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ペット栄養管理士が解説!キャットフード成分比較!危険な原材料は?


一緒に暮らす猫の健康を守るためには、毎日の食事がとても重要です。

なぜなら生活する上でのエネルギー供給はもちろんのこと、免疫力の維持や、病気を予防するために体が必要とする栄養素を取り入れる必要があるからです。

しかし世の中にはたくさんのキャットフードがあり、どれを選べばいいのか混乱してしまいますよね。

そこでこの記事では、ペット栄養管理士がキャットフードにはどんな種類があるのかという基礎知識から、キャットフードの成分や原材料を徹底比較します。

愛猫の健康に悪影響を及ぼす可能性がある危険な原材料についても詳しく解説するので必見です。

大切な家族である愛猫に安心して与えられるごはんを選べるように、ぜひ参考にしてください。



キャットフードって何?猫の食性や危険な原材料を解説

自由気ままな性格と愛らしい仕草が人気の猫を飼いたいと思う人は多いです。

一般社団法人ペットフード協会が調査した2024年版全国犬猫飼育実態調査結果を見ると、2023年度の猫の飼育頭数は、犬の飼育頭数を大きく上回る結果となっています。新規飼育世帯数は289千世帯と、実際に多くの人が猫を飼い始めていることがわかります。

しかし猫がどんな動物で、食事に関してどのような注意点があるのか、あいまいな人が多いことも事実です。

まずは猫の食事に関する習性や特徴を知り、キャットフードに関する注意点を理解していきましょう。

そもそも猫ってどんな動物?肉食?雑食?

猫は完全肉食動物です。昔から猫は単独で狩りをして獲ったねずみや鳥などの小動物を食べることで生活していました。

1匹のねずみや鳥では十分なエネルギーを補給できないため、1日に何度も狩猟します。そのような習性から、猫は少量の食事を何度も分けて食べると言われています。

猫の習性に合わせ、1日の食事は少量ずつ数回に分けて与えることが良いでしょう。

キャットフードをあげる目的とは?ドッグフードがダメな理由

前述のとおり、猫は完全肉食動物です。一方、犬は肉食寄りではありますが雑食動物と言われています。

食事に関する習性が異なるため、必要な栄養バランスや栄養素の量が違います。例えば猫は肉食のため、雑食の犬より必要なタンパク質の量が多いです。

食性や必要な栄養量の違いを踏まえ、ペットフードメーカーではドッグフードとキャットフードを区別して作っています。

猫にはドッグフードではなく、キャットフードを与えるようにしましょう。

人が食べているものをあげないほうがいいの?危険な原材料とは!

人間にとっては安全な食べ物でも、猫が食べると危険なものや有害なものがあります。

猫が食べてはいけないものを知り、与えないように気をつけましょう。

猫に与えてはいけない食べものと、与えたときの症状

上記の食べ物を口にすると、場合によっては死に至ることもあります。絶対に与えないよう気をつけましょう。

また誤って口にしてしまった場合、速やかに動物病院へ行くことをおすすめします。症状が現れるまでの時間には個体差があるため、元気そうに見えても要注意です。

正しい知識を身につけて、愛猫の命と健康を守りましょう。

キャットフードの種類について解説!適正な食事量とは?

一言でキャットフードと言っても、世の中にはたくさんの種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。この章では猫にどんなキャットフードを与えればいいのか、種類や用途に分けて解説します。

キャットフードの分類について

ペットフード公正取引協議会の公正競争規約によると、ペットフードは「総合栄養食」、「間食」、「療法食」、「その他の目的食」に分類されます。

ペットフードの分類

主食として与えるキャットフードは、必ず総合栄養食を選びましょう。

総合栄養食の場合、パッケージの表面や裏面に『総合栄養食』と記載されています。『一般食』、『おやつ』と記載されているときは総合栄養食ではないため注意してください。

食いつきが悪いときは、一般食やおやつをトッピングして完食してもらうなどし、必要な栄養がとれるようにしましょう。

キャットフードの種類について

総合栄養食を主食として与えればよいことがわかりましたが、キャットフードは水分量や製法の違いによってさらに細分化されます。ドライフード、ウェットフード、低温調理法で製造されるフレッシュフードが代表例です。

どのフードを与えればいいのか、特徴を比較して検討しましょう。

キャットフードの種類と特徴

ドライフードは比較的安価で保存性が優れているため、飼い主目線では使いやすいキャットフードです。しかし水分量が10%と少ないため、ドライフードのみ与え続けると水分不足になる可能性があります。

ドライフードと、ウェットフードやフレッシュフードを併用することで、愛猫に必要な水分量に配慮しましょう。

どうやってあげればいいの?必要な食事量はどれくらい?

必要な食事の量は、猫の体重や体型などによって異なります。体重や与えるキャットフードのカロリーから必要な食事量を割り出す計算式はありますが、ごはんを変えるたびに自分で計算するのは大変ですよね。

猫の体重と年齢、与えるキャットフードのカロリーを入力すれば自動で必要な食事量を計算してくれる便利なサイトがあります。

下記サイトから、今使っているキャットフードは1日にどれぐらい与えればいいのかを計算してみてください。

ペットの1日フード量計算(犬・猫)
※日本動物医療センターJAMC

キャットフードの原材料や成分を比較!ポイントは?

