【ダブルファネルの構造】 「お客さん」から「ファン化」への道筋を解説
↑前回、書いた記事では「マーケティングファネル」について解説していきました。
最後のまとめでは「ファネルは幾つも存在する」と締めたのですが、今回はその点についてもう少し詳しく書いていこうと思います。
最近はどの業界でも「ファンになってもらおう!」という声が聞かれるようになりました。
「ファン」という言葉を聞くとアイドル、スポーツチーム等を対象としていて、どちらかと言えばエンタメ業界の間で使われる言葉だとイメージしがちですが今では良い商品を作っても似たような物は既に多く存在しておりよほど質が高い、斬新な商品でもなければ必ずしも売れる時代ではなくなった、ならどうすればいい?となった時に商品ではなくその会社、お店自体を好きになってもらい選ばれるようになろうと考える所が増えてきたのです。
そこを目指すとなった時に「うちのファンになってもらおう!」というのが分かりやすい表現としてあるのだと思います。
ではそのお客さんからもう一歩先へ、「ファン」になってもらうためにはどうしたら良いのか?そのステップを前回の記事に引き続き解説していこうと思います。
3つのファネル
「ファネル」という言葉をおさらいすると「漏斗(ろうと)」と日本語では言います。
リンク記事のサムネイルを見れば分かるように上は大きく広がっており、下は細く小さな穴となっております。
マーケティングにおいてこのように最初は広く、下に行くにつれてだんだんと細くという流れでお客さんを絞り込んでいく過程に重なるということで「マーケティングファネル」なんかという呼び名が付いています。
一つ目のファネル
一つ目、一番上ということは最も対象範囲が広いファネルになります。
ここでは「知ってもらう、存在に気づいてもらうことを目的」として集客していきます。前回の記事では「認知」とも表現しました。
とにかく「知ってもらおう!」と興味を引かせるために、時には今の流行りに乗っけて発信することも必要になってくるでしょう。記事を書くならちょっと煽ったタイトルを付ける、ツイッターのトレンドワードをやや強引に利用することもあるかもしれません。
ただ、だからといって自分の「軸」から大きく外れた内容の発信をするのは避けた方が良いです。
〇〇が流行っているからといって今まで発信してきた内容とはまるで分野、質が異なる投稿をしてしまうと他のと比較した時に違和感を持たれるのである程度の一貫性は持った方が望ましいです。
これは「ブランディング」にも大きく関わってくる所です。「軸」がブレブレだという印象を持たれたらブランド構築を失敗する可能性が高くなってくるので基本は自分の「軸」に沿った発信を心がけましょう。
2つ目のファネル
真ん中に位置する地点では前回やって来てくれた人達が「繰り返し訪れてくれるように」という意識を持ちましょう。
「今日は時間がないからまた今度チェックしよう」といった感じで見込み客にとってここはためになる場所だと認められて日常生活に少しでも組み込まれることを目指します。
そのためには役に立つ情報発信はもちろん、それにプラスして「なぜ自分はこのような活動、発信をしているのか?」その背景、動機を明確に提示して納得させることができれば心に残ることでしょう。
同じような商品は既に溢れているように、同じような情報を発信している人も当然、たくさん存在します。では「どこで違いを生み出すか?」となった時にその活動理念が重要になってくるのです。
これを打ち出すことによって他者と比較された時に「この人はなんか違う」と思ってくれるものなのです。
3つ目のファネル
最後の一番深い部分。ここまで来てくれる人というのは定期的にこちらのメディアをチェックしてくれるだけではなく、メルマガやLINE登録などをしてくれて限定コンテンツにも目を通してくれる人もいるとても共感してくれた人となります。
ここまでの段階を経てようやく「販売」を仕掛けても喜んで買ってもらえるようになります。
いきなり「この商品買ってくれませんか?」と言ってくるセールスマンやらが嫌われるのはこのような段階を踏まずにいきなり「販売」をしてくるからと言えます。勢いに押されて買ってしまう人も中にはいるかもしれませんが、気持ちよく購入してくれたわけではないのは明白でしょう。
私が俳優活動をしていた時代、多くの知り合いが「チケット売れない〜😂」と嘆いていたのも前触れもなく突然、連絡をよこして「販売」を仕掛けるからで、それでは売れなくて当たり前だと今では納得できます😓
このように各段階を意識した上で情報発信をするのとしないのでは、大きな差が出てくるのは言うまでもなく。そしてこんな流れを知ることでいきなり「販売」なんてやめた方が良いと考えを改めることができます。
作業量はたくさんこなしているけど、なかなか結果が出てこないのはこの流れが頭にない、理解せずに取り組むから、それではせっかく時間も労力も費やしているのにもったいないですよね。
やる気と勢いだけではいずれ限界が来るのでこのような知識を身に付けましょう。
買ってもらったらそれで終わりなのか?
