ハッカ味は大人の味
サクマドロップ。久々に買った。あのドロップは私が生まれる前から存在するんだ。
いろんな味と風味はたぶん現在人の味覚に合わせて改良されているだろう。それでもあの。赤い缶は昔ながらである。
缶のフタが小さなころはなかなか開けられず、泣いてしまうという事態によくなった。
飴が一粒ずつ減るごとにカランコロンと、
缶を鳴らすのが楽しみだった。
ところでサクマドロップの主流は果物味だけど、なぜかハッカ味
がいくつか混じっている。
それをいかにして避けるかが、ロシアンルーレットようで楽しかった。
ところで、サクマドロップで思い出すのは、「火垂るの墓」というアニメである。十年前ぐらい前までは毎年終戦前後に、テレビで放送されていたが、最近はそれどころではない世界情勢で忘れ去られる事態になっている。
戦後の混乱期を描いた少年とその妹の兄弟愛、親が、死んでしまったらいかに大変か。同情なんてものは、自分自身が他人に対してどれだけ立派かを図る物差しだということを、思い知らされる。
それだけ、戦後の日本はひっ迫していたということだろう…駅で、虫けらの様に扱われた少年のポケットからサクマドロップの缶が出て、ふたを開けると、蛍が飛んで出てくるシーンんが印象的だった。
戦争が人生を狂わせる。
今の日本、総理選びで必死になって、それでいいのだろうか?
誰が国のトップに立とうと、ゆるぎないもの、それは命の尊さではないだろうか。
年々戦争を語り継ぐものがなくなっていく。
戦争はしてはいけないという思いは誰にでもある。しかし、平和を当たり前だと思うあまり、物足りないストレスをどこにぶつけよう。
コロナで大学生活も大きく変わったと、公立大学に通う息子さんを持つ親は戸惑っていた。
うちの娘は大阪のはずれにある工業系の専門学校に通う。厚労省の独立行政法人。母子家庭で年金世帯の家族は授業料免除となった。一応二年行く予定だが、社協で奨学金を借りているので、バイトをして、浮いた授業料で四年行ければ自分で製図をかける資格が取れる。夢は、今のところ、リハビリ機器の製作だそうだ。
仕送りなしで文句を言わずに頑張る娘にエールを送ってやりたい。私も、来月は病院に缶詰めとなる。また相棒の世話を上の子にお願いしないといけない。もう。飛ばしてしまえと父が言う。しかしたぶん飛ばしてしまえば、死が待つだけだ。最後まで世話をしないと、ペットは成仏しないんだよ。相棒は父母になついていない。インコの様に誰にでも愛そうよくしてくれればなと思うが、えいきち《メス》は人見知りだ。
とまた、話はそれてしまったが、結局のところ、私は、恵まれているということだ。今、ドロップをなめながら、これを書く。ハッカ味もまた旨し。