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ノンフィクション連続小説第13話 『妖怪の棲む家』

非常に怖いことなのだが、私は大人になって随分と時が経つまで善悪の区別がつけられなかった。

「こういうことをしちゃだめ。」「人に迷惑がかかるから。」というような言葉がきちんと胸の内に入らなかった。

本当に些細なことから大きなことまで、”なんでもあり” だと思っていた。

若い頃の私のことを人が見たら、ワイルドでかっこいいと思う人もいたと思う。ただ、私は、かっこつけているわけでもなんでもなかった。

やりたいことを好きなときにやっていただけ。

それが少し(と信じたい‥)非常識だったことも多々あったと思う。

”善悪の基準とはいつ育むのだろう。”

私は自分にその感覚が恐ろしく欠如しているのを10代の若い頃から自覚していた。

下手するとどこまでも堕ちていく危なげな自分がいた。

私が今ここにこうして、きちんとした姿でここにいるのは、あの頃に私の手を離さずにいてくれた人たちのおかげだ。

今は、"妖怪の棲む家"と境界線を引くことができた。

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第13話はここまで。次回もぜひお楽しみにしてください。


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