あえて臨月直前に観返す『ローズマリーの赤ちゃん』
人生にいや〜な影響を与えた映画はありますか?
私はこれです。ローズマリーの赤ちゃん。
学生時代に観て「妊娠怖い!絶対産めない!」と超絶悪影響を受けました。
しかし、今私の中には赤ちゃんがいる。
映画の主人公と同じように。
よし、あえてかつてのトラウマを観て心境の変化を確かめよう!
夏だし。ホラー観たいし。
【注意】
ネタバレを含みます。
これからまっさらに楽しみたい方はここでブラウザバックをお願いします。
ざっくりあらすじ
若い子無し夫婦、ローズマリー(妻)とガイ(夫)は新居での生活をウキウキ満喫していた。
多少不吉な噂や、薄い壁の向こう側から変な儀式的な声が聞こえてくるけれど…無問題!
ある時、同じアパートの顔見知りが飛び降りて亡くなり、ひょんなことから故人と同居していた老夫婦との距離が急接近した。
ローズマリーは距離近すぎ(家具の値段まで聞いてくるの!怒)な老夫婦が苦手だったけど、夫は意気投合。まるで息子のようにその老夫婦に心酔していく。
そんな時、夫に良い仕事が回ってくるようになり、ローズマリーの念願だった赤ちゃんも授かった。
老夫婦に報告すると「良い産婦人科医がいる」と秒速で予約を取り付け、毎日婦人お手製の謎の薬草ドリンクを振る舞ってくれることになった。
ローズマリーの体調は日に日に悪化していく。
老夫婦と産婦人科医を疑い始めるも、
相談していた貴重な老夫婦コミュニティ外の友人が急死してしまい、孤立を極める。
しかし、その友人はローズマリーに1冊の本を託してくれた。その本は、老夫婦が悪魔であることを示していた。
ローズマリーは悪魔一行の元から脱走し、別の病院へ入院を試みるが、あえなく失敗。
結局捕えられ、自宅でお産を迎える。
目が覚めても子どもの姿はなく、死産だったと告げられる。
しかし、違う。悪魔が子どもを連れ去ったのだ。
そう確信したローズマリーが悪魔のアジトへ乗り込むと、そこには子どもがいた。
その子どもは目が人間とは違う、悪魔の子だった。悪魔の子を産まさせられたローズマリーは絶望するも、子どもの泣き声に引き寄せられる。
ローズマリーは、悪魔の子の母親となった。
再見した感想
誇張したプレママの体験記みたいだった。
学生時代に見た時は自分も体験したことがないから、
(妊娠したらこんな精神状態になるのかな、怖いな)と怯えることしかできなかったけど、
経験中の今見るとわかる〜!あるよね〜!の連続。
ローズマリーとお話したら仲良くなれそう。
共感ポイント①周りの声に振り回される
初めての妊娠って、分からないことだらけ。
自分の体もどんどん変わるし、世の中に溢れる情報も何が本当に良いのか分からないし、
でもそんな中で赤ちゃんは自分が守らなきゃいけない。
ただでさえパンク状態なところに、先人や夫が良かれと思ってアドバイスをしてくる。
余計に混乱しますよね笑
この映画は、
本当に悪魔一行に飲まれてしまったのか
ローズマリーの精神状態が危ないのか
微妙な終わり方をするんですが、
一方的なコミュニティに疑心暗鬼になっていたところに、別サイドから良さげな情報が来ると飛びつきたくなる気持ち、あるある。
何が正しいか分からない中で戦う精神状態に共感しまくりでした。
共感ポイント②夫との意識のズレ
結局、妊娠期は女性に責任も負担も偏る。
これは腹の中で育てる以上、仕方のないことだ。
体は常に不調だし、
自分の行動、食べ物、全てが赤ちゃんに影響するんじゃないかと気が気でない。
一方の男性は、
いくら支えてくれてくれる人だとしても、自らの体を直接捧げることはない。
この違いから生じるズレは埋めることは難しい。
映画中のガイはもっと直接的に嫌な奴に描写されるけども。
「子どもが欲しいって言ったから寝てたけど実行したよ」
「仕事の成功と引き換えに悪魔の子を産む契約をしたよ。今回の子は死産と思えば良い」
「仕事も軌道に乗ってきたし、もっと良い家に引っ越して子どもは好きなだけ作ろう」
そんなことを言う。
一緒に過ごした十月十日をなんだと思ってるんじゃ〜!
とつい叫びたくなります笑
これは私のエピソードですが、
妊娠初期の頃。
めちゃくちゃしょっぱい手羽先を食べた後にやばいくらいお腹が痛くなったことがあって、
(もしかして今のでダメになっちゃったんじゃないか)(調子乗って塩分取りすぎたからだ)
と自分を責めました。
結果的に何事もなかったし、
今考えるとただ胃がびっくりしただけじゃない?とも思えるんですが、
特に妊娠初期の頃って胎児も不安定だし、何をするにも不安じゃないですか。
そんな時冷静に夫は「考えすぎじゃない?」「そんなことあるわけない」と言ってくれたんですが、絶賛メンタルガタガタな私は、
そんな軽く言うんじゃない!
これでダメだったら「また頑張ろう」とか言うのか??私のせいに出来て良いな!?
と理不尽に心の中でキレ散らかしていました笑
(ほんとごめん)
イレギュラー祭りで心配症になる妻と
通常通りに日々こなしてる夫とのズレ。
これもあるあるな構図で共感します。
総括
久しぶりに観返してみて、
学生時代に感じたトラウマ感は克服できていたように思いました。やったね。
当時は自分がこれから体験するかもしれない驚愕の精神状態を見せつけられて怯えてた。
けど、体験してる今は、
あるある!と頷きながら観てました。
いずれにせよ、妊娠期の女性の精神状態をホラー的世界観の中で巧みに表現しているという点は揺るがず伝わってくるポイント。
題材が題材なので、妊婦さんにはおすすめしないけども笑
夏のホラーの1本に、加えてみてはいかがでしょうか?
追伸 ローズマリーへ。
私も今絶賛無事に生まれてきてくれるか不安な時期です。
生まれたら、子どもはちょっと夫に見てもらってお茶会でもしようや。
不安だったこととか、共有しようね。