誇らしげに輝くキミは美しい(包丁研ぎの話)
私のパートナーは、包丁研ぎが好きだ。
趣味・特技という欄があったら、まっさきに「包丁研ぎ」と答えるぐらいに。
中学生時代から研ぎはじめ、高校生のときにはアルバイト代でホームセンターにマイ砥石を買いに行っていたらしい。
昔の彼女からはバレンタインデーにチョコレートの代わりに「包丁と砥石」という本をプレゼントされたり。
飲食店でアルバイトをしていたときに、包丁を研ぎすぎて、刃の減りが早いからやめろと叱られたこともあるらしい。
付き合い始めてから「オレ、けっこう包丁研ぎが好きなんだよね」と言われて、「ふーん」と聞き流していたけれど、たしかに隙あらば包丁やナイフを研いでいる・・・!
私は、刃物にも砥石にも全く興味がないのだけれど、刃物について語る彼を見ているのは好きだ。
とにかく楽しそう。いくらでも語ってくれる。
そしてもちろん、わがやにある包丁やナイフは常に研がれていて切れ味がよい。(隙あらば研いでいるから!)
気づくと、砥石やら滑り止めのゴムやらやすりやら・・・いろんな道具が増えている。
好きっていうのは、すごいエネルギーだなぁと思う。
そんな彼の本業は、ビジネスコーチ・コミュニケーショントレーナーでコーチングや研修をやっている。
そこで培った講師力を活用したのかどうかはわからないが・・・包丁研ぎ好きが高じて、包丁研ぎを習いたいという参加者を募って包丁研ぎワークショップを開催することになった。
準備万端!
板書もバッチリ!
私は、アシスタントとして手伝いをしていたのだけれど、参加者のみなさまは本当に喜んで楽しんでくださって、とてもよいワークショップだった。
期待の10倍よかった!!と感想をいただいた。
彼曰く、サビついたり、切れなくなっている包丁をみても、「ダメだな」とは一切思わず、「ポテンシャルしか感じない!」のだそうで。
日本中の家庭に、きちんと手入れをしてもらえないがゆえに「もう使えない」と思われてお蔵入りしている包丁がたくさんあるのかと思うと、胸が痛むらしい。
研いでいくうちに、包丁がほこらしげに輝きを取り戻していくのを見るのがよろこびなのだという。
(ワークショップで研いだ包丁たち。たしかに輝いている!)
私は、思うのだ。
研がれた包丁も輝いているけれど、包丁を研いでいるときの貴方こそが誰よりも輝いていると!
彼のSNSでは、包丁研ぎの動画や写真が大人気だ。(ほかのマジメな投稿よりも人気があることは、本人としては不本意らしい)
それは、包丁研ぎについて語るときの彼のエネルギーが本当に嬉しそうで、好きだ!という思いが溢れているからだと思う。
人は、好きなことについて嬉しそうに語る人を見るのが好きなのだ。
だって、包丁研ぎになんの興味もない私までが、こうしてnoteに書いてしまうぐらいなのだ。
好きのエネルギーは伝播する。
私の「好き」はなんだろうな・・・
彼の包丁研ぎほどわかりやすく「好き!!!!」というものはないかもしれないけれど、こうして文章を書くのは好きだ。
彼に対して
「包丁研いでなんになるの?」
とかいう問いが愚問であるように。
好きだからやっていることに、「それをやってなんの意味があるの?」などという愚かな問いをしている暇があったら、
好きなことを、好きなようにやればよいのだな。
(了)
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