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アニメって作ると楽しんだよな

 むかし、まだインターネットで動画を見るのが難しく、画質以前に動けば結構、といった時代があった。その頃ぼくは、写真に落書きしたり、切ったり貼ったりしてGIFアニメを作っていた。そのころのデータは何も残っていない。残念だ。

 アニメを描くのは好きだった。何かが動いて、何かになり、また何かへと変化していく。人体を描くのも、物体を描くのも、現象を描くのも好きだった。ただそれを仕事にしようとは思わなかった。なぜだろう、わからない。ただ周りにはそういう仕事をしている人もいたけれど、ぼくは憧れと共に畏れを抱いていた。

 同じような絵を二度書けない。これは致命的な欠陥だと思う。仕事にするならばキャラクターデザインがある、メカデザインがある。何かに寄せて、同じものだと認識できるよう描く能力ってやつが求められる。

 自分で勝手に、誰に言われたのでもなく、これがだめだと、諦めていた。

 こうして、気楽に数秒のGIFアニメを作っているうちは、そういう畏れとは無縁でいられた。ところが数年たち、ネットの回線がどんどんと太くなると、世の中には自分でアニメを作る人たちが溢れ出した。ぼくも紙に描いてスキャンして並べて、なんてやってみたけど、長続きはしなかった。

https://youtu.be/-uW0tUH67kE

 30を過ぎて、アニメを「作りたい」なんて言ってる奴はいない。これは若い人間が若いうちから何万枚と描いて辿り着けるある種の境地だ。思い出したようにたまに、打ち合わせ中の紙のはしにエフェクトの真似事を描いて「なんですかそれ」と言われて誤魔化すやつは「作りたい」なんて言っちゃいけない。

 そうだよ、ペッシ、作るんだ。本物のギャングは「作りたい」なんて言わねえんだ。作ってやる、そう思った時にはもう作ってるんだ。だからペッシ、いいか、これからはなあ「作ってやった」なら言っていい。

 にしたって、ハードルは高い。いきなり大事に取り掛かれば、途中で投げ出して頓挫するのが目に見えている。だからリハビリをすることにした。幸い、絵を描く道具は手元にある。あとはやるけだ。

で、ここ数日、やった。44のおっさんが、アニメを描いた。作ってやったぜ。

https://twitter.com/asakusan/status/1345330951585292288?s=21

赴くままに

https://twitter.com/asakusan/status/1346011405242126336?s=21

チャーハンの命ずるままに

https://twitter.com/asakusan/status/1346442266290737155?s=21

もちはうまい

https://twitter.com/asakusan/status/1346434532665278466?s=21

時には辛い日もある

https://twitter.com/asakusan/status/1346660445176774658?s=21

 空を飛ぶ夢をしばらく見ないんだ。

 120フレーム以内で描くこと、が縛りだ。新しい機能を色々と試してみる。まだ色をつけるのは躊躇している。仕事の合間にできる限りの時間を使っているからだ。だが、これを作って吹っ切れた。

https://twitter.com/asakusan/status/1346817704359907328?s=21

 120フレーム内で続ける縛りは続けよう。ただ練習は終わりだ。音も入れて、色も塗り、仕上げて「これが完成品です」と言うしかない。なんでこんな趣味を見つけてしまったのか、いまだによくわからない。ただ楽しいんだ。動かない絵が動く、それだけで楽しいんだ。

 みんなにも見て欲しい。みてくれてありがとう。次の目標ができたよ。

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