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資産運用をしなければ、インフレで酷いことになる?
資産運用をする目的はインフレ対策?
古くから、資産運用をする主な目的は、インフレ対策だったと言われているらしい。
もっと正しく言うならば、資産家たちが「一族の財産を守る」ために行っていたのが、資産運用の本当の目的だったという話です。
昔は戦争などがあるたびに、次々と国が変わってしまい、そのたびに支配者や政府もコロコロ変わり、その支配者たちから自分たちの財産を奪われないためにといろいろ考えて財産を残そうとした。
たとえば、いろんな資産に分散することや、自国の資産だけでなく他国の資産も保有するなどといった工夫で、そういう時代を乗り越えてきたのでしょう。
その延長線上にあったのが、資産運用というわけです。
そして、その支配者たちから資産を守るために必要なことの一つとして、インフレ対策というのも考えられていたというわけです。
支配者が変わることで、その時代の通貨が使い物にならなくなったり、急激に価値を下げることもあった。
つまりは、通貨に頼らない、絶対的な価値というものに意識を向ける必要があったということなのでしょう。
でも今はそんな時代じゃないと感じている。
政権が変わることはあっても、国が丸ごと変わるという事はあまりない。
ましてやこの日本や、他の先進諸国では、昔のように国が丸ごと変わってしまうなんてこと、あまり想像ができない気がする。
おそらく民主主義という制度が広まったことによって、社会はだいぶ安定しているんだと思っています。
そんな世の中になっても、昔のように「支配者に資産を奪われるかも」とか言いながら資産運用を考える必要ってあるのだろうか?
「資産運用をしなければ、インフレに対応できない」と脅されて生きていかなければいけないのだろうか?
と疑問に思う所もある。
若い人が資産運用でインフレ対策をする必要はあまりない?
資産をまだほとんど保有していないような若年層の場合には、「インフレ対策のために資産運用を」というのは、ほとんど必要ないんじゃないかと思う。
インフレが起こるという事は、基本的に賃金も上昇することになるはずです。
実際過去を振り返れば、明らかに賃金は上昇しています。
私が就職したころの約20年前の大卒初任給は、月18万円程度でした。
今では月24万円なんて言われています。
つまり若年層は、今ある少しの資産を運用してインフレ対策を考えるよりも、もっと効率よく働いて賃金を増やすことを考えた方のが、よっぽど資産形成がしやすい。
つまり、よく働いて、ほどよく貯めていれば、それなりにインフレ対策にはなるのではないかと思うのです。
実際これまでの社会を振り返っても、「しっかり働いて、程よく貯めて」というライフスタイルを送ってきた人たちが、経済的に苦労しているという話はほとんど聞かない。
「これからは違う」という声も聞こえてきそうだけど。
それって本当なのだろうか。
個人的には、「これからは違う」と言っている人の話が当たる確率より、今の流れの延長線上が今後も続くという確率の方が、はるかに高いんじゃないかと思っています。
時代というのは急激に変わることはない。
自分が気づくか気づかないかぐらいの流れの中で、ゆっくりと変わっていっているというのが、この世界の流れなんだなということを、今の歳になってわかってきました。
「資産運用をしなければインフレに対応できない」という話は、3割は合っているけれど、7割は間違っているというのが、個人的な感想です。
インフレ対策だと言って、わざわざ資産運用をする必要はないと思う。
けれど、賃金がもらえなくなる現役をリタイアした後は、それなりに資産運用に慣れていた方のが、良いこともあるかもしれないとは思っています。
「インフレ対策のために資産運用を」というのは、金融機関のキャッチフレーズ?
インフレという言葉を持ち出して、資産運用を勧めるスタンスは、金融機関が、自分たちの商品を売るためのキャッチフレーズだと思っている。
私自身、今まで20年近く資産運用や株式投資をして来たけれど、「インフレ対策のため」なんて意識は、ほとんどありませんでした。
資産運用を始めた最初のころは、ハイパーインフレなどといった言葉に踊らされて、「資産運用をしなければ!」なんて思っていたこともあったけど。
結局投資や資産運用では、インフレ対策になるかどうかよりも、「儲かるか儲からないかが」すべてになってくると思っている。
つまり、投資する理由は、その投資先が「儲かる可能性が高いかどうか」という事です。
「インフレ対策として」という判断では、その商品が儲かるかどうかはわかりません。
そもそも悲観的なことを言って、人を不安にさせ、商品を買わせるというのは、金融機関の常套手段です。
インフレという不安をあおって、投資商品を買わせる。
よくできたストーリーだと感心します。
外貨建て保険をすすめて、インフレ対策?
株式投資でインフレ対策?
金を買ってインフレ対策?
国内でのインフレとは、円という通貨の価値が下がることによって起こるものだと考えらえます。
つまり、円の通貨とは違うものを保有していれば、それが何であっても、インフレ対策として機能する可能性はある。
昔の富裕層たちのように、通貨以外のいろんな資産に分散して財産を分けておけば、それだけでインフレに対応できることが期待できる。
つまりは、「この商品を買えば、インフレに対応できます」というものではなく、通貨以外の様々な資産に分散投資することが、インフレ対策なのだと考えています。
通貨以外の商品には、それぞれに価値が目減りする別々のリスクがあるため、一つの資産に絞ってしまうと、インフレが進んでいる時と、その資産の価格が下落する時期とが重なってしまったら元も子もありません。
保険や投資信託など一つの商品だけ提案して「インフレ対策だ」とアドバイスしているのは、「ただその商品を売りたい」というだけなのかもしれないと考えても、あながち間違ってはいないのかもしれません。