見た:「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」(吹替版)

塚口サンサン劇場で上映されていたので観てきました。(上映終了)

なんかここの所RRRのマサラとかパワーのあるものが多かったので、穏やかに行こうと思って観たのですが、90分の尺、シアター1のちんまりとした雰囲気がとてもマッチしていました。

原作の絵のタッチ、水彩の優しい雰囲気やにじみを再現した絵作り最高やんな……原作の作画担当が関わっているのもあって完成度が非常に高い。

原作担当であるルネ=ゴシニ、作画担当のジャン=ジャック・サンペの出会いから始まり、やんちゃな男の子ニコラの日常と冒険とともに描かれるのは、ゴシニの「第二次世界大戦によりパリの親戚から届いた「ナチスが攻めてきたから来ちゃいけない」という手紙」「そのまま二度と会えなくなった親戚達」という体験。

そしてサンペの「酒癖が悪い父」「家に戻りたくないという気持ちで過ごした思春期」という体験が織り交ぜられていき、
「二人にとっての”プチ・ニコラ”がどういう存在だったのか」ということが如実に浮かび上がっていきます。

「書く」ということは、時に人を傷つけもしながら、書いているその人をこそ癒やすこともあるのだなと思いました。

吹き替え版、サンペ役の小野賢章さんもよかったんだけど、ゴシニ役の堀内賢雄さんが本当によかった、良すぎた……。
ニコラ役の小市眞琴さん、お名前を初めて知ったんですけどほんとに「やんちゃな少年」で、そんな彼がラストに見せた不安を見事に演じてくれたと思います。

所で井上喜久子さんのママ、本当に「ママ」という概念をしているので「17歳だ」と思うこともできない……強い……。

今はかなり上映館も限られてきているとは思うのですが、機会があったら是非観て欲しい映画です。

図書館で原作を借りてきたりもしたので、まったり読みたいですね。

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