見出し画像

「コミュニケーションの原点かつ頂点」 コーチングの真髄"傾聴"と"質問"

どうも、足ひれ社長のヨシです!

アドバイスするって難しいなぁ
考えを伝えるって上手くいかないんだよなぁ

そう感じたことはありませんか?

先生として、先輩として
子育て中のお母さんとして
部下を持つ上司として
もちろん、スポーツのコーチとして。

せっかくアドバイスしたのに、なんだか空回り。
一生懸命伝えたのに、むしろ逆効果…
そんな経験、あなたにもありません?

今日は、普段、人と会話をしたり、誰かと接する機会がある人なら誰でも使える、コミュニケーションを上手にする「コーチング」のノウハウをお話していきましょう!

コーチングは私の専門分野でもあり、今まで1000人以上の指導者へ話してきた内容なので、また長くなっちゃいそうですが、今日は基礎の基礎だけに絞ります、、、ご安心を、、、笑

また、コーチングって聞くと、「指導とか教える立場の人向けのことでしょ」と思いがちですが、それは実はとてももったい無い固定概念…

なぜかというと、コーチングは指導法ではなく、あくまでコミュニケーションスキルのひとつであって、人とのやり取りを円滑にするのに大いに役立つ技法だから!

友人や家族、職場の人など、人と接さずに生きている人はいないと思うので、ぜひ最後まで読みながら、明日から実践できる3ステップまでチェックしてみてください!

なぜ「聴く」と「問う」なのか?

私の場合、ある出会いが、コミュニケーションの土台をガラッと大きく変えました。

他に頼める人がいない

そう言われて引き受けた、視覚障害者への水泳指導。
最初は正直、自信がありませんでした。

見本を見せることができない。
視覚的な説明が一切使えない。
それまでの指導経験が、まったく通用しない状況。

速く、上手に泳ぐためのノウハウはたくさん知っていても、「伝えられなければ、知らないのと同じ」です。

そんな時、気づいたんです。
「伝える」前に「聴く」ことの大切さに。
「教える」前に「問う」ことの重要性に。

2つのスキルが重要な理由

「聴くことが大切?質問することが重要?何を大袈裟に・・・」

そう思ったかもしれませんが、この「聴くこと」と「問うこと」は、実はコーチングという「学問」の中で、基本の基の基となる、外せない重要な「スキル」なんです。
少しだけ理論的に説明していきましょう。

1. 積極的傾聴(Active Listening)

心理学ではよく聞く名前なので知ってる人もいるかもしれませんが、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャースさんという方がこの概念を提唱しました。
今では心理カウンセリングの基本とされてます。

じゃあ積極的傾聴とはなにかと言うと、これは単に「相手の話を聞くこと」にとどまりません。英語を見てもらったらわかるように、「"アクティブ"なリスニング」です。

普通、リスニングって聞いたら、受け身なイメージの単語で、決してアクティブという言葉とは連想しづらくないですか?この真逆のような言葉は一体どういうことなのか、具体的には以下の3つの要素が重要になります。


①無条件の肯定的関心(Unconditional Positive Regard)

  • まずは内容の良し悪しは判断せず、相手の言葉をありのまま受け止める

  • たとえ「間違ってる」と思っても、その背景を理解しようとする

「でも…」「いや…」「そうじゃなくて…」など、相手を否定するようなこれらの言葉が癖になってしまっている人は要注意︎。まずはこれらの言葉が浮かんできたら、一呼吸おいて飲み込むようにしてみるといいです。


②共感的理解(Empathic Understanding)

  • 相手の立場に立って感情を理解する

  • 言葉の背後にある気持ちを察する

たとえ自分には理解できない考え方や意見が出てきたとしても「なるほど、そういう考え方の人もいるのか」と新たな気づきとしてとらえ、もし自分がその立場だったら…と相手側に立って考えてみると、手に取るようにわかってきます。


③自己一致(Congruence)

