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危機に対応する自治体の政策戦略とは?

令和2年年12月定例会で最初の一般質問を行いました。
この記事では質問のやり取りをまとめたいと思います。

質問のテーマは以下です。

  • 第5次見附市総合計画後期基本計画はコロナ社会に対応できるのか



浅野千紘です。
令和2年年12月定例会に当たり、通告に基づいて質問をいたします。
「第5次見附市総合計画後期基本計画について」

6月議会でも第5次見附市総合計画後期基本計画について質問させていただきました。その際は、今後のまちづくりの計画においては新型コロナウイルスに対応するような観点を取り入れることが必要不可欠になるのではないか、またその内容として、1、医療体制の変化、2、産業の変化に対する対応、3、持続可能な地域づくりについて、4、移住・定住について、5、行政のデジタル化についての質問をいたしました。6月の時点では、まだ前期計画の評価が出ていないことや見附市まちづくり総合審議会も開催されておりませんでしたので、今回は前期計画の評価について見附市まちづくり総合審議会で審議されている内容を含め、質問させていただきます。






  


【Q1】
第5次見附市総合計画前期基本計画の評価・検証について。
基本施策での指標についての評価・検証結果について。
全体の目標達成状況は全項目の76.9%が数値達成または向上となっており、前期基本計画の進捗は順調に推移しているとの分析がなされておりますが、令和2年は新型コロナウイルスの影響で悪化の可能性があるとも書かれています。どのような分野でそのような想定があるのでしょうか。

【A1】田伏真企画調整課長
浅野議員の見附市総合計画後期基本計画についての質問にお答えします。

まず、前期基本計画の進捗に対する新型コロナウイルスの影響についてですが、新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大する中で、見附市においても社会、経済活動や市民生活に大きな影響、制約が出ています。そのことから、特に観光分野や雇用分野の指標、さらにコミュニティバスやまちなか賑わい施設の利用者数などの市民の外出を促す施策の指標については、令和元年度までの実績に比べて数値が悪化することを想定しております。ただ、雇用分野の指標の一つであるまちづくり市民アンケートの働き場所の豊富さの満足度については、コロナ禍の中で9月に実施した令和2年度のまちづくりアンケートの結果では、満足とやや満足の合計が34.4%となり、前回、平成30年度のアンケートで大幅に改善した数値を維持し、当初想定していた大幅な悪化は見られませんでした。

なお、令和2年度の市民アンケート結果を反映した前期基本計画の進捗については、数値達成と数値向上の割合が82.1%となっており、また市民アンケートの住みよさに関する評価でも90.3%の方が住みよいまたはどちらかといえば住みよいと過去最高の高い評価の回答をいただいていることからも、現段階においては計画は順調に進捗しているものと評価しております。


  
  


【Q2】
 第5次総合計画後期基本計画・第2期総合戦略策定について。
第5次総合計画後期基本計画・第2期総合戦略策定の3つの視点、
①健幸、スマートウエルネスみつけの推進
②持続可能性、SDGs未来都市の実現
③デジタルテクノロジー、Society5.0の実現について
②、持続可能性と③、デジタルテクノロジーの観点は新規の設定ですが、これらの視点を重視した理由はどのようなものでしょうか。

【A2】
次に、後期基本計画・第2期総合戦略策定の3つの視点として、新たに持続可能なまちづくりの視点としてのSDGs未来都市の実現、デジタルテクノロジー活用の視点としてSociety5.0の実現を追加した理由についてお答えします。後期基本計画策定に当たっての基本方針の検討の中で、これまで進めてきたスマートウエルネスみつけを継続、発展していくためには、前期基本計画策定以降の社会、経済環境の変化も踏まえる必要があることから、その変化の中でもSDGsの意識の高まりとデジタルテクノロジーの進捗が今後のまちづくりを進める上で特に重要な視点と考え、また国の今後の方向性とも一致していることから、新たに追加したものです。後期基本計画では、全ての施策についてこの3つの視点を踏まえ検討、実施することで、総合計画の基本構想で定める基本理念、都市の将来像の実現に向けて取り組むことにしています。



【Q3】
②、持続可能性につ市の施策について、SDGsのゴール・ターゲットと突合しマッピング作業を実施しており、いて、見附市はSDGs未来都市に認定されており、その際の提案書には総合計画の見直しと併せて、今後の改訂を検討する際にはこの結果を踏まえてSWCとSDGsの関係性をより明確化が可能とあります。後期主要施策70全てに対してSDGsのゴール・ターゲットが設定可能なのでしょうか。

【A3】
次に、各施策へのSDGsゴール設定の考え方についてですが、基本目標5、行財政計画を除く基本目標1から4の全ての基本施策に何らかの関連するSDGsゴールを設定する方向で現在策定作業を進めているところです。


