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「いつ」の見当識障害

つい今しがたの事を覚えていないから、時間が経過している感覚が薄れて、だんだん認識できなくなっていった。
母の場合、時間に関する見当識の低下は そんな感じで進んだようにみえる。
2021年に日付や季節が分かりづらくなり、2022年にはカレンダーが読めなくなった。日中も夜中も関係なくなり、2024年ついに時計も読めなくなってしまった。
今現在この時が全て。

◆予定時間に合わせて行動することができない
外出時間を逆算して声掛けするのだけれども、本人の気分次第で こちらの指示通りに動いてはくれない。
時間を気にしながらも 母の機嫌を損なわないように(不機嫌になるとテコでも動かぬ母)進めなきゃならない。
焦っているのはワタシだけで、当の本人は意に介さず。
デイサービスの迎え時間に合わせた支度が 1日のうち最もエネルギーを費やす介助で、送り出し後は心身ともに疲れてしまい、しばし脱力タイムからのリスタートとなる。

◆季節を認識できない
今が夏なのか冬なのか分からない。
これからだんだん暖かくなっていくのか涼しくなっていくのか分からない。
いま暑い時季なのか寒い時季なのか分からない。
季節に合った服装が分からないから、今日どれを着れば良いのか分からず 季節外れの服を着る。往々にして夏にセーターを、冬にTシャツを選ぶから不思議。
家事も育児も仕事も一手に担ってきた母は、家庭での季節の行事も欠かさなかった。
お正月(おせち)、七草粥、鏡開き(焼餅)、どんど焼き、節分(豆まきと恵方巻)、バレンタイン(チョコレート)、雛祭り(雛人形とちらし寿司)、お彼岸(おはぎ)、端午の節句(菖蒲湯と柏餅)、お盆、冬至(かぼちゃ)、クリスマス(骨付き鶏ももとケーキ)、年越し(そば)
ワタシが子どもの頃から当たり前の事のように用意して 季節を感じさせてくれていたけれど、今ではもう春夏秋冬わからなくなっちゃったね。

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