  • 正直で誠実な態度を保つ

  • 建前ではなく、本音で向き合う

内心では本当は納得してないのに、表面上は「なるほどね」と言ってしまう。こうしたズレがあると、相手は無意識のうちに違和感を感じ取ります。自分の内面と外側の表現をできるだけ一致させ、偽りのない態度で相手と向き合うことが重要になってきます。

とはいえ、何でもかんでも思ったことをそのまま言えばいいわけじゃないのは流石にわかりますよね?「自分がどう感じてるのか」を理解しつつ、それを相手を否定しない適切な形で伝えることが大切。

難しかったら、無理に作り笑いをするのではなく、相手も自分も否定することなく、「その発想は自分にはなかったから、新しくて斬新!」と素直な気持ちを伝えるだけでも、グッと信頼感が増すでしょう。

2. 効果的な「質問」(Effective Questioning)

こちらはイギリスのコーチング心理学の第一人者ジョン・ウィットモアさんが体系化した技法。コーチングの有名なフレームワーク「GROW Model」の基盤となる重要スキルとしても知られていて、「コーチが相手に適切な"質問"を投げかけることで、自己発見と成長を促すこと」を目的としてます。

この技法の中での質問の種類は大きく2種類。それぞれの使い分けが重要です。


①クローズド・クエスチョン

  • 「はい」/「いいえ」で答えられる質問のこと

  • 素早い反応を得たい時や、事実を確認する時に使える
    例)「次に進んで大丈夫そう?」「今言った内容わかったかな?」

  • きっかけ作りや距離がある人と話す時にも有効
    例)「今日はもうご飯食べた?」「フィンスイミングって知ってますか?」

相手が簡単に回答できるのがクローズド・クエスチョンのメリット。恥ずかしがり屋でなかなか心を開いてくれない子どもと話す時なんかは、特にこのクローズド・クエスチョンを連発して、その子の興味・関心が高いものを見つけ、強めの反応を示した瞬間、次に解説する「オープン・クエスチョン」を畳み掛けて、一気に信頼関係を築いていきましょう。


②オープン・クエスチョン

  • 「はい」/「いいえ」で答えられない質問

  • 5W1Hを使って、相手の情報を引き出すことができる
    例)「今日のご飯は何を食べた?」「どこでフィンスイミングを知りましたか?」

  • 相手の思考を広げる
    例)「それって具体的にどんな感じ?」「今の感覚はどうだった?」

相手からより深い回答を得られるのがオープン・クエスチョン。コーチングのスキルとして、相手に気づきを与えたり、相手の行動を促すには、こちらの質問をしていき、相手の口を開かせることが重要になります。ただ、人は自分のことを意外とよくわかっていないもの。そのため、相手が自分のことを段階的に振り返られるような質問選びが重要になってきます。

実践例に学ぶ

よくある場面を思い返して、具体的な例にして違いを並べてみますね。あなただったら普段、どちらに近いやり取りをしていると思いますか?


ダメな例

選手:「なんか、うまくできない...」
私:「そうじゃなくて、こうしてみたら?」(すぐに解決策を提示)

生徒:「これって、どういうこと...?」
私:「それは◯◯ってことだよ」(即座に答えを指摘)


良い例

選手:「なんか、うまくできない...」
私:「あら、自分の感覚的には、具体的にどんな感じ?」
選手:「水の感触が...いつもと違って...」
私:「水の感触ね。もう少し詳しく言うと?」

生徒:「これって、どういうこと...?」
私:「逆にどういうことだと感じる?」
生徒:「えーっと、◯◯をするといいってことかな...」
私:「なるほど。それって、実際いいと思う?」


こんな感じで、常に相手が思考を進めやすいよう、ガイドしていってあげるように質問をするといいでしょう。また、自分のターンで会話を終わらせないようにすると、相手の考えをもっと引き出すことができます。

明日から使える3つのステップ

ここまで話してきたことって、ちょっとした違いなのに、でもめちゃくちゃ結果が変わってくるテクニックなんです。なんとなーく、大切なポイントは理解できました?

