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「これがいい」ではなく「これでいい」
こんにちは。デザイナーの浅見です。
今回は私が好きなブランドの無印良品について書いていこうと思います。
無印良品
![](https://assets.st-note.com/img/1682667210279-ipgwdvNsQB.jpg?width=1200)
無印良品は私が物心ついたときにはあったブランドです。
商品の良さはもちろんですが、サービスとしての体験価値だけでなく、それを通した思想の美しさが伝わるのが無印良品の好きなところです。
以下の文章は無印良品のメッセージというページから持ってきた言葉です。
無印良品はブランドではありません。無印良品は個性や流行を商品にはせず、商標の人気を価格に反映させません。無印良品は地球規模の消費の未来を見とおす視点から商品を生み出してきました。それは「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。つまり「が」ではなく「で」なのです。
しかしながら「で」にもレベルがあります。無印良品はこの「で」のレベルをできるだけ高い水準に掲げることを目指します。「が」には微かなエゴイズムや不協和が含まれますが「で」には抑制や譲歩を含んだ理性が働いています。一方で「で」の中には、あきらめや小さな不満足が含まれるかもしれません。従って「で」のレベルを上げるということは、このあきらめや小さな不満足を払拭していくことなのです。そういう「で」の次元を創造し、明晰で自信に満ちた「これでいい」を実現すること。それが無印良品のヴィジョンです。これを目標に、約5,000アイテムにのぼる商品を徹底的に磨き直し、新しい無印良品の品質を実現していきます。
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「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。
この言葉は、質素でありながら品質も大事にしている日本人らしさにも聞こえます。
そしてこのメッセージを体現するように、アドバイザリーボードという組織編成を組んでいるのがブランドの特徴です。空間デザインには杉本貴志さん、グラフィックデザインには原研哉さん、プロダクトデザインは深澤直人さん、コピーライティングは小池一子さん、という4人の日本を代表するクリエイターから無印良品が生まれています。
だからこそ、店舗から、グラフィック、プロダクト、コピーライティングまで統一されたデザインで店舗全体から無印良品を感じることができます。
ある意味「これがいい」ではなく「これでいい」という言葉は、妥協ではなく、これで十分という自信にも感じます。ブランドの立ち位置を理解し、淡々と良くしていっているからこそ、その言葉が生まれるのかもしれません。
この言葉を、自分に置き換えた時に自分らしさをしっかりと伝える大事さにも気付かされます。
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しかしながら「で」にもレベルがあります。無印良品はこの「で」のレベルをできるだけ高い水準に掲げることを目指します。
さらに、「これでいい」に収まるだけでなく、高い水準に揚げることを目指しているように、無印良品を好むお客様たちは、ものを大事にしつつ質も大事にしている方が多いようにも感じます。
ひとつひとつ丁寧にデザインされ、統一されているからこそ、メッセージを自然と感じることができるのかもしれません。
これも、無印らしい、主張しすぎず、堂々とすることの大事さを学ばされます。
そして年々、無印良品のデザインは、私たちの生活に溶け込むように浸透しているのを感じます。
これからも一消費者として無印良品を体験していくのが楽しみです。