見出し画像

「やめること」って指示してる?

”現役人事のコーチング”をやっています。アサマルです。
このnoteでは、マネジャーやチームリーダーの方向けに
部下との関係構築や組織活性化のヒントになる情報をお届けしています。

今日は職場での時間外労働の削減に関してお話ししてみたいと思います。

目の前の仕事は山ほどあるのに時間外を減らすって無理

社会全体で「働き方改革」が推進されるようになり、
長時間労働の是正への取り組みを実施している会社は
多いのではないでしょうか?

残業時間の削減を数値目標に掲げて取り組むケースは多いと思います。

一方で、目の前の仕事は減らない、部下の残業時間を減らすために
マネジャーご自身が長時間働くことで削減分をカバーしている
という場合もあるかもしれません。

新しい残業削減の取り組みが更なる負荷に

残業削減を進めるために、皆さんの会社では
どんな施策が取り組まれているでしょうか?

・残業時間を管理する新ツールを導入する
(指定時間になると自動的にPCをシャットダウンする機能や
 残業の合計時間が目標に近づくと、赤信号で知らせるなど)

・当月の残業計画を報告する

・効率的な業務のやり方を職場で議論して新しいルールを作る

など、新しい施策を追加しているケースも多いと思います。

でも実は、その新しい取り組みが更なる負荷になって
余計に職場がひっ迫すること
もよくあるなと感じます。

皆さんの職場ではいかがでしょうか?


減らさなければ「ゆとり」は生まれない

新しい取り組みは、「働き方改革」への取り組みとして
シンボリックで、社内外へアピールしやすいのは事実です。

ですが、本来目指そうとする残業時間を減らして、
社員が心身共にゆとりをもって、新しいことに挑戦できる余裕を生んだり、
余暇の時間で、社外の人材と交流したり、プライベートを充実させることで得られる新しい知見や経験を、会社の成長にもつなげていくためには、
新しい施策をプラスしていくばかりでは、一向に残業が減ることは
ありません。

ここで必要なのは、「やめること」です。


「やめる」決断には権限が必要

見直してみると、職場の中で「当たり前」になっている
ルーティーンが積み重なって、非効率を生んでいる
ことがあります。

例えば、私の会社では、
社内打ち合わせを、特に理由もなく、
なんとなく話した気がしないからと対面で開催し
(そのために関係者が出社)、
階層が上の上司への忖度で、毎回資料をプリントアウトして紙で準備し、
資料の文字が小さいからと、フォントを変更して資料を印刷しなおす。

こんなことが「当たり前」になっている職場がありました。

担当者に聞くと、わざわざ出社せずともリモートで会議すればいいし、
PCの画面上で拡大して資料を見てもらえれば、紙面上での制約もなく、
好きなだけ見やすいサイズで見ることができるのはわかっている・・・

社内の様々なツールは、新しい業務の進め方に十分対応しているにも
関わらず、何となく「当たり前」を継続してしまっている。

担当者はやめたくてたまらないけど、上の人に対して
配慮としてやっていることなので、自分から言い出すのは憚られる・・・
一つ一つの作業にかかる時間自体は、大きくないから、
まあいいか、とわざわざ訴えることもしない。
そしていつしか「当たり前」の文化になり疑問も持たなくなる。

話を聞いていて、なんだかゾッとしてしまいました。

これと似たようなことが、ご自身の職場にはないでしょうか?

些細なルーティーンが積み重なって、非効率な時間を要しているのは
理解していても、「やめる」というのは、実は部下にとっては
ハードルがあります。

新しい施策を進めるのも大事ですが、何をやめられるのか
これについてマネジャーの方が判断して指示してあげることで、
実は塵が積もって、大きく効率化できることがある
と思います。

部下に「やめる」指示、されていますか?
ぜひ一度職場の「当たり前」になっているルーティーン、
見直してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?