豚バラ肉と大根の八角煮

いろいろなところに散らばっている息子の成長や子育て日記、少しづつまとめたものです。時系列ではないかもしれません。また途中で思い出した内容も綴ったりする予定です。※息子は2005年9月生まれです。

2005年11月08日

とにかくお腹が減ったので
寝ている間に豚バラ肉と大根の八角煮をつくろうと、
準備を進めていたら、寝ていたのに、声が聞こえます。

　　う、うぎゃ。ううう。うー。うぎゃ。

あら？起きちゃったかな。
でも。まあだまだ。
まだ、この泣き声は本気じゃないね。
「なんとなく寂しい気がしてきちゃった…」もしくは
「ちょっとそばに誰かいるか確かめてみよっと」って感じかな。
大根の皮をむいて2センチ幅に切って、と。
生姜、生姜を出してぶつ切りでいいかな？

　ぎゃ、ぎゃああ。…ぎゃああああ。

あ、ちょっとエスカレートして来ちゃったかしら？
「なんで誰も来ないんだよ！俺泣いてるんだよ！」
「ちょっと、なんだかわかんないけど悲しいんだよ！」
うーん。ちょっと待ってねちょっと待ってね。
生姜を切って、肉を切って、調味料入れてセットしちゃえば…
そっちすぐに行くから、ちょっと待ってね。
生姜を切って、肉を取り出して…

　ぎゃあああああああ。うっぎゃあああああ。

あああ、本格的になってきてしまった。
「ちょっとーーーーーーねえええええ！！」
「誰か来てよおーーーーおかあさーーーーん！！」
はい、はいはいはい。
まってまって、あと肉を切ってセットするだけだからさ。
肉、肉を切って、と。八角、八角はどこだ？
あ、あったあった。はーい、待っててよ～。

　うううううううう。ぎゃあああああああああ。
　ひ、ひっく、ひっっっっっっっっっっ。
　ぎゃああああああああああああああああああ。

「誰かあ、誰かあーー！！！」
「助けて助けて助けて助けてーーーーーーーー！！！！」
もう嗚咽を通り越して泣き声と泣き声の合間は声が出ない。
悲しくって悲しくって悲しくって、
恐くって恐くって恐くって、
寂しくって寂しくって寂しくって、
助けを叫んでいるのか、もう、とにかく、うぎゃー。

ごめんごめん、ごめんね。
はい、はいはい。調味料も入ったからね、
火を弱めて、はい、そっち行くからね。

急いでかけよって顔を覗き込んでみると、
ぎゅっとつむった一本線の目に、大粒の涙。
真っ赤になって、固く手を握って、全身震わせて。
ああ、ごめんごめん。
ほら。

抱き上げて、抱き寄せて、
もう大丈夫だからね、大丈夫だよ～。
力一杯つむった目をうっすらと開けると、やっと

　ひっく。ひっく。ひっっ、ひっく。

泣き止んだ。
抱きながら豚バラ肉と大根の八角煮の火加減を調節し、
お詫びにおっぱいを沢山あげて、
たくさんたくさん頭をなでてあげたら、
八角のいい臭いがするころ、うと、うとうと、うとうとうと。。。
むすこのしあわせそうな寝息と一緒に、
豚バラ肉と大根の八角煮、
できあがったよ。