『Fate/Grand Order』キャラの登場する創作物まとめ・東洋編

欧米編へ

 引き続き、FGOのサーヴァントが登場する創作物のまとめ。
 後半は東洋編です。


①『封神演義』:小説、編者は許仲琳とされる
 登場人物:玉藻の前、哪吒

 藤崎竜のマンガ版で爆発的に知名度が広がった中国の奇書。
 殷周易姓革命を題材とする。
 玉藻の前=金毛九尾の狐=妲己、なのでいちおう。この時代の出来事はよく引用されるし。酒池肉林とか。
 哪吒は主人公側の主戦力の一人。
 竜神をちぎって帯にする超いじめっ子。
 いくつかある翻訳のうち、安能務版は独自の解釈もありかなり異質なものの、読み物としては面白い。

②『うしおととら』:マンガ、藤田和日郎
 登場人物:玉藻の前

 玉藻の前=金毛九尾の狐=妲己=白面の者、ということで。
 少年マンガのひとつの頂点。
 アニメ版も省略が多いものの、なんだかんだで面白い。


③『東周英雄伝』:マンガ、鄭問
 登場人物:始皇帝

 台湾漫画界の巨匠・鄭問の超絶技巧で描かれる始皇帝その1。
 始皇帝は八話「併呑天下」と十九話「貪財将軍」に登場。
 なお「貪財将軍」には『キングダム』の主人公・李信も登場するが、描かれ方は史実準拠なのでまあアレ。


④『始皇』:マンガ、鄭問
 登場人物:始皇帝

 台湾漫画界の巨匠・鄭問の超絶技巧で描かれる始皇帝その2。
 前半は趙の名将・李牧との戦い、後半は秦の屋台骨を作ったともいえる思想家・韓非子のお話となる。


⑤『刺客列伝』:マンガ、鄭問
 登場人物:荊軻、始皇帝

 鄭問作品ならこれも。
 円熟期に至る以前の作品のため、絵柄等すこし物足りないかも。


⑥『達人伝』:マンガ、王欣太
 登場人物:始皇帝

 虎狼の国・秦を倒すため、中華全土の英雄を糾合しようという春秋戦国アヴェンジャーズ。
 『キングダム』の重要キャラ、王騎やその同僚・白起も登場。
 特に中国史上屈指の殺戮を行ったことでも知られる名将・白起のエロかっこよさが半端ないので必見。
 物語開始時には始皇帝こと嬴政はまだ種付けもなされておらず、影も形もない。
 2019年現在でもまだ少年。
 しかし、すでに怪物の風格がある。


⑦『始皇帝暗殺』:映画(1998)、陳凱歌監督、原題『荊軻刺秦王』
 登場人物:荊軻、始皇帝

 荊軻と始皇帝が出てくる映画といえば外せない。
 彼女? なに言ってるんです荊軻は男ですよ。


⑧『項羽と劉邦』:小説、司馬遼太郎
 登場人物:項羽、虞美人、韓信

 定番すぎて言うことがない。


⑨『蒼天航路』:マンガ、王欣太、李學仁原作・原案
 登場人物:呂布、陳宮、孔明、司馬懿、赤兎馬

 それまで常に悪役として描かれてきた曹操を主役に据えた記念碑的作品。
 三国志関連作品としては、それまでのお約束を知っていればいるほど面白いので、できれば吉川英治なり横山光輝なりを履修した上で読むのが吉。
 よく最後のコマでやらかす芸風。
 声に出して読みたい名言多数。
 陳宮と呂布の関係性は作中でも最萌。
 あと孔明は性魔人。


⑩『三国志 Three Kingdoms』:ドラマ
 登場人物:呂布、陳宮、孔明、司馬懿、(赤兎馬)

 ※括弧つきなのは、赤兎馬目当てで観られてもなあ……という配慮

 中国製作の実写ドラマ。
 キャラ造形は基本を押さえており、初心者にもおススメ。
 陳宮は曹操との最後の問答シーンが無闇矢鱈とかっこいい。


⑪『泣き虫弱虫諸葛孔明』:小説、酒見賢一
 登場人物:孔明他

 孔明は妻ともども変人だし劉備はラーメン屋の店主だし趙雲は内臓剥き出し、というふざけたノリだがちゃんと三国志してる。
 なお、孔明はあまり泣かないし弱虫でもない模様。


⑫『人形三国志』:人形劇
 登場人物:呂布、陳宮、孔明、司馬懿、(赤兎馬)

