発達障害者が持つ強い正義感〜脱中心化のススメ〜
皆さん、こんにちは。今回は、発達障害者が持つ強い正義感と、そのコントロールの重要性についてお話ししたいと思います。この記事を書こうと思ったきっかけは、SNS上で「発達障害者の正義感のコントロールもとても大切だ」というやりとりを見たからです。
発達障害者(特にASD者)の特徴として、こだわりが強く、社会的なルールや規範に対して非常に敏感であることが挙げられます。その結果、強い正義感を持つことがあります。
この正義感は、ルールを守ることが非常に重要だと感じる傾向に関連しています。しかし、この正義感がコントロールできない場合、周囲との摩擦を生む原因となることがあります。
当事者が「ルールがあり、私たちはそれを守らねばならない」という二項関係の認識から、「ルールがあり、それを守らない他者がいて、それを守ってほしい私がいる」という三項関係の認識へと脱中心化することが求められます。
後者の認識に移行することで、他者にルールを守らせるための適切な伝え方や、自分が伝えるべきかどうかを考える余地が生まれます。前者の認識にとどまっていると、ルールを守ることが絶対的な前提となり、誰がどのように伝えるかを考慮せず、一方的で立場をわきまえない伝え方になりがちです。
脱中心化とは、自分の視点だけでなく、他者の視点も考慮することです。これは、他者の行動や視点を理解し、それに基づいて適切に行動する能力を養うことを意味します。発達障害当事者がこのスキルを身につけることで、他者との良好な関係を保つために必要な適切なコミュニケーションが取れるようになります。
ただ、ASDを抱えているとメタ認知が苦手な側面があるため、三項関係の視点を持つには、何らかの形で学習し言語化する必要があるでしょう。日常生活で自然に学ぶことが難しい内容に思えます。
三項関係の認識に基づくと、ルールを守らない他者に対してどのように伝えるかを考えることができます。例えば、直接的に指摘するのではなく、状況や関係性に応じた適切な方法で伝えることが可能になるでしょう。また、自分がその役割を果たすべきかどうかも考慮する視点が生まれます。このような配慮は、他者との良好な関係を保つために非常に重要です。
一方的な伝え方は、他者との摩擦を生むリスクが高いです。誰もがルールを守るべきだと信じている場合、他者の行動や立場を考慮せずに指摘してしまうことがあります。これは、相手に対して攻撃的な印象を与え、関係を悪化させる原因となります。そのため、発達障害当事者が正義感をコントロールするためには、他者の視点を理解し、適切な方法でコミュニケーションを取る能力を養うことが重要です。
発達障害者が持つ強い正義感をコントロールすることは、社会生活において非常に重要です。これには、単純なルールの認識から脱中心化し、他者の視点や行動を理解し、それに基づいて適切に行動する能力が求められます。
このようなスキルを身につけることで、他者との良好な関係を築き、社会生活を円滑に送ることができるでしょう。
自分を含めた発達障害者の皆さんが、自分の正義感をコントロールし、より良いコミュニケーションを取れるようになることを願っています。
今回は、発達障害者が持つ強い正義感と、そのコントロールの重要性についてお話ししました。最後までお読みいただきありがとうございます。