しょうがない
朝からいつもの「頭がおかしくなりよる。死にたい。」
鬱モードに入った母をなだめていた。
「服が無くなったり、お金が無くなったりする夢を見た。」
「服が無くなったり、お金が無くなった気がする。」
ん?
“気がする”って···
いつもは夢でも気でもなく
無くなった=“盗られた”と断言するのに
実際は盗られていないことが分かってる???
「なんでこんな風になったのかねぇ」
「薬とかないのかねぇ」
これまで母に対して“認知症”という言葉は避けてきた。
ショックを受けるかなと思って。
でも本人の口からクスリって言葉が出たのは初めてで、いつもと様子が違うし、思いきって「認知症っていってね・・・」と軽く説明してみた。
そうしたら「そんな病気があるの。私だけじゃないんだ。少し安心した。」って···
分からないことや出来ないことが増えてきて “どうして?”っていう不安が、“病気だから”っていうエクスキューズで解消されるんだね。
いつも泥棒呼ばわりされてムカつくとき「病気だから仕方ない」と自分の気持ちを抑えるために使っていた台詞だけど、これからは母が落ち込んで泣くときにも使ってみようかな。
「病気やけんしょうがないよ」