作った曲をベースに人間が作り直したり演奏し直すことで、新たな才能が発掘される可能性はあるかもしれません。

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