『世界一流エンジニアの思考法』を読んで

書店で平積みになっていて、興味があったので購入して読んでみました。
 エンジニア的な思考法に特化することなく、誰にでも通用するような考え方やスキルが書かれていたので、非常におすすめです。

この本を手に取っていただいた皆さんはきっと、一流エンジニアたちの”圧倒的なパフォーマンスを生む”仕事術に関心があり、日々の仕事の生産性を爆上げしたいと思っていることだろう。
(中略)
実は、彼らはなにも全員が常人と比べて著しく頭の回転が速いわけでも、天才的記憶力を持つわけでもない。
 主に「思考法」(マインドセット)が高い生産性を形づくっているのだ。
(中略)
本書では、私がどうやって、一流エンジニアたちの思考法にもまれて、仕事の質と効率をテクニカルに高め、ソフトウェア開発の最前線で働いているか、現場で掴んだ技を皆さんにお伝えしていきたい。

本書「はじめに」より

ちなみに、筆者の牛尾剛さんはnoteも積極的に書かれていて、本書の内容の多くも読めるようです(本を買った後に知りました)。
 今回取り上げる内容も、ほとんどこちらの記事で網羅されています。

未来の生産性を高めるために投資する

どんなに頭がいい人でも理解には時間がかかるものなのだ。頭のいい人が理解が早いように見えるのは、そうやって時間をかけて基礎を積み重ねているので、既に理解していることに関して頭のメモリにコンテキスト(文脈)が載っているからだ。
(中略)
「何かを早くできるように急ぐ努力」がかえって本質的な理解を遠ざけてしまうのだ。

本書「第1章 世界一流のエンジニアは何が違うのだろう?」より

自分なりに本書で書かれていたことを整理してみると・・・

  • 未来の生産性を高めるために、今、投資をする

  • 基本的なことでも、他人に説明できるレベルまで時間をかけてしっかりと理解する→メンタルモデルを構築する

  • メンタルモデルが構築できれば、物事の理解・整理や問題解決をすばやく行えるようになる

ということだと考えました。
 ちなみに重要なキーワードである「メンタルモデル」とは、本書の中で次のように説明されています。

自分の業種・業態に合った思考の枠組みを学んだり、経験したりして、自分なりの脳内イメージをつくり上げることができれば、頭の中で考えを整理したり、問題発見に至るプロセスが大幅に高速化する。「メンタルモデル」は固定的な型があるというよりは、本当に人それぞれだ。ここで挙げた例を参考に、自分の仕事に特化した形でアレンジし、思考の枠組みを時間をかけて練り上げるとよい。

本書「第1章 世界一流のエンジニアは何が違うのだろう?」より

確かに、自分の今の仕事においても、初期の頃に、200ほどあった事例対応を一つずつ読みこみ、その助言内容を理解し、それをもとに次の助言をしてみる、という取り組みをしたことが、かなり活きているように思います。
 今の時点で、このメンタルモデルを言語化するまではできてませんが、他人に説明をすることを前提にした学習が、功を奏しているようです。

また以前読んだ、「最高の脳で働く方法」で書かれていた、チャンク化も、こうしたマインドセットがあることで、できるものなのかなと思ったりもしました。


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