【エッセイ】つめをきる
爪を切るのが好きだ。
飾り気のない素の爪をいつも週末に切るのだが、週の後半にはもう切りたくなってしまう。そこで切っては切りすぎになるので、あまり伸びないように週末になるべく短く切る。刈り込むに近いくらい切る。そしてやっぱり切りすぎる。
爪を切ると、リセットされる気がする。
なにか嫌なことがあったら髪を切るというのはよく聞く話だ。しかし髪をそんなに頻繁に切るのは難しい。そこで爪を切る。イメージは由緒あるお寺なんかにある胎内くぐりだ。
生まれ変わると言っては言いすぎかも知れないが、古い殻を脱ぎ捨てられる気がする。
今週もまた爪を切る。良いことも悪いこともなにもなくても爪を切る。
爪が嫌いなわけじゃない。伸びてゆく爪は、過去の自分のたまものだ。
爪を切ってリセットされた私は、また新しい明日に向かう。
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