大型新連載3本に充実の創作、林芙美子文学賞受賞作も掲載!<「小説TRIPPER」2022年春季号ラインナップ紹介>
◆新連載小説
貫井徳郎 「ひとつの祖国」
第二次大戦後、日本は大日本国(西日本)と日本人民共和国(東日本)に分断された。ベルリンの壁が崩壊する頃、日本もひとつの国に統一されたのだが格差は埋まらず、再度、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍し……。パラレルワールドを舞台にした社会派エンターテインメント巨編。
田中慎弥 「死神」
死のうとするからあいつが現れるのか、あいつと出会ったから死にたくなるのか……うだつの上がらない「作家」である私の人生の折々に登場してくる、死神。中学二年生で初めて出会ったあいつのことだけは、これまでも作品には書けなかったのだが。
町屋良平 「恋の幽霊」
京、青澄、土、しき。高校で4人は出会い、恋に落ちた。身体が発熱し、恋愛のぜんぶを出し尽くしてしまった。あれから15年。「…… あけましておめでとう! 久しぶり。みんなどうしてる?」大晦日に送られた1通のメッセージが、どん底のいまを動かしはじめる。
大山誠一郎 「和山夜羽の5W1H事件簿」
『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞し、『赤い博物館』『アリバイ崩し承ります』がともにドラマ化されて人気を博した著者による連作短編ミステリです。
今作では「5W1H」をテーマに、一風変わった契約社員・和山夜羽が名推理を披露します!
◆創作
乙一 「二つの顔と表面 Two faces and a surface」
ある時ふいにそれが意識を持った時から、宿主である少女との交流が始まりました。少女の両親は独特な信仰を持ち、少女に現実離れした教義を強要するのです。彼女に寄生するそれ――人面瘡は少しでも、生きづらそうに見える少女の力になりたいと思うのでした。
佐原ひかり 「人間みたいに生きている」
「食べること」そのものに嫌悪を覚えている女子高生・三橋唯。食べることはしあわせ、食事を共にすることで心が通わせられる。それが「ふつう」の感覚なのに――。第2回氷室冴子青春文学賞の大賞を受賞した期待の新人作家による、心揺さぶられる最新長編。
◆第8回林芙美子文学賞佳作受賞作
「あの子なら死んだよ」全文掲載
第8回林芙美子文学賞佳作を受賞した、小泉綾子さんの「あの子なら死んだよ」を全文掲載します。
先に公開した、受賞の言葉と、受賞作の冒頭部分は下記でご覧いただけます。