『ルーナジア戦記』プレイ日記 第11話・ルド様と兵法
782年、ガレスト。
ガイ・ムール共和国の主力が各戦線に赴き、手薄となった隙を衝いて、この地をマナ・サリージア法王国軍が急襲した。
総大将は法王ルド。副将はその側近カイルに大神官ギリアム。
法王国の三巨頭による、絶対の布陣といってよい。
対する共和国軍守備隊を率いるのは、コンラート、ユイリ、カーラの三騎士だった。
「フン、ぬるい。所詮はモハナ派の三流騎士どもよ」
ルドの剛剣が一閃すると、共和国側のアイアンゴーレムが、ガラクタのように散らばった。
「コンラートさん、このままじゃ……!」
経験の浅いカーラが青ざめる。
「ひるむでない。隊列を崩さず、整然と後退するのだ。後衛のモンスターを取り残さぬようにな」
コンラートは、長年執事としてウザーラ家に仕えてきた男である。
派手な戦果を挙げたことはないが、得意のチェスによって練り上げられた知略は、エルザからも信頼を置かれていた。
敵が弱兵と見たルドは、味方の到着を待たず、自らの部隊だけで共和国の陣に切り込んだ。
元より、ガレストに配備されていた戦力はさほどの数ではない。長く持ちこたえるのが不可能なのは、誰の目にも明らかだった。
「進め、進め! モハナ派は一人残らず殲滅し、大陸をザイ派一色で染め上げるのだ!」
「伝令!」
先行していた斥候がもどってくる。
「法王様! この先におかしなものが!」
「なんだと?」
案内されて辿り着いた場所には、樹齢千年に及ぼうかという巨木が聳えていた。
見上げると、幹の表面の一部が削り取られ、何か文字が書かれている。
「あれは……」
ルドが眉根をよせる。
文言の中身に気づいた兵たちが、恐ろしさに口をつぐんだ。
そこには、こうあった。
“法王此の樹の下に死す”
次の瞬間、道の左右からサイクロプス、アイアンゴーレムといった重量級のモンスターが現れ、ルドたちを取り囲んだ。
「いまだ! かかれい、ユイリ隊! 狙うは法王ただ一人!」
コンラートが声を涸らして叫ぶ。
遊撃隊を率いるユイリと、麾下のハイケンタウロスたちが一斉に矢をつがえた。
「おもしろい! このルドの首級、獲れるものなら獲ってみよ!」
法王の怒号が、矢の雨が降り注ぐ音さえ圧して轟いた。
※解説
法王ルドは、ルナ戦最強の前衛キャラといっても過言ではありません。
移動後でも放てる強攻撃、痛すぎる反撃と、まともに殴り合えば大損害は必至です。
そこで、囮を使って引きつけ、弓や魔法といった遠隔攻撃を集中させるのが主な攻略法となります。ウィークネス等のデバフも有効。
ところで今回の元ネタは馬陵の戦いなのですが、やはりこの戦いを元にしたシーンが、かの名作RPG『幻想水滸伝Ⅱ』にも存在します。
そこで倒される敵も、剛勇と我が道を往く性格といった、ルドと共通する要素を持っています。
※一周目のプレイ日記「ガイ・ムール共和国編」は次回で最終回となります。
大陸統一後の要素についても情報があがってきていますが、ここでは敢えて書きません。
未プレイの方は、是非ご自分の目でお確かめください。