【番外編】クリエイターとメンタルヘルス
「クリエイターやアーティストは心を病みやすい」というのは本当でしょうか?
精神医学・心理学用語には、創造の病(creative illness)という言葉があります。エレンベルガー(またはエランベルジェとも)という人は、「創造性と(精神的な)病には親和性がある」と考えました。
正確で詳細に記述すると難しいのですが、
この解放されるまでの長い苦しみの期間のことを「創造の病」と呼びました。
さて、問いを戻しましょう。
「クリエイターやアーティストは心を病みやすいのでしょうか?」
上記のように「創造の病」と呼ばれるように、創造における「産みの苦しみ」があるとすれば、それを何度も経験する(クリエイティヴ制作やアート自体が生業となっている)ことがあることで、ある意味でそれは正解といえるかもしれません。
ただ、「クリエイターやアーティストが、非クリエイター・非アーティストと比べて、どうしても目立ちやすいという側面があること」や、「クリエイターやアーティストとして活動できるだけの感受性の豊かさによって、何か悪いものを取り入れてしまう機会が通常よりも多くなりがちということ」は差し引いて考えなければいけないでしょう。
創造的な活動というものは、非常に大きなエネルギーを使うことで、そこに没頭する時間が長くなればなるほど、もちろん疲弊はしやすくなります。決して没頭することが悪いことなのではありません。ただ、長くクリエイターやアーティストとして活動を続けていくには、没頭した後には十分な休息が必要でしょう。
手抜きは絶対にイヤだ
また、別記事でも書きましたが、クリエイターというクリエイティヴ(創造)ということを仕事にしている以上、そこに手抜きはしたくなくて、最後までやりぬきたい。
「中途半端にやるくらいなら、全部やめて自分の名前も取り下げてほしい。」
すごく気持ちがわかります・・・と心理師的に言いづらいのですが、わかりみが深すぎます。すべては自分のできる限りでのパーフェクトなものを創作したい。でも現実との乖離があり、1冊に対して10年かけていたら食べてはいけません。人間の時間も1日24時間と平等です。
筆者がはじめて書籍を執筆できる機会に恵まれた時(小さい分担執筆でなく、自分の名前を著者として出せる機会)、それは幸いにも大学4年生頃でしたが、最大限の力を発揮したくて3年かけてやっと刊行できました(おかげで62,000部出て、さらに最近新装版として刊行され直しましたが)。
その時の情熱はまだあるつもりですが、外的な環境が許さない。週刊連載はしていませんが、週刊連載でたとえると、次々原稿あげないと間に合わない。他の人に任せればいいかというと、任せるために教えたり育てたりチェックしている時間すらない。
一回始まると終りが見えない。終りが見えてくると(いや、見える前に)次の何かが始まっている。これは一旦立ち止まってどうにかした方がよさそうです。必要なのはマネージャー?カウンセラー?
第3者の意見を一度聞いてみるだけでもいいかも
または創造的な活動を別の形で行うことは、あらたな可能性に拓かれる可能性があります。ついつい没頭しがちで「疲れ果てた」と感じてしまう時には、一度振り返る時間をカウンセラーと持ってみてもいいかもしれませんね。
カウンセラーの中では、公認心理師(国家資格)と臨床心理士(文部科学省後援資格)を両方持っている人の方がオススメですが、カウンセラーといえども人も千差万別なので、クリエイター事情や芸能・音楽など業界事情を少しでも知っている人、親和性のある人の方が、話しが通じやすいこともあるでしょう。そういうカウンセラーを探すのも至難の業ですが…
ということで、私自身がそのリードする役となり、将来もっとクリエイターやアーティストに仕事に理解を示して(そして知ってくれている)優秀なカウンセラーをどんどん育てたいと思います。
X(旧Twitter)では、クリエイターをサポートするためのアカウントを複数人で制作し、今後のサポート活動につなげていきたいと思いますので、是非応援よろしくお願いいたします。
クリエイターサポート【作家メンタルケア】