『ひとり広報の戦略書ーー認知と人気を全国レベルにする「知ってもらえる」すごい方法』 作者: 小野茜
広報活動は、ひとりでも十分に行なえる。むしろ今は、「ひとり」だからこそ強い時代だと感じている。
そう語る著者は、PR支援会社の代表で、2017年の独立以来、様々な業種、業態の企業を外側から「広報」のサポートをしてきている。
「広告から広報へ」
広報とは、マスメディアに取り上げられること、という時代は終わった。インターネットメディア、YouTube、SNSなどの発達により、誰でも多方面への発信が可能になった。また、コロナ禍によってオンラインによるコミュニケーションが広く一般的になったことも大きな変化だ。
PRとは、「Public Relations」の頭文字であり、リレーション(関係性)づくりこそ、広報が目指すべきものだと著者は訴える。
メディアに出たい。そんな自社の利益だけを考えるのは、本当の意味でのリレーションづくりとは言えない。
メディアにいる「担当者」、そして商品やサービスを届ける「ユーザー」、必ず広報には人が介在する。
誰に何を伝え、伝えた相手にどうなってもらいたいのか。想像を巡らせ、メディア露出の向こう側まで広報活動を丁寧に創造することが、本来の広報の役割であり、成果への最短距離なのだと言うのだ。
今、ひとり広報が増えている。
しかし、ひとり広報は、「知識・情報・話題・時間・繋がり」といった5つの不足を抱えている。だから戦略が必要だ。
ひとりで結果を出すための戦略83項目を解説する。
それらは、著者の経験から得たものの数々であるが、多分に思い込みや考え方をシフトチェンジすることと、実行の優先度を上げることに重きを置いている様に思えた。
細かい文章化のテクニックというよりも、なるほど、そういえばそうだね、といった類いの、気づきを与えるものだ。
私としては、プレスリリースの重要性を改めて知らされたことが大きい。
ひとり広報のメリットは、柔軟性とスピード。
躊躇せず、一歩踏み出して成果に辿り着こう。