真の恋をしよう
最近の若者は、付き合ってすぐベッドインするが、あれは同意のもとで、そうなったのか!愛し合うもの同士なら、当然の結果だと思うが、何故か行為が終わった後 ため息が出るのは女性の方である。愛し合う回数を重ねると、男性に「ゴム付けて」と中々言えず、最悪の場合歓迎されない妊娠という結末を迎える。
今日で3回目のベッドインだった。
まだ未成年の由良は、大学の先輩であり、研究室で顔を合わせるうちに恋に落ちた。
初デートは、博物館。その後カフェで食事をした。
彼、麻木先輩の話は楽しくて、夕食後私の住むハイツ近くの公園で缶コーヒーを飲みながら、雑談した。
突然、先輩に肩を抱かれ早鐘がなった。かと思うと、キスされた。目を閉じる間もなく……ただ驚く由良は、少し仰け反ってしまった。
「俺の事好きなんだろ?なんで逃げるの?」
「ごめんなさい。突然だったから、びっくりしちゃったんです。私は付き合うの初めてだから。」
恐縮して言うと麻木先輩は、また優しく肩を抱き寄せた。
「こんなに可愛いのに……俺が初カレなの?じゃぁ今のは本当に初KISS?」
顔を赤らめながら、頷く由良に
「今日由良ちゃんちに泊まっていい?」
嫌とは言えなかった。
そして、頭が真っ白になる体験を味わった。
麻木先輩はすごくなれてイラ様子だった。由良は、ただなすがままにいたみとここちよさを味わった。ただ避妊具をつけていないのが気になる。
由良は、終わった後に先輩に尋ねた。
「避妊しなかったけど大丈夫ですかね。」
しかし、先輩は、眠ってしまって無反応だった。由良にしてもここちよさを感じつつシャワーを浴びた。
親友の雅美に、報告する。
雅美は、もう何人もの人と付き合って、経験豊富だった。
「え〜!なになに!初デートで最後までやっちゃったわけ?ちゃんと避妊した?」
顔を横に振る由良に目を丸くして早口で言う。
「ちゃんと避妊しなかったら、やばいよ!泣くのはいつも女なんだからね。今度そういうことになったら、先輩にちゃんとして!って言うんだよ。それで嫌われたら、身体目当てのバカってことだからね。」こんなに捲し立てるように言う雅美は初めてだった。由良は唖然とするばかりだった。
しかし麻木先輩は、会う度に由良に行為のみを求めるようになった。
由良は終わった後後、ため息をつくようになった。
ある日、思い切って先輩にお願いしてみた。
「やる時はゴム付けてください。先輩は本当に私の事好きなんですか?」
空気が重くなった。
「好きだから何度でもしたくなるんだよ。ゴム付けてやると感じ方が変わっちゃうんだ。もし由良が嫌なら、仕方ない。2人の関係は終わりにするか?」
長い沈黙の後に由良は、
「分かりました。短い時間だったけど幸せでした。これからはまたただの先輩と後輩の関係、よろしくお願いします。」
数ヶ月後、由良は妊娠してしまったことを知る。
雅美に頼んで、中絶手術について来てもらった。
手術が終わり、休んでいるベッドのそばに雅美は付き添ってくれた。
「痛い目をするのは女。私も高校生の時、中絶したんだ。だから、由良には、私のような辛い思いして欲しくなかった。これからは本当に愛する人とちゃんと恋をしようね!」雅美の瞳は潤んでいた。
これは人生の汚点では無い。この先生きる力となることを祈る。