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『もっと強く!』は大間違い? - 泳ぎで考えるべき"テンポ戦略"とは

どうも、足ひれ社長のヨシです!

「もっと強く!」
「思いっきり蹴り込め!」
「パワーだ!」

プールサイドでよく聞くこんな声。
でも、これって本当に正しいでしょうか?

私は長年、この「力」主義に疑問を感じていました。
なぜなら、力まないのに速い選手を何人も見てきたから。

実は、スピードを決めるのは「力」ではありません。
その証拠に、私自身、「力」への意識を捨てた時、驚くほど記録が伸び、これこそが真の戦略だ!と気付いたんです。

衝撃の発見:力を抜いた方が速かった

どうしてあの選手は楽に見えるのに速いんだろう?

フィンスイミングを始めて間もない頃、私はこの疑問を抱えていました。また、当時の私は「とにかく大きく、強く蹴る」ことしか考えていませんでした。というかそう教えられてきました。

結果は?

  • 疲労が激しい

  • フォームが崩れる

  • 記録は伸び悩む

ある日、ふと気づいたんです。
「これって、車のアクセルを踏みっぱなしで走るようなもの?」

そう、効率が悪いどころか、逆効果だったんです。

テンポという新発見

その後、私は「テンポ」という概念を見つめ直します。

単純な話です▼
1回のキックで2m進んで1秒に1回蹴るのと、
1回のキックで1m進んで1秒に2回蹴るのは、
結果的に同じ速さになる。

でも、使うエネルギーは全然違う。

これは私にとって、革命的な発見でした。

力からテンポへの転換で起きた劇的変化

実際に、私の指導現場で起きた変化をお話しします。

【選手A:日本代表選手】
Before:

  • とにかく大きく蹴ることを意識

  • 50m後半で極端に失速

  • 体力が不安定

After(テンポ意識を取り入れて2ヶ月)

  • 力に余裕を持った泳ぎに

  • 全体を通してペースが安定

  • 戦略が立てやすく

「楽に泳げるようになったら、速くなった」
彼女の言葉が全てを物語っています。

日本選手権での証明 - 徹底的な"刷り込み"

この「テンポ」への気づきは、私自身の競技人生も大きく変えました。

昨年の日本選手権。私は「1キック0.8秒!」というテンポに全てを賭けました。

「水中では時計も使えないし、コーチの合図も聞こえない...」

この課題を解決するため、私は工夫を重ねました。

まず、音でテンポを知らせてくれる「テンポトレーナー」をキャップの中に入れて泳ぐことで、水中でもリズムを確認できるようにしました。

でも、それだけでは足りない。泳ぐ時だけテンポを意識しても、本当の意味での"刷り込み"にはならないと気づいたんです。

そこで、生活のあらゆる場面でテンポを意識することにしました。

  • 陸上トレーニングのリズム

  • 自転車を漕ぐペース

  • 歩く時の足運び

全てを0.8秒のテンポに合わせる。まさに"テンポ漬け"の日々でした。

なぜそのテンポを選んだのか?
それは、このテンポなら、

  • フォームが崩れない

  • 呼吸が楽

  • スピードが最も出る

この発見に至るまでには、様々なテンポを試しました:

  • 0.7秒→早すぎて長続きしない

  • 0.9秒→楽だが遅くてスピードが出ない

  • 0.8秒→「これだ!」という感覚

レース当日。
スタート前、私の頭の中には「0.8秒」しかありませんでした。

結果は、メダル獲得。
しかも、驚くべきことに、レース後の疲労が少なかったんです。

テンポと力の関係 - 見落とされている重要な視点

ここで重要な注意点があります。

「テンポを上げれば速くなる」
これは、実は大きな誤解です。

対策をせずにテンポを上げれば、当然、疲れやすくなるだけ。ここで重要になってくるのが、「1キックあたりの力の使い方」との関係です。

この力の使い方は、実は距離によって大きく戦略が変わってきます。例えば50mと200mでは、まったく異なるアプローチが必要になります。

これについては非常に深い話になるので、もし興味があれば、コメントで教えてください。はっきり言って、この考え方は、まだほとんどの人が気づいていない「各距離を攻略する際の模範解答」になると思います。

テンポを意識すると見える新しい世界 - 予想外の発見も

テンポ練習には、さらに意外な効果があります。

テンポを固定して泳ぐと、自然と「泳ぎやすいテンポ」と「泳ぎづらいテンポ」が見えてきます。でも、ここで「泳ぎづらいからやめよう」と判断するのは、実はとても勿体ないんです。

なぜなら・・・

  • 様々なテンポで泳ぐことは、身体の操作性を向上させる

  • 神経系のトレーニングとしても効果的

  • 普段と違うテンポでの泳ぎから、意外なフォームの発見がある

つまり、「泳ぎづらい」と感じるテンポにこそ、あなたの成長のヒントが隠されているかもしれないんです。

テンポを意識し始めると、泳ぎの様々な側面が変わり始めます:

①フォームが改善される

  • 一定のリズムが自然とフォームを整える

  • ブレのない泳ぎが身につく

②疲れにくくなる

  • 無駄な力みが減る

  • エネルギー効率が劇的に改善

③ペースをコントロールできる

  • ペース配分が正確に

  • 緊張での崩れを防げる

ではどうやってテンポを身につけるか?

実践的なステップをお伝えします:

Step 1: 現状把握

まず自分の「今」を知ることから:

  • 25mを泳いで何回キックしているか数える

  • タイムを計る
    →これがあなたの「今のテンポ」

Step 2: テンポ探し

様々なテンポを試してみましょう:

  • いつもより少し遅く

  • いつもより少し速く
    →どのテンポが一番泳ぎやすいか?

Step 3: 刷り込み

見つけたテンポを身体に染み込ませる:

  • テンポトレーナーに合わせて泳ぐ

  • 歩く時もそのテンポを意識

  • 自転車もそのテンポに合わせて漕ぐ

ということで、今回もここまで読んでくれてありがとうございました。

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また、これからも読者の皆さんに役立てるような発信をしていきたいので、「コメント欄」に「質問や気になる内容」を入力して教えてください!

それではまた次回お会いしましょう!
またね〜

フィンスイミングスペシャリスト
足ひれ社長 関野 義秀 

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