今年も後半戦
人として生まれて初めてもらう親からの贈り物ってなーんだ。
それは名前。ただの赤ん坊が空気を思い切り吸い込み、おぎゃーと泣く。その前から、ずっーと考えていた名前の中でいや、今の気分で思い浮かんたものさえもかけがえのないもの。生まれてから死ぬまでずっーと続く所有物。
私は自分の名前があまり好きでは無かった。い愛って書いて「ちか」。今で言えばキラキラネーム。でも初めて呼ばれるのは、「あいさん」そう言われる度に「ちかです。」と訂正するのが面倒で、漢字の横にふりがなを書く癖がついた。
今は、ちかで良かった。と、おもう。
ところで、うちの母が昨日父と一緒にホームに来た。笑って元気?とは言うが、名前を呼んでくれない。ちょうど洗濯物をたたんでいた。手伝ってくれて、「これどこ?」と聞くが、名前はその会話の中に出てこない。
試しに、「私、誰」って聞くが、ただ笑うだけだった。寂しいね。あなたがいくつかある候補からこれがいい‼️と付けたんだと、昔聞いたけど。人間の脳は崩壊し始めると、何もかもなくなってしまうのかもしれない。あなたの愛で今まで頑張ってこれた。子どもの頃制服のボタンが出来なくても、出来るまで待ってくれた。足が遅くても、頑張って走ったマラソン大会。最後まで待っていてくれたのはあなただった。本当にやりたいことをめいっぱいやれたのはあなたのお陰。
しかし、父の名前はおぼえている。小学校からの同級生だから、きっと気持ちは、小学生なのだろう。そんな父は、メールが来る度母がおかしくなっていくのが悲しいと、ボヤく。
どうか1人で抱え囲まないで欲しい。そのために介護保険料払って来たんだから、
もう時間は戻らない。どうか長く笑って暮らせますように
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今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。