あとは実際に、1つずつでも、少しずつでも、実践することで自分のものになってきます。意識しやすいように3ステップにしてみました。


Step 1:意識的に「待つ」

  • すぐにアドバイスや否定をしそうになったら、一呼吸置く

  • 相手の言葉が途切れても、すぐに話さず、次の言葉を少し待ってみる

まずは相手のことを知って、理解することが全ての土台。それと同時に、相手が話してくれないと、相手の考えの本質がわからないので、とにかく話しやすい環境を作って、内に秘めてるものをたくさん引き出しましょう。

Step 2:「問い返す」習慣をつける

  • 「具体的には?」

  • 「それって、実際どんな感じ?」

  • 「もう少し詳しく教えて?」

相手の言葉を深掘りする癖をつけましょう。相手も99%の確率で、自分の考えがまとまっていません。段階的にどんどん深掘りすることで、相手をサポートしてあげましょう。

Step 3:「確認」を忘れない

  • 「つまり、今言ってくれたのって◯◯ってことかな?」

  • 「じゃあ、まとめてみると◯◯ってことであってる?」

深掘りしてたくさんの情報を引き出せたら、今まで出てきた材料を一旦整理しておきましょう。細かなニュアンスの違いによって、相手との認識のズレもあるかもしれないので、一緒に確認をすることが重要です。


これだけ意識すれば十分ですが、さらに上手に聴くための実践的なチェックリストも用意しましたので、ぜひご活用くださいませ↓

□ 相手の話を遮らない
□ うなずきや相づちで関心を示す
□ 相手の言葉を繰り返して確認
□ 表情やしぐさにも注目
□ 即座の判断を避ける
□ オープンな質問を心がける
□ 質問と質問の間に適切な間を

実はこれらも「ペーシング」という、相手に話しやすい環境を作るためのコーチングのスキルなんですが、それはもし興味のある人がいれば、またの機会にお話ししましょうかね。興味があれば、コメントしてください!


さて、ここまでいろいろ説明してきましたが、でも、実際のところ・・・

現場では難しいんですよね。

そう思った方も多いのではないでしょうか?

時間的な制約があったり、大人数を同時に指導する中で、一人ひとりにじっくり向き合う余裕がなかったり。私自身、理想通りにはいかないことも多々あります。

特にチームの指導や、大人数で行う授業などでは、全員に平等に時間を割きながら、一人ひとりの声にもしっかり耳を傾けるのは、本当に難しい。

それは、決してあなたの指導力が足りないからではありません。
むしろ、そう悩むこと自体が、相手のことを真剣に考えている証だと思います!
そこまで相手のことを考えて悩んでる人ってたぶん世の中に10%くらいでは、、、?

だからこそ、安心してください。

「完璧」を目指すのではなく、まずは余裕がある時だけでも意識してみる。
たった1日1回でも、この「聴く」と「問う」を心がけてみる。
まずは、それだけで十分だと思います。

小さな意識の積み重ねが、必ず大きな変化を生みます。
不器用ながら意識的にコツコツ続けていくと、本当に怖いくらい、自然と無意識のうちに「傾聴」と「質問」を多用した会話になっていくんです。

だから、今日から、あなたの周りの誰かとの会話で、
この「聴く」と「問う」を、できる範囲で意識してみませんか?

きっと、新しい発見と成長があるはずです!

ということで、今回もここまで読んでくれてありがとうございました。

この内容、良かった!勉強になった!
と思っていただけたら「スキ❤️」と「フォロー✅」、「シェア♻️」、「チップ💙」で応援していただければ嬉しいです…!

また、これからも他では聞けないトレーニングの紹介や泳ぎの解説を通して、読者の皆さんのお役に立てるような発信をしていきますので、「コメント欄」に「質問や気になる内容」を入力して教えてください!

それではまた次回お会いしましょう!
またね〜

フィンスイミングスペシャリスト
足ひれ社長 関野 義秀

いいなと思ったら応援しよう!