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葦原青
2021年9月10日 19:57
この話の1へ前の話へ ドアをあけると暗い廊下が奥に続いていた。 呼びかけたが返事はない。「うむ。どうやら留守のようだね」「いや。いやいやいやいや」 ウィルは首を横に振った。「そんな小声で聞こえるかよ」「大声を出したら彼女《ラ=ミナエ》に見つかるだろう? それに、この辺の住人はとっくにどこかへ避難しているよ」「たしかにそうだけど……」 ウィルは痛みに顔をしかめた。「