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#1 休肝日コラム『香水』

↑の通り、
週に2日の休肝日を設けているので、そんな日は酒場に思いだけを馳せています。
基本的には家でサケちゃんと晩酌を楽しむ日常ですが、仕事帰りが遅くなった時はたまに一人で最寄駅の焼き鳥屋に立ち寄るのがたまの贅沢な時間でして、同じカウンターに座ってる方の会話や、斜向かいのテーブルの方々の会話などを、結構盗み聞きしてます。
それはそれはもう、結構な頻度で。ええ。
ものすごく悪趣味な事くらい、自覚しておりますし、それを差し置いたとしても、人の会話の盗み聞きというのは、最高の酒の肴になるもんなんです。あ、断っておきますが、私は特殊な訓練を受けておりますので、皆さんは決して真似しないようにしてくださいね。万が一トラブルが起きた際には、私は一切責任を負えませんので。

そんな盗み聞きからは、おじさんを手玉に取る上手な返しを学べる機会もあるもんでして。

その日僕はL字のカウンターの長辺と短辺が交わる長辺側の角に座っていて、短辺側に両方60代後半位の女性と、70代後半位の男性が座っていました。

お二人の雰囲気や様子を伺う限り、スナックのママ的(大地真央さんみたいな色気のある方)な方と、同伴的なおじさん(見た目は火野正平さんで色気だけを削ぎ落としたおじさん)でした。

大地真央さんが、火野正平さんに「〇〇君って香水の歌を歌ってる子に似てるよね?」と、おそらく共通の知人が歌手の瑛人に似てるよねと問いかけると、
「あー、あのなんとかかんとかガッパーナってやつな。俺の嫌いなやつだ」と火野正平さんは一蹴。
そんな事わざわざ言わんでええのになーと思いながら横耳を立てていると、「そんな事言ってあげないでよ。あの子も頑張ってんだから」と大地真央さんも僕と同じような感想。

これで「そうかそうか、悪かった、まぁ似てるっちゃあ似てるな」という返しをして、会話を続けようとしないのが色気のない火野正平さん。

「あの一曲で人気になってよ」「名前もちゃんと覚えらんねーよ」と火野正平さんは嫉妬混じりの暴言を続け、大地真央さんは「まぁまぁ、そう言わないで。」と宥めるばかり。

ヒートアップした火野正平さんはグラスの酒を一気に飲み干し、絵に描いたようにグラスをゴンっと置き、「俺は本当に嫌いなんだよ。あのガッパーナとかいう香水の匂い」と一言。

まさかのガチで香水のドルチェ&ガッバーナが苦手という話をしていた事が判明。

「瑛人の事ちゃうんかい!」と、おそらくママも僕と同じ勘違いをしていて心の中でツッコんだと思いますが、そこはさすがの大地真央さん。
半拍あけて「、、じゃあ、明日から香水はドルガバにしないとねっ」と逆手に取った一言。

翻弄された火野正平さんは「じゃあ、俺はこれからママに近寄れねぇじゃねかよ〜!」とデレデレの笑顔で更に顔だけは火野正平さんに似た状態でハイボールをおかわりされてました。

夜中にいきなりLINEを送っても許されそうな、大地真央さんと、色気はないけど可愛げ100点の火野正平さんは今日もあのカウンターに座ってるかな〜と、思いを馳せる休肝日。

にほんしゅ・あさやん

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