【Q4】
まちづくり審議会では、SDGsの17ゴール全てを目指すのではなく、可能なものに絞ったらどうかという議論がなされていたようです。SDGs未来都市提案書では、見附市で最優先するゴールは3、「すべての人に健康と福祉を」となっていますが、その他のゴールでも市において優先順位を設定しているのでしょうか。

また、この持続可能性、SDGs未来都市の実現の視点で重要視されているのは、一つでもゴールを達成するという点なのでしょうか。または後期計画そのものや個別の施策についてもSDGsの17の視点を取り入れながら取り組むという点なのでしょうか。


【A4】
次に、SDGsゴール達成の考え方についてお答えします。まず、達成すべきゴールの優先順位の有無についてですが、SDGs未来都市の提案書では、住んでいるだけで健康で幸せに暮らせるまち、「「歩いて暮らせるまちづくり」ウォーカブルシティの深化と定着」をテーマに、最優先するゴールを3、「すべての人に健康と福祉を」とし、それを含め8つのゴールを2022年までに重点的に取り組む分野として特化した内容となっています。

一方、総合計画については、SDGs未来都市の提案書とは異なり、市の全ての政策分野を包含した計画であり、政策分野ごとに達成を目指すゴールは異なることから、今のところ17のゴールに優先順位をつける考えはありません。

次に、ゴール達成の考え方についてですが、SDGsの基本的な考え方として、個別の課題が独立して存在しているのではなく、各課題が密接に関連していることから、様々な分野のゴールを達成していくことで複合的な課題解決を図り、基本的な理念である誰一人取り残さない持続可能な世界を実現するものだと認識しております。そのことから、各分野で達成できる内容には差がありますが、特定のゴールではなく、より広い分野のゴールの達成を目指していく内容としていきたいと考えています。
  


【Q5】
第5次見附市総合計画後期基本計画の施策体系について。
基本施策(2)、主要施策①、地域包括ケアシステムの体制づくりを推進します、主要事業2にICTの活用についての部分についてです。

人口減少の中でも事業を継続していくためには、ICT化について推進していく分野は様々あると思われますが、特に地域包括ケアシステムの体制の部分をピックアップした理由としては、福祉の充実が住みよいまちづくりのためには最重要との認識だからでしょうか。またはこの分野が既にICT化の取組が様々行われており、選択肢が多いなどの理由があるのでしょうか。例えば農業でもドローンが実際に利用されていたり、温度や水の管理もiPadで行えるなど、ICT化の軸とすることも可能であると思われます。地域包括ケアの分野にICTの文言を組み合わせた特別な理由があれば、それをお伺いしたいです。


【A5】
次に、後期基本計画の施策体系の中で、地域包括ケアシステムの体制の分野でICT化を推進するとした理由についてお答えします。現在でも介護人材の不足が大きな課題となっています。さらに、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には介護や支援を必要とする方が多く増加する一方で、人口減少により担い手となる生産年齢人口のさらなる減少が予測されています。その中で、高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らすことができる地域包括ケアシステムを推進していくためには、人間の力だけでなくICTの力を特に活用していく必要があると考えたからです。


【Q6】
地域包括ケアシステムの下で行われる事業内容は多岐にわたり、確かにICTの活用が必要な場面はたくさんあると思いますが、見附市の現状では具体的にどのような部分のICT化が必要と考えられているのでしょうか。

【A6】
次に、地域包括ケアシステムの構築に向けてICT化が必要な分野についてですが、地域包括ケアシステムの構築に向けては、医療、介護、介護予防、生活支援、住まいなど、多岐にわたる分野で体制の整備を図っていく必要があります。ICT化の取組については、既に市立病院や介護サービス事業所、行政などが高齢者の情報を共有できるデータベースの構築を進めているところです。また、高齢者のみ世帯の見守りサービスとして、今年の10月から遠隔地に住む家族との対話が可能な対話型ロボット「newme」の実証実験を行っているところです。さらに、ICT化を推進していくためには、高齢者世帯へのネット環境の普及が必要不可欠であることから、新型コロナ対策の側面からも今年度より新たにネット環境を整備する世帯に対して最大3万円の支援を行っています。現段階では、施策を推進していくための事業内容の検討や目標設定などを進めているところであり、今後ICTの専門家や関係者の意見を踏まえ、検討していきたいと考えております。


【Q7】
ICT化が必要と考えられる場面は多いと思いますが、今後この後期計画の期間(5年間)で、例えば医療の現場では遠隔診療など、実現可能な取組の想定は可能でしょうか。


【A7】
次に、後期基本計画期間内での医療現場での遠隔診療などの実現可能性についてですが、Withコロナを乗り越えていくためにも遠隔診療など、医療現場のICT化も実現すべき目標だと考えております。既に市内でも一部の医療機関では遠隔診療の仕組みが導入されているところですが、今後国などの動きを情報収集するとともに、医療関係者やICTの専門家などの意見も踏まえながら検討を進めていきたいと考えております。

