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シナボンひとかけら
散歩がてら、彼の健康診断に付き合った。
待っている間、星野珈琲店に入る。
席は思いの外埋まっている。
このご時世、なるべく外で飲食をするのは控えていたため久しぶりのカフェはめちゃくちゃ気分転換になるかなと思ってワクワクしたが、心のどこかに言い知れない罪悪感を感じたのも事実だ。
手放しで「もう何しても大丈夫!!」なんて世界がくるのは残念ながらまだまだ先だと思うが、その世界がくるまでは、たとえ色々なものが緩和されていったとしても心のモヤは晴れないのだと思う少し暗い気持ちになる。
健康診断が終わった彼と合流して、シナボンをお土産に買った。
ブレイキングバッドでお馴染み、
ソウルがシナボンで働くシーンがあるのだが
店員さんはトゥコ似のおじさんだった。
4個セットなのに箱が2箱に分かれるのが驚きだった。
重量感がすごい。
家について2cm四方ほどのかけらを口に入れた途端、「うっっま!!」とうなった。
一年分くらいのシナボンを食べた気になったのでそのひとかけらで満足した。
検査結果を聞きに婦人科にも寄った。
今回はなにも異常がなくほっと胸を撫で下ろした。
おじいちゃん先生が菌はなかったから、
と私の細胞が入った小瓶をズンと差し出す。
はい。
そういえばおしっこがちょっと心配だから、と帰りに検尿を取らされたけど、あの結果ってなにで分かるんだろう。
また適当な時期に病院に行ったらいいのかしら。
遅めの昼ごはんは例の如く丼丸を買っておいてもらった。
私はもっぱら「海峡丼」にかずのこトッピングだ。
友人は「マヨ三昧」がおすすめと言っていたが、行きつけのお店にはなかった。
きっと今後頼むことはないと思う。
丼丸から派生して下北沢の73歳現役のお寿司屋さんの話になった。
個人でやっているお寿司屋さんでも、
きっと毎朝市場に仕入れに行っていると思うと、誰に対してかよく分からないがとにかく頭が上がらない。
朝早く起きることがまず素晴らしいしね。
個人のお寿司屋さんってなかなかハードルが高いので行く機会がなかなかないのだけど、自粛明けの小さな夢にしよう。