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お弁当にNGの食材は? 傷まないお弁当作り6つのコツ

 秋の訪れを感じながらも、まだまだ暑い日もある。そんな絶妙な季節だけに、食中毒に注意が必要だ。作ってから食べるまでに時間があるお弁当の場合、特に注意が必要になる。スタジオ食(coo)を主宰する管理栄養士の牧野直子さんは、著書『ムリなくできる! 栄養のこと、ちゃーんと考えた 毎日おいしい弁当』(朝日新聞出版)で、「傷まないお弁当作りのコツ」を解説している。本から抜粋する形で紹介したい。

牧野直子『ムリなくできる! 栄養のこと、ちゃーんと考えた 毎日おいしい弁当』(朝日新聞出版)
牧野直子『ムリなくできる! 栄養のこと、ちゃーんと考えた 毎日おいしい弁当』(朝日新聞出版)

 牧野さんが挙げる「傷まないお弁当作りのコツ」は6つある。

①中までしっかり火を通す

 おかずは中心までしっかり火を通すことが大切。中心温度が75度以上で1分加熱すれば、食中毒が予防できると言われている。特に肉や魚、卵は、中までしっかり火を通しておきたい。お弁当に限って言えば、肉は薄く切るほうが火の通りが早く、むらなく焼けて、時間の短縮にもなる。

②汁けや水けは飛ばす

 調味料の汁けや食材から出る水けは、しっかり煮詰めたりいためてとばしたりしておくこと。水分の多い食材は、お弁当にはできるだけ避けたほうがいい。汁けが多いと、雑菌が繁殖しやすくなり、痛む原因になるので、ゆで野菜はしっかり水けをきる。かつお節やごまなど水分を吸ってくれるものとあえるのもおすすめだ。

③防腐効果のある酢や食材を使う

 防腐効果や殺菌効果のある調味料や食材も活用したい。例えば、ご飯を炊くときに米1合に小さじ1杯の酢を入れる、梅干しや青じそ、わさび、しょうがなどを積極的に使う、といったことだ。お弁当を詰める前に、キッチンペーパーに酢を含ませてお弁当箱やふたを拭いておく、というのも効果的な方法だ。

④詰める前によく冷ます

 ご飯もおかずもよく冷ましてから詰めるのも、「傷み防止」の基本。あたたかいうちに詰めると蒸気が閉じ込められ、雑菌が繁殖しやすくなる。梅雨や夏の時期は、特にしっかり冷ましてから詰めるのが鉄則だ。急いでいるときは、粗熱をとってからお弁当箱ごと冷蔵庫に入れたり、保冷剤をのせたりするなどの対策を忘れないこと。

⑤生野菜は別の容器に入れる

 水けが出やすい生野菜は雑菌の繁殖リスクが高い食材。お弁当に入れるのは、極力避けたほうがいい。持っていく場合は、しっかり水けを切り、キッチンペーパーなどで拭いてから、ほかのおかずとは別の容器に詰めるようにしたい。ミニトマトはヘタを取り、よく拭いて、切らずにそのまま詰めると傷みにくい。

⑥保冷できるスープジャーを活用

 保温だけではなく保冷もできるスープジャーの活用は、夏場にもおすすめ。15度以下に保てるタイプのものを積極的に使いたい。ただ、保冷効果があるとはいえ、生ものや乳製品は中で雑菌の繁殖の危険があるので避けておきたい。スープジャー専用の保冷バッグを使うと、さらに安心だ。

 もちろん、梅雨時期から夏にかけて、また、暖房が効いた部屋に置いておくなら冬場でも、食材そのものの管理、フライパンやまな板、包丁などの調理器具を衛生的にしておくこと、調理前に手を洗うことは基本中の基本だ。お弁当箱は使う前に十分に乾燥させる、食べる直前まで保冷バッグに入れておく、などの配慮も必須と言えるだろう。

(構成:生活・文化編集部 端香里/写真:新井智子)


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