不眠症と健忘
28歳、夏の終わり。不眠症を発症した。
今までも何度か不眠になったことはあったが、一番酷い。
記憶が飛ぶようになった。
物が手から落ちるようになった。
人の声が聞こえなくなった。
そんな日が続いて2週間目、流石に病院へ駆け込んだ。
ひとまず眠れるようになった。
それから2週間、また眠れなくなり病院で薬を追加してもらった。
既に飲んでいたものがそこそこ強い薬と言われて、思わず笑ってしまった。そうかあ。マジかあ。
不眠症になって一番恐ろしいのは健忘だ。
夜寝る前の記憶、酷いときは朝の記憶がまるっとなくなる。朝の記憶が昼にはないことはザラである。
いつの間にか作られた写真フォルダ。
連絡した覚えのない友人との会話、
会う日取りまで決まっていたこともある。
まるで別人がいたみたいだろう。
私は心底善人でよかったと思った。
この人生、特に社会の得になることは何もなし得ていない。
だが、健忘を起こしても私は人を傷つけず、何も壊さずにいる。これを幸運としてもいいだろう?
この人生、新社会人でうつ病になり、何度も再発をしている。
常に希死念慮に囲まれる中、今が自らの死に一番近いのかもしれないな、なんて思った。
でも違った。注意欠如、抑うつ、健忘をしょっちゅう起こす今のほうがよほど死にそうだ。不眠症は怖いなあ。
睡眠薬はずっと飲み続けるものではない。
やがて効かなくなるというからには、根本を何とかしなければならない。
わかっている。
ちなみに写真は推しカフェのミントチョコケーキ。
ぜひぜひみんな行こう。
もしかしたらこのnoteを記載していることも明日にはほぼ覚えていないのかもしれない。
でもそれはそれで、昨日の自分との交換日記という形でどうだろうか。
案外面白いんじゃなかろうかと書いて、本日の結びとしよう。