工場跡地を畑化する
前回は自然農の思いという記事を書かせて頂きました
今回の記事では、そんな思いを胸にいざ行動に移そうと意気込んだ際の最初の試練?と、その土地の、環境についてを記事にしていきたいと思います。
スタートラインにすら立てていない自然農の苦悩や、経験をみなさんと共有できたらいいなと思っております。野菜作りの奮闘というより、自然農1年目とする土づくりについてお伝えしていきたいと思います!
工場跡地を畑にしたい
工場跡地で畑はできるのか?
不安な気持ちを抱きつつ、夏に境界と工場跡地の脇のスペースで育てていた野菜の成長を2~3カ月程見届けておりました。(ラディッシュ、大根、小松菜)その成長の姿と、喜びを次につなげたいと思い。工場跡地のコンクリート基礎で蓋をされているスペースをひっぺ剥がし、畑化したいと思いを巡らせておりました。
健康的な食と安全性
様々な情報を取得できる世の中になった私たちの生活環境ですが、日々様々な疑問を調べていくうちに、情報を活用して、私たちの生活は便利に、生活しやすくなっているのかといった事を考えるようになりました。
そんな中で諸外国に比べて食品添加物の使用料が多い事を知っていきました。そしてその安全性や、身近にうられている総菜から、標記されている添加物をひとつづつ調べていくうちにすこしづつ不安な気持ちになっている事に気が付きました。清潔好きな日本人の性格が、知らぬ間に綺麗な、見栄えの良い野菜を選んで手にすることになり、それは、野菜の生産者、加工を行う生産者の優先順位の高い位置になってきてしまっている結果なのではないかと、私自身は考えます。(住宅業界も似たような事があり、素材よりも見た目にこだわってしまうのは少し残念に思います)見栄えの少し劣る商品に、色づきを良くする加工を施したり、安全性に責任を持つために、保存料を多く使用したりなどです。もちろんひとつひとつの薬品に安全性は担保されているものの、それらを複合的に継続的に摂取した場合の検証は公には公表されていないのです。
食べ物は時間の経過とともに本来は枯れていくのが、自然な事だと思いますが、腐敗に走ってしまったり、腐敗しないように加工する事だけを求めていては、本来のサイクルから外れてしまっているものと考えます。そうして考えを巡らせていると、野菜の一生について自分の体感で知りたいと考えるようになっていきました。そしてその循環の中で育まれた、野菜の味は、スーパーで並ぶ野菜の味とどう異なるのか、とても興味があるからです。
3カ月前に始めた3種の野菜作りの中でも、間引き菜を口にしたり、時期によって異なる味を楽しめる野菜の成長の仕方にとても興味が高まっていく事を実感致しました。
畑化する為のスペースは工場跡地
その思いを形にするためには、私たちが有効に使用出来る土地は、工場の跡地スペースのみです。野菜たちの成長、収穫がひと段落したこの時期に、土をいじるなら冬のこの時間しかないと思い、まずは40年程前に施工されたコンクリートを撤去しようと試みます。通常コンクリートを打設する際には砕石→湿気防止のシートを全面に敷く→鉄筋をコンクリートの間に入れていき、厚みは10㎝程度設ける。
昔の施工方法では、鉄筋が入っておらず、コンクリート自体は重機で解体することが出来たのですが、その下の砂利や、基礎部分の沈みこみ防止で施工されている丸い大きな石(40~50㎝程)が深さ30㎝程まで埋まっており、それらを綺麗に整えていくのにどうして行くべきか悩んでおりました。
コンクリート下の土の状態を確認
中に埋まってしまっている大きい石の方(おおよそ100個近く)は重機で持ち上げれば、綺麗に山積みしていく事が出来るのですが、砂利の方は、土も一緒にすくい上げる事となり、両方が混ざってしまいます。結局は、ふるい用の板を用意し、10㎜程の小石と砂、土と、大きい堆積物を人力で分けていく事に致しました。
丸2日程ふるいの作業を終えた後は、カチカチに固まった岩盤層(赤土)をほぐしながら、この土とどう向き合うべきかを考えます。
重機で掘り下げていくときにも硬さに苦労致しましたが、さらに大変な思いをしたのは、重機を回送返却した後、数センチ掘り下げたいと思っても、スコップで全く歯が立たず、大きいバールで叩いても全く砕けない強固な層となっていた事でした。
まるで氷のように固く、石混じりの土を前に、この先この土でどうやって種を撒いて、野菜が育っていくのか想像ができなくなってしまいました。
赤土を黒土化していくために
半日近くどうしていくか考えていますと、以前赤土を積んでいた場所で、黒土化できた経験を思い出しました。それは、まさにその土地の赤土を積み上げ3カ月程放置した後に変化した出来事で、その時は特に黒土化したいと考えている土ではなかったものです。振り返っても、どうやった下処理を行ったのか、よく覚えてはいないのですが、赤土を堆積させた後に、有機物や、米ぬかを被せた記憶がうっすらと蘇ってきます。
微生物の力で活性化したい
ひとつの光明から、微生物と菌の力に託すことにいたします。
調べてみると、赤土の土と、腐葉土などをすき込んでふかふかの土を作っている方は、見られますがなんせバールでも歯が立たない土を数センチ掘っていく事など、途方もない作業で1か月かかっても終わる気がしない作業量で、到底マニュアル通りにできる作業ではありません。
幸いにして、中山間地に位置するこちらの土地は落ち葉が入手しやすい場所でしたので、家族の休みの時間を使って、みんなで落ち葉拾いを行い、軽トラで往復する事と致しました。
対策としては、このようにする事にしました。
まずは土に米ぬかを薄く播き、落ち葉、笹、落ち葉、米ぬかといくつかの層をなすようにしていきます。時間の経過を見ながら、納豆菌の力も借りて行きたいと思います。
みんなで山の落ち葉拾い
量にして軽トラで4回程往復し、米ぬかは50L程すき込みました。この時期、精米所を何カ所か回りましたが、腐葉土づくりの時期が重なって、米ぬかの量がとても少なく、こちらも苦労しました。
畑全体に多くの落ち葉を堆積させるにはまだまだ量が足りないので薄く(5㎝程)広くといった形で様子を見ていきます。すぐ下がカチカチの赤土ですが、虫たちの糞、や葉に付く菌が雨によって、土の表面に流出し、その下に流出すれば、植物の根が生えるきっかけになるのではないかと考えています。
まとめ
一度は絶望しかけた赤土ですが、来年の春を目指して、土づくりを観察していきたいと思っております。物理的にカチカチな土ですが、もう一度重機で攪拌でしても同じことだと思い、その方法はやめる事にしました。
乾燥、冬の凍結、雨季の水の浸透によって少しづつ改善されることを期待しながら見守っていきたいと思います。
今後も土づくりの経過についての変化を記事にしていきたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!