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資格取得に夢中な発達障害者が見落とすキャリアの本質

 皆さん、こんにちは。今日は「資格を取って人生を変える!」という考えから、資格と実務経験のバランスについて考察してみたいと思います。

 自分がOT(作業療法士)の専門学校に通っていた際、社会人として再スタートを切ろうと資格取得に励む人々を目にしました。しかし、社会人でも資格を取得できた人と、そうでない人に分かれることがありました。
 確かに資格は重要ですが、資格だけでは企業が求める人材にはなれないのが現実です。特にASD(自閉スペクトラム症)者や境界知能者が直面する課題も含めて考えてみたいと思います。

 資格は、その分野における専門知識やスキルを証明するものであり、職場での信頼性を高める手段として有効です。医療や法律、会計などの専門職では、資格がなければ業務に従事できない場合もあります。また、資格取得を通じて得られる知識は、自身のスキルアップやキャリアの幅を広げるためにも役立ちます。

 しかし、資格を持っているだけでは、企業が求める「即戦力」としての価値を持つことは難しいです。企業は、実際の業務でどれだけ効果的に働けるか、つまり実務経験を重視します。資格を持っているだけでなく、その資格をどのように業務に活かし、どのような成果を上げるかが重要になってきます。

 企業が求めるのは、たくさんの資格を持っている頭でっかちな人間ではなく、一定年数の実務経験を積んで、賃金に見合う働きをしてくれる人です。実務経験は、単に業務を遂行するためのスキルだけでなく、問題解決能力、コミュニケーション能力、チームワーク、そして実際の職場での適応力を証明します。

 実務経験を通じて、理論では得られない現場の知識やノウハウを身につけることができます。これにより、業務の効率化や新しいアイデアの提案、トラブル対応など、多岐にわたるスキルを習得していきます。

 資格取得に焦点を当てすぎると、資格ビジネスの餌食になるリスクがあります。多くの資格は取得に時間と費用がかかり、必ずしもその投資がキャリアに直結するとは限りません。「資格を取ったら何かが変わる」と考えるのは、一種の幻想です。資格はあくまで一つのツールであり、それをどう活かすかが重要です。

 ASD者や境界知能者にとって、資格取得は特に魅力的な選択肢に映ることがあります。これは、メタ認知が苦手で長期的な戦略を描くことが難しいため、具体的な目標や成果物として資格がわかりやすいからです。しかし、この特性が資格ビジネスの罠に引っかかる原因となることも少なくありません。

 メタ認知が苦手なため、自分の強みや弱み、環境に対する適応能力を客観的に評価することが難しく、短期的な解決策として資格取得に飛びついてしまうことがあります。しかし、資格を取るだけでは問題は解決しません。実際の業務での経験を積み、自分のスキルをどのように活かすかを考えることが重要です。

 また、資格取得と実務経験のバランスが重要です。資格を持つことはキャリアの一助となりますが、実務経験を積むことで初めて、その資格が生きてきます。資格取得に励むことは素晴らしいですが、それだけで満足せず、実務経験を積む努力を怠らないことが大切です。

 企業が求めるのは、資格を持つだけでなく、実際の業務で成果を上げられる人材です。資格と実務経験をバランスよく組み合わせ、自分自身の価値を高めることが、長期的なキャリア形成において最も重要なポイントと言えます。

 資格取得はキャリア形成の一環として重要ですが、実務経験とバランスを取ることが求められます。特にASD者や境界知能者にとって、資格はわかりやすい目標ですが、実務経験を積むことでその資格が活かされることを忘れてはいけません。
 資格ビジネスの罠に陥らないよう注意し、実務での経験を通じてスキルを磨き、企業が求める即戦力とは何かを理解する必要があります。自らの手でキャリアを築くために、資格取得と実務経験の両方を大切にすることが肝要です。

 今回は、資格取得と発達障害者の課題について考えてみました。最後までお読みいただきありがとうございます。


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