 吉川英治版を元にした人形劇。
 紳助竜助がオリキャラとして案内役を務めるのは「好みのわかれるところであろう……」
 エピソードの描かれ方等、問題がなくもないのだが、芸術性の高さから一度は観ておくべき作品。


⑬『人形歴史スペクタクル 平家物語』:人形劇
 登場人物:牛若丸、武蔵坊弁慶、巴御前

 こちらも吉川英治原作の人形劇。
 やはり案内役として麻鳥一家がいるが、こちらは原作にも登場する。
 常陸坊が出てくるかどうかはちょっと記憶にない。


⑭『隋唐演義』:小説、褚人獲
 登場人物:武則天、楊貴妃

 三国志の隋唐版といえば日本人にもわかりやすいか。
 隋の成立から安史の乱までが描かれる。
『西遊記』にも登場する唐の太宗こと李世民は序盤の主役。
 ディズニー・プリンセスの一人ムーラン(花木蘭)も登場。
 武則天、楊貴妃ともに出番は後半。
 田中芳樹訳と安能努訳があるが、おススメは後者。


⑮『女将軍伝』:小説、井上裕美子
 登場人物:秦良玉

 井上裕美子初の純歴史小説。
 派手さはないが手堅くまとめられたメルカッツのような一作。
 中国のマイナーな時代を扱った作品はそれ自体が貴重。


⑯『姫のためなら死ねる』:マンガ、くずしろ
 登場人物:紫式部

 百合四コマ。
 紫式部はメインキャラの一人にして主人公・清少納言のライバル。


⑰『魔界水滸伝』:小説、栗本薫
 登場人物:酒呑童子、茨木童子、織田信長

 クトゥルー神話の邪神軍団に地球の妖怪、神々、人類が連合作って対抗するという、とんでもないスケールの物語。
 新のつく第二シリーズは未完な上ジャンルが変わるので、第一シリーズだけ読むのもぜんぜんアリ。
 酒呑、茨木は当初悪役だがいい味出してる。
 茨木は終盤でママ化する。
 織田信長が主人公の外伝もある。
 余談だが、本作を読むと「伏線はブン投げるもの」という、あまりよろしくない知見が得られるので注意。


⑱『信長協奏曲』:マンガ、石田あゆみ
 登場人物:織田信長、茶々、森長可、明智光秀

 タイムスリップした高校生が信長と入れ替わって天下を目指す。
 本物の信長は明智光秀を名乗り、陰からこれを支える。
 信長の妻・帰蝶は癒し系ヒロインなのだが、ドラマ版では柴咲コウが演じたため、正反対のキャラクターとなった。


⑲『へうげもの』:マンガ、山田芳裕
 登場人物:織田信長、茶々、柳生但馬守宗矩

 数寄者の視点から描いた戦国史。
 マンガ史に残る本能寺の変は必見。


⑳『SAKON(左近) -戦国風雲録-』:マンガ、原哲夫、原作隆慶一郎
 登場人物:柳生但馬守宗矩、風魔小太郎

『影武者徳川家康』のスピンオフで、石田三成の側近・島左近を主人公としたバトルマンガ。
 時代劇の皮をかぶった『北斗の拳』
 隆慶一郎作品の宗矩は極悪人として描かれることが多く、本作でも柳生、裏柳生を率いて左近の前に立ちはだかる。
 お気に入りシーンは裏柳生の皆さんによる組体操。

「こんなところに山があったか?」「いや、山ではない! 人だ!」


㉑『衛府の七忍』:マンガ、山口貴由
 登場人物:宮本武蔵、柳生但馬守宗矩、沖田総司、土方歳三

 すべてが最高。


㉒『百日紅』:マンガ、杉浦日向子
 登場人物:葛飾北斎

 北斎の娘、栄を描いた数少ない作品。
 お気に入りのシーンは「えい、阿呆らしい」
 原恵一のアニメ映画もおススメ。


㉓『お~い!竜馬』:小山ゆう、原作武田鉄矢
 登場人物:岡田以蔵、坂本竜馬、土方歳三、沖田総司

 幕末の入門書としておススメ。
 竜馬、以蔵に武市半平太を加えた三人の少年時代が詳細に描かれている。


 以上、前後編合わせて42作品、思いつくままに並べてみた。
 コレが抜けてるじゃねぇ~か! まだまだ、こんな凄い作品もあるよ! という方がおられれば、是非コメント欄にてご教示を。


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