ここまでキャットフードの種類や用途を解説してきました。まだ何を選べばいいかわからないという人のために、キャットフードの原材料や成分を比較しながら選ぶポイントを解説していきます。

キャットフードの原材料名表示を確認しよう

パッケージに記載している原材料名は、割合が多い順に並んでいます。猫は完全肉食動物なので、原材料名の一番最初に肉や魚などの動物性タンパク質の名称が記載されているものを選びましょう。

肉や魚の名称が記載されていても、「〇〇ミール」、「肉類」、「〇肉副産物」と表記されている場合、一体どんな肉を使用しているのかわからないため注意が必要です。「鶏肉」、「魚類(まぐろ、かつお)」などはっきりと何の原材料か記載しているキャットフードを選ぶことをおすすめします。

添加物ってどんなもの?危険なものはあるの?

キャットフードに含まれる添加物には、栄養バランスを整える目的のものと長期間品質を保ったり、見た目や風味をよくする目的で使用されているものがあります。

ビタミンやミネラルなどの栄養補給目的の添加物は、健康維持のために必要です。厳しい栄養基準を満たす必要がある総合栄養食には、たいてい使用されています。

品質保持目的で使用されている添加物には以下のようなものがあります。

【品質保持目的で使用される添加物】

  • 酸化防止剤

  • 保存料

  • 着色料

  • 香料

  • 発色剤

  • pH調整剤 

これらの添加物=危険というわけではありません。しかし農林水産省と環境省が定めた「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)に、発がん性の疑いがあるため使用量を制限されている添加物があります。

【使用量を制限されている添加物】

  • エトキシキン

  • BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

  • BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

  • 亜硝酸ナトリウム

少量であれば問題ないとされていますが、愛猫の健康を考えると、上記の添加物を使用していないキャットフードを選んだほうが安全です。

添加物が含まれていることに不安がある人に、危険性のある添加物不使用のキャットフードの中からおすすめを紹介します。

【酸化防止剤・保存料・着色料・香料・発色剤・pH調整剤不使用のキャットフード】

おすすめを参考に、キャットフードを購入するときには原材料名を見て、危険性のある添加物が含まれていないか確認するようにしましょう。

栄養成分表示って?

ペットフード公正競争取引協議会で、ペットフードの成分として「タンパク質」、「脂質」、「粗繊維」、「灰分」、「水分」を表示するよう義務づけられています。

ペットフードで表示が義務付けられている栄養成分

キャットフードで注意するべきポイントは「タンパク質」、「脂質」、「水分」です。

猫は完全肉食動物なので、タンパク質が少ないキャットフードを主食として与え続ける場合は注意が必要です。一方、腎臓病の猫はタンパク質量を制限する必要があるので、高タンパク質のキャットフードを選ばないようにしましょう。

脂質は最も優れたエネルギー源として重要です。しかし肥満傾向の猫に高脂質のキャットフードを与え続けることは健康にとって悪影響となります。愛猫の体型に合った脂質量のキャットフードを与えましょう。

水分は最も重要な栄養素の一つですが、猫の祖先は砂漠で暮らしていたため、水分をあまり摂取しなくてもいい体の仕組みになっています。喉の渇きに鈍感とも言われており、自分から水を飲もうとすることは少ないです。

一方で水分不足が続くと腎臓に負荷がかかるため、猫にとっても水分をとることは大切です。経口摂取しない分食事から補給できるよう、水分量の多いキャットフードを与えるように工夫しましょう。

愛猫の健康を守る!おすすめフード10選


この章では愛猫の健康を守るために、猫の性質に合った身体にやさしいキャットフードを紹介します。

カテゴリー別おすすめキャットフード10選

【おすすめのドライフード】

  • エリザベス:オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富な南極オキアミを配合しているので、シニア猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • AATU(アートゥー):タンパク質を厳選しているため、特定の食材にアレルギーがある猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • ACANA(アカナ):カロリーが高めなので、成長期の猫や大型の猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • 犬猫生活:乳酸菌、オリゴ糖配合のため、お腹が緩い猫におすすめ(公式ホームページはこちら


【おすすめのウェットフード】

  • 黒缶:オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富なので、シニア猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • NaturaHa(ナチュラハ):柔らかい食感のため、幼い猫やシニア猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • Nutro(ニュートロ):リン・ナトリウム量が低いため、腎臓に負担をかけたくない猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • Terra Felis(テラフェリス):消化を助ける食物繊維が入っているため、便秘気味の猫におすすめ(公式ホームページはこちら


【おすすめのフレッシュフード】

  • Miao Gourmet(ミャオグルメ):水分が多くて食感が柔らかく、自然素材を使用しているため、シニア猫におすすめ(公式ホームページはこちら

  • UNIAM(ユニアム):パテのようななめらかな食感のメニューや食材をざく切りしたメニューなどが豊富で、食感にこだわりがある猫におすすめ(公式ホームページはこちら

おすすめポイントや、これまで解説した内容を参考にして、愛猫に合ったキャットフードを選んでみてください。

新しいごはんを与えるときは、まずは少量ずつ試していってくださいね。

まとめ


キャットフードに関する注意点はたくさんありますが、猫は自分でキャットフードを選べず、栄養バランスを考えることもありません。

愛猫に長生きしてもらうためには、飼い主が責任を持って適切なフードを選ぶ必要があります

愛猫とあなたの暮らしに合うのはどんなキャットフードか、真剣に考えてみてください。

この記事が、あなたと愛猫の暮らしをよりよくするための参考になればうれしいです。




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