『Ocean's Heart』公式日本語対応が実現した話
これは日本語対応未定だったインディーゲームを、開発者とパブリッシャーに要望を送って、コミュニティの力を借りて公式日本語対応に至った体験談。
ただ先に断っておくと、これは最良の手段とは言えないかも知れない。有志翻訳の提供などとは違って、本当に売れるかどうかわからない国に向けて、開発者の持ち出しで翻訳コストというリスクを負ってもらうからだ。最終的な決断は彼らにせよだ。
きっかけ
きっかけはゲームイベントで『Ocean's Heart (オーシャンズハート)』という、2Dゼルダライクのインディーゲームを見かけた時だった。ゼルダの伝説にインスパイアされたビジュアルやゲーム性に惹かれたものの、当時は残念ながら日本語対応は未定。
2021年1月、もう2週間後にはリリースされてしまうところだったが「ぜひ日本語に対応してほしい」という要望をSteamコミュニティで開発者に向けて書き込んだ。
するとパブリッシャーのNordcurrentから「要望は受け取った。前向きに検討するので、日本のコミュニティからもっと賛同の声が欲しい」という返信をもらうことができたのだ。
日本語化要望スレッド
Steamコミュニティ上でそのまま『日本語化要望スレッド』を立ち上げて、賛同とウィッシュリストへの追加を呼びかけると、想像していたよりもはるかに順調にスレッドは伸びていった。
Twitterの友人たちがRTを重ねてくれ、毎日のようにコメントがつくことで、要望スレッドはコミュニティ上で常に上位に表示され、開発者とパブリッシャーの目にずっと留まり続ける状態になっていったのだ。
そしてリリースから約4ヶ月後の2021年5月に、公式に日本語が追加されたのだった。開発者のMax Mraz氏 (@11Mraz) とパブリッシャーのNordcurrent (@nordcurrent)、そして賛同いただいた方たちには感謝の念に堪えない。
これをきっかけにMax氏とは直接話す機会も得られたので、もちろん直接コメントは伝えてある。
こうして体験談を語るような形になってしまったが、要するに「日本語対応の要望を送る」ことは無駄ではないと言いたかった。
もちろん単に要望を送るだけでは (特に個人開発のインディーゲームでは) コストとリスクの関係で簡単には実現できない。私たちユーザにはユーザなりにできることはしたいね、というお話だと理解してもらえたらありがたい。
その後の展開
2022.2.10 には国内Switch版もリリースされている。