ここまでは前回、書いた内容の簡易版なのですが最後は買ってもらったら「リピーター」になってもらおうと書きました。
こちら側としてはここまでもっていくだけでも非常に苦労するのですが、お客さん目線で言えば「買ってからが本番」です。
「やったー!売れたー!」と喜んで「あとは知りません」では問題ありだと誰から見ても明らかでしょう。
むしろ一番気合を入れなければいけないのは「購入者のアフターケア」なのです。
一度購入してくれた方がまた商品を買ってくれるのなら前回よりも高額商品を買ってくれる可能性が高いと前回、書きました。
だから繰り返し商品を買ってくれる人が十人と少数であっても何万、何十万アクセスされることを目標とした記事や動画を作るよりも価値があると。
ビジネスを安定させるには購入してくれるのか不透明な新規の人を集める、増やすばかりに気を取られては難しいです。
そこで買ってくれる可能性が高い層を確保させることである程度は安心して、新しいことにも取り組むことができるのです。
その「リピーター」獲得のためには何をすれば良いか?となったらやはり購入後のケアなのです。
万一、商品に欠陥があっても丁寧に、誠意を持って対応してくれるのか?
疑問点にすぐ答えてくれる体制はできているのか?
そういう意味では言葉遣い、愛想の良さ、返信のスピードなどビジネスに限らず良い人間関係を構築していく上での基本的なことも出来ていないといけないでしょう。
「この人から購入してよかった」
そう感じさせることによってまた機会があれば買ってみようかなと思えるのです。
売ることばかりに力を入れてしまい購入後は知らないだと最後、細い穴を通り抜けたら受け皿もなくそのままお客さんを排水口へ垂れ流すに等しいことを意味します。
そんな対応をしてしまったら「あそこでは買わない、利用しない方が良い」と悪評が流れてしまい売り上げを伸ばすことは厳しくなっていきます。
ダブルファネル 「購入者・リピーター」で終わらせない
商品を購入してくれただけでは「ファン」とはちょっと言い難いです。
しかし今、多くの業界では「お客さん」から「ファン」になってもらうことを目指して取り組んでいる所もあると最初に話しました。
ではどうすれば「ファン」と呼べる存在になってくれるのかは購入後はどこへ向かわせるのか?そこを考えることだとここまで話してきた流れから言えると思います。
そこで登場するのが「ダブルファネル」という概念。ダブルファネルとは従来のファネルの下に今度は逆さまでもう一つファネルがあるという図になります。
今度は砂時計と似た形の図になりますね。
購入者を特に大事にしないといけない理由は、いかに満足してもらうことによって「リピーター」そして「ファン化」へと繋がるからです。
買った商品、サービスの満足度が高ければ高いほど、今度は別の誰かに広めたくなるはずです。
リンク記事からの引用なのですが、最後の方ではこんなことも書きました。これぞ実はダブルファネルの構造を示唆していたもので最後は購入者にここを目指してほしいと言えるわけです。
つまり商品を購入したことをきっかけに何かしらのアクションを起こしてもらうこと。
その代表例はやはり商品を今度は購入者が自ら広めてくれることです。或いはあなたの活動理念に共感して、普段発信しているような内容を広めてくれる・・・こうなると「あなたの分身ができた」と言って良いかもしれません。
ここまでの行動を起こしてくれる関係性になればもはやそれは「お客さん」ではありません。まさに「ファン」や「同志」「信者」「身内」なんていう表現でもおかしくないかもしれませんね。
なぜ人気アイドルグループは一度の宣伝だけでドームやスタジアムを満員にできるほどの集客ができるのか?
それはこのような存在の人達を多く抱えているため勝手に騒いで宣伝、広めてくれるおかげなのです。もちろんライヴや舞台、イベント参加後は「良かった、楽しかった」と感想も発信してくれる。
その効果は別の界隈にも波及して中には興味が湧く人も出てくるでしょう。
私も高校時代、好きなバンドの良さやライブの感想をブログで発信していたのですが「今度ライヴに行ってみようと思います!」とコメントが来たことがあります。
当事者ではなくファンが発信していたのをきっかけに新たな購入者が生まれる、このような現象が起きればこちらとしては願ったり叶ったりですよね。
こうなればビジネスは上手く回り、こちらがそこまで集客、宣伝に力を入れなくても幾つものファネル達が代わりにやってくれて新しい商品作りに専念できたりします。
「お客さん」から「ファン」になってもらうためには購入者にも商品を、あなたの良さを広めてもらえるようにする、ここを目標にすることによってビジネスはどんどん安定していくことになるのです。
このようなことはインターネットが無い時代は不可能でした。大体はテレビ、雑誌、新聞にでも取り上げてもらわないと多くの人に広まりません。
そういう意味ではこれらの媒体を利用できている人のみにチャンスがあったわけですが、今ではいち個人でも情報発信できる時代になり大手メディアを利用しなくても広めることは可能になりました。
だから個人でもビジネスをすることは簡単になったと言われるのです。
誰にでもやり方次第では自分が作った商品、信念が広まり「ファン」になってくれる人が現れる時代だと認識して、活動していきましょう!
では今回は以上になります。最後までお読み頂きありがとうございました。
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