人生をリセットした話 ④
私の良いところでもあり、悪いところでもあるのが、行動の早さだ。
世の中では、如何に行動に移す事が大事かとか、死ぬ前に行動しなかった事を後悔しない生き方をしよう、などと言われる事は多い。
けれど、私に限っては、その逆かもしれない。
何かちょっと良い話を聞いたら、すぐにやってみようとする。興味を持ったら、すぐにググる。何かやろうとして、道具や材料を買った時点で安心して、いつの間にか飽きて…なんてこともあった気がする。
とにかく、誰かに飛び込めと言われたら、後先考えずに飛び込んで、飛び込んだ後に「あれっ?服脱いでなかった。いや、そもそもワタシオヨゲナカッタンダーーーーーッ」て、溺れかけてなんとか岸に流れ着く、みたいな事を、何度も繰り返してきた。
離婚した事にしても、開業した事にしてもそうだった。自分が良いと思ったら、人のアドバイスは耳に入らず、ガーーっと突き進む。そんな事を繰り返してきた。
メンターに以前そう言う話をしたら、「よく考えて動くことも大事」と言われて、「おっしゃる通り!」と、ぐぅの音も出なかった。
何度も痛い目に遭う経験を繰り返しながらも、それが自分の糧となっていると思っているので懲りなかったのかもしれないし、味わった痛みはすぐに忘れて、ずっと後になって徐々に後遺症の様に骨身に沁みてやっと腹落ちする。
自営業になってからの11年間で、様々な痛い目にあって来た。
まず、開業してすぐにいかに自分が世間知らずだったかという事を、思い知った。
自分が良いというものを人も良いとは思わず、欲しいとも思わないという、ごく当たり前のことすら知らなかった。
私は何も知らない(汗)という焦り、そこから私の学びがスタートした。
自己啓発、マーケティング、心理学やコーチング、仮想通貨や投資について、次から次にお金を注ぎ込んだ。
それだけでなく、お互いの仕事を紹介しあうビジネスクラブやボランティアを主体とした経営者が集うクラブにも所属していた時期もあった。
資金がない中でも、どうにか支払いをやり繰りして、私にはまだまだ足りない、もっともっと学ばなきゃと、次から次に新しい講座に手を出して行った。
経済的に追い詰められながら、この講座では成果が出なかったけれど、次のあの講座なら成果が出そうな気がする。今までずっと努力して来たんだから、もうすぐ成果が出るはず。もう少しだから…次こそはきっと、何の根拠もなくそう思い込もうとしていた。
(続く)