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2022年9月の記事一覧

水野美紀が「監視されている!」と戦慄を止められない子育て“神アプリ”とは?

 妊娠中も出産後も、心の拠り所になったのは携帯のアプリ。  ダウンロードして出産予定日を入力すると、毎日5行くらいのアドバイスやメッセージが送られて来る。  妊娠中には「ママリ」。産後は「ninaru-baby」(ニナルベビー)というアプリを毎日チェック。  これが本当にすごくて、毎日タイムリーな情報を与えてくれる。  そんな訳ないのだが、その精度たるや監視されてるほどのレベル。  いやいや、大げさな表現なのは分かっている(笑)。  だってそれほどタイムリーなのだ

読めば飲みたくなること間違いなし! 太田和彦著『居酒屋と県民性』の小泉武夫氏による文庫解説を特別公開

■居酒屋パラダイム  わが国を代表するグラフィックデザイナーの一人で、文筆家でもあり、居酒屋探訪家である太田和彦さんは、これまで日本全国の居酒屋を訪ね歩き、そこで出会った地酒や地料理、それを取り巻く様々な人間模様などをルポルタージュし、多くの著作を上梓してきた。しかし本書では、これまでの居酒屋訪問とはやや視点を異にして、それぞれの地域の風土や歴史、文化などを織り込みながら「居酒屋と客と県民性」に焦点を合わせて述べている。  ところで、「旅情」とは、旅に出て感じるいつもとは

水野美紀 出産直後、我が子を見た第一声が「やだ!」だった理由

 人間の脳は、辛い記憶を「忘れる」機能を持っている。  辛い記憶だけでなく、必要な記憶、必要でない記憶、それらを勝手に精査して、デリートする。  忘れられるから生きていける。 「忘れる」というのは人間にとってとても大事な能力の一つなのである、と昔何かで読んだ。  私のあの日の記憶も、いささかぼんやりとして、断片的である。  陣痛がなかなか強くならないので、「陣痛促進剤」を使用することになり、テキパキと準備が整えられた。  私は和室に敷かれた布団の上に横になっていた

【試し読み】「Qアノン」はなぜ日本でも浸透しているのか? 黒幕の実像に迫ったルポ/藤原学思『Qを追う 陰謀論集団の正体』

※期間限定の全文公開は終了しました。読んでくださったみなさま、ありがとうございました。好評につきまして、第1章までの試し読みを続けます。続きが読みたいという方は、単行本や電子書籍で、ぜひお楽しみください。 プロローグ 黒いジープのライトが、暗闇を切り裂く。砂ぼこりがあがる。 《密売人、不法入国者に遭遇する可能性があります》。そんな看板が見える。  2022年1月17日午後8時、満月の夜だった。私はメキシコに近い米アリゾナ州の国境沿いで、ある男に密着取材をしていた。車の運転席

伊坂幸太郎、佐久間宣行、新川帆立、山上大喜…小川哲『君のクイズ』に推薦の声、続々! 『ゲームの王国』『地図と拳』の鬼才が次に放つ、一気読み必至の超エンターテインメント小説

『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』……。一作ごとに評価を高める大注目の作家・小川哲氏が、今度はなんと「競技クイズ」を題材に、極めてユニークな、なのにド直球のエンターテインメント『君のクイズ』を書き上げました。発売前から書籍紹介YouTube、文芸時評、SNSなどで数多く取り上げられ、話題沸騰中の一冊です!  本作を読了して面白い!と評価してくださったみなさまから推薦コメントをお寄せいただきました。みなさまの熱いコメントをぜひお読みください(コメント掲載は順不同です)。

「出汁がでちゃうじゃないか!」水野美紀が破水後に子宮口が開かず処置された昆布に対する夫の感想

 人生において、ともすれば命の危険にさらされるくらいの痛みと、涙が溢れるくらいの喜びが「同居する」場面、というものはあるだろうか?  私は最近経験した。  そして読者の皆さんの母親はもれなく経験されているはずだ。  そう。出産だ。  話は今から一年ほどさかのぼる。  臨月を迎えた私は不安と恐怖に苛まれていた。  一体、陣痛やら分娩(ぶんべん)の時の痛みとやらはどれ程のものなのか。  もうすぐ必ず訪れる、その痛みのことを考えるのが怖い。  怖くない妊婦なんている

直木賞作家・辻村深月著『傲慢と善良』書評まとめ

評者・立花ももさん「ダ・ヴィンチ」(2019年4月号:デビュー15周年記念 辻村深月特集) 評者・大森望さん「週刊新潮」(2019年4月11日号) 評者・池上冬樹さん「日経新聞」(2019年4月27日) 書評「夕刊フジ」(2019年5月11日掲載) インタビュー「好書好日」(聞き手・瀧井朝世さん) 婚活めぐる息苦しさをあぶり出すビターな“恋愛小説” 辻村深月さん「傲慢と善良」|好書好日本屋大賞受賞作『かがみの孤城』で老若男女の切なくも優しい涙を誘った著者が、今度は

「オカアサン、シンダヨ」難民の一言から始まった言葉の交流 人権なき日本の外国人政策に静かに抗う人々の物語

 木漏れ日が揺れる。新緑が映える。  休日の公園。芝生の上でボール遊びに興じる子どもたちを横目に見ながら、恒例の“青空教室”が始まった。  この日の出席者は8人だ。学生、会社員、そして私のようなライターや写真家も。職業も性別も年代もバラバラな人たちが、公園の一角、日差しを遮る東(あずま)屋やのベンチに腰掛けた。 「ムボテ!」(こんにちは)。まずは挨拶から。この日が初参加で“新入生”の私も皆にならって唱和する。  こうして恒例のリンガラ語レッスンが始まった。  先生を

水野美紀が妊娠中一番つらかった「体重管理」 救世主となった食べものとは

 一年前、私の体重は今より10キロ以上重かった。  ウエストは1メートルに届かんばかりで、バストもスリーカップ以上サイズアップ。  現在は着ぐるみを脱いだかのごとく、すっかりしぼんでしまった。  私の身に何が……そう! 出産である。  昔は、「二人分食べなきゃね」なんてよく言ったもんだが、今やとんでもない話。  妊娠が発覚して通った病院では、高齢出産であるということに関して特別レクチャーされることはなかったものの、体重コントロールに関してはすごく厳しく言われた。

陰謀論はなぜ生まれるのか?「世界は不条理でできている」ことを知る重要性 <内田樹×岩田健太郎>

■この世は不条理なものである 内田:岩田先生のお話を聞いていると、やっぱりアルベール・カミュの『ペスト』を想起させられます。コロナ下において示唆深いことが、この小説にはいくつもあるんです。  パヌルーという神父が出てきます。彼の考え方は、今で言うところの反ワクチン主義者に近いんです。つまり、人間がペストに罹って、死ぬのは偶然ではなくて、その背後には人智を超えた摂理が働いていると言うんです。パヌルー神父は、「疫病は神が下した懲罰である」と説きます。信仰が足りないからペストに罹

※終了※【特別公開】夢枕獏氏「キマイラ」完結へ! 40年続く人気シリーズが1年半の休載を経てついに再開/「聖獣変 第1話」を期間限定公開

※特別公開は終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。 ※特別公開は終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。引き続き「一冊の本」での連載をお楽しみください。