子宮全摘①子宮を取りたい
子宮を取ろうと思う。
取る気まんまんだ。
取ってもらえるかは別として。
子宮は臓器で、ホルモンは出ていない。ホルモンは卵巣から。つまり卵巣を取ると更年期障害のような症状が出やすいけれど、子宮を取ったところで何の影響もない。
膣も残るので、性交はそのままできる。
そう思い至ったのは、PMSと生理が重すぎるから。超低用量ピル(ヤーズフレックス)を服用して9年ほど経つ。しかし重い。
最近は不正出血も続いていたし、生理は重いし(立っていられないぐらい)、何よりこの先子どもを欲しいと思わないから。
某県に転居してずっと通っている婦人科。ピルを出してもらうにあたり、半年に1回検診がある。内診ね。経膣エコーね。
前回も言われたが、小さな子宮筋腫が内膜のところにあり、それが生理を重くする原因だと言われた。
子宮頸がん検診もしたがこちらは異常なし。
(これまでの記事を読んでる人はお分かりでしょうが、私はつくづく育児に向いてない。今の息子で精一杯。)
「卵巣を残して子宮を全摘したいです」と言う私に、婦人科医は言った。
「もしも、もしもだよ、今の子どもさんが、事故に遭ったりして……(亡くなったときに)次の子が欲しいと思ったら……」
と。私は食い気味に答えた。
「私はもう妊娠も出産も二度としたくないです」
何が嫌って、妊娠も、出産も、産後うつも育児ノイローゼもつらすぎて、二度とやりたくない。
しかも今息子を亡くして次の子を望んだとしよう。高齢出産になる。その子が成人したとき私は還暦を超えるだろう。
高齢出産は統計上、障害児が産まれる可能性が高まる。
障害児の育児は嫌ってほどわかった。もうおなかいっぱいだが逃げることはできない。
再びその道を自ら進む気には全くなれない。
なるべく早く働きたいのに。今から子どもなんて。考えるだけでおぞましい。
閉経まであと10年以上ある。それまで何度生理が来るのかと思うだけでぞっとする。
それならば子宮ごと取ってしまったほうがいい。
婦人科は手術・入院はしていないので、紹介状書いてもらって県の医療センターに行くことになる。御用達だ。安心だ。
そういうわけで今、予約時間を大幅に超えて待合で待っている。
医師にどれだけ淡々と、切実に伝えられるか、勝負だ。