【エッセイ】時間どろぼう

 絶対にいる。時間どろぼうがいる。
 自分以外の人たちがどのように生活を営んでいるか知らないが、私だけがこんなに時間がないのだろうか。
 特別に多忙なわけではない。もっと忙しい人がゴマンといるのは知っている。しかし、なんでか時間が足りない。
 何をするにも時間がかかりすぎるのだ。眠るにも、ぼーっとするにも、ごはんを食べるにも(そして仕事をするにも)。
 時間どろぼうよ、出てこい。正面から話をしようじゃないか。なぜ私から時間を奪うのか。
 もし時間どろぼうが罪に問われるなら、私は相当に長い間その罪を償わなければならないだろう。自分の時間を使えるのは自分しかいないし、その使い方を決められるのは自分だけだ。
 そうだとしたら、時間どろぼうは自分自身にほかならない。

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