  


【Q8】
第3回まちづくり総合審議会の資料5―2、施策体系表の5番、基本目標5、行政経営計画(第8次行政改革大綱)、(2)、収入の確保に努めますという項目で、指標が令和7年度の目標値、自主財源比率45%、直近実績値38.8%とありますが、この伸びは可能な数字なのでしょうか。また、どのように自主財源を確保するのでしょうか。


【A8】
 次に、基本目標5の指標である自主財源比率の目標達成可能性とその方策についてですが、自主財源比率を改善していく上ではいかに市税収入を増やしていくかが最も重要です。現在のプラスの要素としては、中部産業団地進出企業への固定資産税などの減免措置が今後徐々に終了していくことから、固定資産税の増加が見込まれます。一方で、マイナス要因としては、新型コロナウイルスによる景気悪化などの影響があります。今後後期基本計画にも位置づけている移住、定住促進策による転入人口の増加や市内企業の活動を支援することにより、地域経済の活性化などにより安定した市税の増収を図り、目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えております。


 
 


◆浅野千紘 それでは、再質問をさせていただきます。

【再質問Q1】
何点か再質問させていただきます。
まず1点目ですが、最初の質問の基本施策について、前期基本計画の評価、検証結果についてですが、新型コロナウイルスの影響は社会、経済活動に幅広く出てくるだろうということで、特に市民の外出に関するものが指標が悪化するのではないかというふうに答弁いただきましたが、しかし予想をしているよりも悪化はひどくないのではないかというようなことだったので、少し安心する部分もあります。ですが、その悪化の可能性がある外出に関するようなものは、今後後期基本計画の5か年の中では改善できるような計画になりそうでしょうか。どうでしょうか、お願いします。


【再質問A1】田伏真企画調整課長
浅野議員の再質問にお答えをいたします。

 コロナの影響により当初の目標が達成しづらくなっている部分について、これからのコロナ関係のワクチンがどれくらい早く一般、国民に普及するかというあたりで、その効果というあたりが大きく関係してくる分野もあると思うのですが、市民生活がコロナ以前のように回復するのであれば順調達成できるものというふうに今のところは考えているところでございます。に目標値を達成できるものというふうに今のところは考えているところでございます。
以上でございます。


【再質問A1へのコメント】浅野千紘
ありがとうございます。やはりコロナの影響は大きいものであり、多岐にわたるのだなと感じています。

  


【再質問Q2】
そこで、新型コロナウイルスを踏まえてもう一つ、策定方針の中にあった項目の質問なのですけれども、策定方針の中の(5)の第2期総合戦略策定の考え方の資料の中に、6番、コロナウイルス感染症対策を踏まえた計画にするというふうにありますが、これはどのような計画をこの後期基本計画の中に盛り込んでいくのでしょうか。現状の対策の継続を主に考えられておられるのか、それとも各政策に対して新しい生活様式などを積極的に取り入れるような目標設定になるのでしょうか。重要視する点はどのようなものになるのでしょうか、お願いします。


【再質問A2】田伏真健康福祉課長
お答えいたします。
先ほども答弁させていただいた中にもありましたけれども、コロナ関係になりましてICTの活用等が急速に進むわけでございますので、そういった目標立てが一つできますし、先ほども申し上げましたが、ICTを誰もが使える環境を整備して進めていきたいということも盛り込んでおります。

あと、変わった点で申し上げますと、主要事業等に医療費の助成でありますとか、子育ての経済的負担を図りますとか、そういった指標も盛り込んではおりますし、あと定住の関係、交流人口を増やすような指標についても強化していくというところでございます。
以上でございます。


【再質問A2へのコメント】浅野千紘
ありがとうございます。やはりコロナ対策としてでもICTは活用していかなければならない点で、ほかの主要政策の目標にも盛り込まれているということなので、目標を立てないとやはり新しい、今まで体験してこなかったことに対して対策を立てていくのは大変なことだと考えているので、後期基本計画の中でも今策定される目標に向かってやっていただければと考えています。



【再質問Q3】
最後、質問ではなく要望のような形になるのですが、後期基本計画5か年の間にはSIB、ソーシャル・インパクト・ボンドで行われている健幸ポイントプログラムだののプロジェクトが5年間の区切りとなるなど、現状の施策の効果が検証できる期間となると思います。社会の変化もあり、当初の予想と異なる点など、今後の方向性を整理する機会がこのような計画策定の時期のほかにも出てくると思いますが、KPIなどのアウトプットとともに、それに伴うアウトカムの検証を重点的にしていただき、次の計画を立てていただきたいというふうに考えています。

  総合計画の質問は6月にもいたしましたので、本日は最後要望としてお願いして終わりにしたいと思います。

以上です。



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