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帰省を終え…自己嫌悪(日記 1/13)

1月13日(月)
帰省2日目。初日の様子はこちら。

昨夜は途中で何度か目が覚めてたが、その後にすぐ入眠できたのでかなりよく眠れた。
姪とその子どもたちは午前中に自宅(大阪市内)へ戻るらしい。本来は兄が車で送っていく予定だったのだが夜から発熱してしまったため、急遽、義姉が電車で送っていくことになった。1歳と0歳の子を連れて一人で帰るのは大変だもんね。なので、今日は私が家事を引き受ける。何か役割があるほうが私も身の置きどころがあって助かる。

兄は隔離生活。悪いものではなさそうだが、念のため。彼も年末からずっと娘たち一家が次々と帰省してきて疲れていたのかもしれない。

母は今日はデイサービスのある日。私が来ているので休んでもらったらいいと思ったのだが、義姉としては行ってもらいたいらしい。と言うのも、母は家にいるとずっと座りっぱなしでテレビばかり見ているので、そういう生活習慣が認知機能や運動機能をさらに衰えさせることになるから。それはそれでとてもよくわかる話なので義姉の言う通りにする。幸い、母はそこのデイサービスをとても気に入っており、楽しく通っているそうだ。

母はとんちんかんなことを言うことも多いけど、びっくりするくらいちゃんと理解していることもある。認知症とは本当に不思議な病だ。私に「あんたも毎日大変やろうなあ」と労いの言葉をかけてくれるので、義母の介護のことを言っているのかと思ったら「生まれたばかりの子の世話は大変やろ?」と言うではないか。なんと姪の生まれたばかりの赤ちゃんを私の子だと勘違いしていたのだ(笑)。高齢出産にもほどがあるやろ(笑)。 かと思うとデイサービスへ行く時には「デイから帰るまではまだあんたは居るんやろ?」と尋ねてきて、私が今夜帰ってしまうことはわかっているんだな、と思ったり。

言ったことをすぐ忘れてしまうので本人にとっては初の言動のつもりでも、周りの者にすれば何度も同じことをしつこく言われてしまって、毎日生活する家族は参ることも多いだろうと思う。

例えばこんなことがあった。
洗濯物が乾かないので義姉が部屋に生乾きのものを吊るしていたのだが、母がそれを見て「そろそろ乾いたんと違うか、もう畳もうか」と言う。義姉は「袖なんかは乾いてるけどポケットの中とかがまだだいぶん湿ってるから吊るしてるんよ。だからまだ畳まんといて」と母に言った。数分後、母はまた「そろそろ乾いたんと違うか、もう畳もうか」と言い、義姉が「袖やらは乾いて以下同文」。このやりとりが数分おきに繰り返され、義姉は私が帰省している時はいつも我慢している様子なのだが、昨日はかなり彼女も疲れていたようで「もう!!!だからそのまま触らんと吊るしてて言うてるやろ!!!!!」と母をひどく怒鳴りつけた。

私は身が縮む思いでどうして良いかわからなくなった。でも義姉を責める気にはなれない。きっと毎日こういったやりとりを繰り返しへとへとに疲弊しきっているのだ。例えばうちの義母は認知機能はまだ衰えていないが、それでも老人特有のこだわりの強さがあって同じことを何度も確認してくることがあり、最後には私も語気が強くなることがよくあるからだ。

父はそうやって義姉に叱られる母を不憫に思っていて「○○(母の名前)は嫁に来た時からずっと家業のことやらたくさんの親戚付き合いやら気難しい姑につかえたり苦労してきてるんや。老後を悲しい思いをさせたくないんや」と、自分も強めの語気で母に言うこともあるくせに殊勝なことを言うのだ。でも基本的には父は母にとても優しい。今は自分のガン治療のしんどさで精一杯なだけなのだ。

ああ、何も解決はしないけど、父のそういう愚痴を聞き、母のエンドレスの話の相手になっただけでも私は帰ってきた意味はあるのでしょうか。そう思わないと辛くてやっていられない。

そんなことをつらつらと考えながら、食事の支度をしたり、熱で隔離生活の兄にご飯を運んだり、父に頼まれた買い物をしたり、義姉のいない間のタスクをこなした。夕方、母がデイサービスから戻ってきて、今日の昼食はこういうものが出てとても美味しかったとか、絵を描くのがとても楽しいとか(母は絵を描くことにハマっている)、一日のことをいろいろ楽しそうに話してくれた。何度も言うようだがデイサービスに喜んで通ってくれるというのが本当に幸いだ。職員の皆様、心の底から感謝いたします。

そして私も帰る時間になった。母は「えっ、どこへ帰るん」と言う。朝は「デイから戻るまではまだ居るんやろ?」としっかりしたことを言っていたのに。

お父さんお母さん、また来るね。4月のお祭りには来たいと思っています。

新幹線に乗り、車窓をぼんやり眺めていたら私と入れ違いに戻った義姉からLINEが入っていた。今日急遽私に家事を任せることになったことや、私が帰っているのに母をデイサービスへ行かせたことを詫びていた。全然気にしていないのに。でも私の前で母を怒鳴ったことなど諸々、義姉も後になってみて何か思うところがあったのかもしれないと思った。お義姉さん、ずっと一緒に暮らしてお世話をしてくれる人が一番偉いのです。だから気に病まないで。


家に帰ったら急にホッとした。ホッとしたと感じる自分に嫌気が差した。


#日記 #エッセイ #認知症 #介護 #両親 #デイサービス #帰省  

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