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ほんの記事

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朝日新聞出版から発売されている本にまつわる記事です
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2021年5月の記事一覧

「イヤイヤ期」の問題行動がぴたりとおさまる簡単な方法

 どれだけ叱っても、まったく言うことを聞かない子どもにお手上げ状態。そんなとき、親は子どもの「した」ことばかりに気を取られている可能性が高いのです。学習塾を主宰し、不登校児や学習障害児、非行少年などを積極的に引き受けて、生徒全員の成績をアップさせた経験を持ち、その後もボランティアで育児相談や子どもの学習指導、親や教育関係者らと活発に意見交換をするなど、科学の視点で子育てにかかわる活動を続けている、異色の科学者・篠原信先生が、著書『子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法』で明

性暴力被害者が明かす 性的虐待の後に待っている想像を絶する苦しみと絶望

『13歳、「私」をなくした私~性暴力と生きることのリアル~』(朝日新書)は、生きるために、人間が苦しむ姿が、内面が、驚くほどの潔さでリアルに記録された本だ。著者の山本潤さんは、幼いころ実父から受けた性暴力により、その後何年にもおよぶ闘いを強いられ、生還したサバイバーだ。アルコール依存、強迫症状、男性不信ゆえの愛憎混じる性欲求……。彼女は今、こうしたハードルを乗り越え、顔と実名を出し、告白する。彼女の思いはただ一つ、この世界から性暴力をなくすこと。  少し長くなるが、山本さんが

上司に一緒に怒られてもストレスに“感じる人”と“感じない人”の違い

 一緒に上司に怒られた同僚はすぐに立ち直って生き生き働いているのに、自分はそれがストレスで夜もぐっすり眠れないし、会社に行くのもつらい……。この違いは、一言で言うと「認知」の仕方の違いです。ちょっとした心がけでその「認知」は修正することができます。  産業カウンセラーで職場のメンタルヘルスの専門家である見波利幸さんは、『やめる勇気――「やらねば!」をミニマムにして心を強くする21の習慣』(朝日新聞出版)の中で、「認知」の仕方の違いと、これを修正する方法を解説しています。ここで

NHK朝ドラ「なつぞら」でなつの花嫁姿に草刈正雄が鼻水が出るほど泣いた理由

 5月17日から放送が始まった新朝ドラ「おかえりモネ」。気象予報士を目指すヒロインの成長を描いたドラマで、主演の清原果耶さんの演技が光る。その前の週に涙の最終回を迎えた「おちょやん」とはまた違った朝の楽しみとなりそうだ。  これまで多くの名作を生み出してNHK連続テレビ小説だが、広瀬すずさん主演、大森寿美男さんオリジナル脚本の「なつぞら」も話題を呼んだ。同ドラマで頑固オヤジ泰樹を演じた草刈正雄さんは、著書『人生に必要な知恵はすべてホンから学んだ』(朝日新書)で、なつの花嫁姿を

13歳から7年間、実父から性的虐待… 彼女はなぜ全てを告白したのか?

 山本潤さんは、父親からの性暴力によって「私」を失った。13歳のときのことだ。それから父親と離れて暮らすようになるまでの7年間、日常的に被害を受けることになる。『13歳、「私」をなくした私~性暴力と生きることのリアル~』(朝日文庫)には、そんな山本さんが自分を取り戻していく過程がつづられている。表紙の写真が印象的だ。現在の山本さんはこの写真のように自分の足で歩き、生きている。しかし、そこに至るまでには長い長い時間を必要とした。  看護師・保健師として医療現場で活躍すると同時に

たまには「白いワイシャツ」をやめてみよう

 朝目覚めると体が重く、仕事に行くのが辛い。昔から「5月病」という言葉もあるように、連休が明けてから梅雨に入っていくこの季節は、そのような症状でメンタルヘルスの相談に訪れる人が増加します。症状が重ければ、医師や心理カウンセラーなど専門家を訪ねるべきですが、まずは日々当たり前にやっている小さな習慣をやめてみると、驚くほど心が軽くなることがあります。産業カウンセラーで職場のメンタルヘルスの専門家である見波利幸さんによると、良かれと思ってしていることが、いくつも積み重なって大きなス

自宅で突然亡くなった母に泣きながら…草刈正雄が明かす「僕の原点は、母」

 今年1月クールドラマ「おじさまと猫」で主人公のおじさま役の演技が話題となった俳優の草刈正雄さん。放送開始前、もう一方の主人公ならぬ主猫公「ふくまる」がぬいぐるみであることが公表されると、ネットでは多くの不安の声が……。しかし放送が始まると、まったく違和感のない草刈さんとふくまる(神木隆之介さんの声の演技も素晴らしかった!)の掛け合いが話題となり、最終回直前のふくまる失踪の回では多くの視聴者を号泣させ、話題をさらった。  昨年、芸能生活50周年を迎えた草刈さんが著書『人生に必

人間関係が“我慢”と“忘れる”では解決しない理由と対処法を自衛隊メンタルヘルス教官が指南

「人間関係さえスムーズにいけば、もう少しラクに生きられるのに」。そう思っている人も少なくないのでは。  なぜ人間関係に疲れるのか? 疲れないようにする方法はないのか?  長年自衛隊メンタル教官として、また現在は“予約の取れない人気カウンセラー”として活躍『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』(朝日新書)の著書もある下園壮太さんに話を聞きました。 ■人間関係に疲れるのは「我慢するから」  対人トラブルが発生したとき、私たちの多くがやるのが「我慢」。そして、「忘れ

パワハラ上司から身を守るための上手な「壁」の作り方

 産業カウンセラーで職場のメンタルヘルスの専門家である見波利幸さんは、職場の人間関係が引き金となって心の不調を訴える人を多数見てきました。見波さんによると、特に真面目で誠実な人ほど危ないと指摘します。そこで、苦手な人とも我慢せずに付き合える方法を、見波さんの著書『やめる勇気――「やらねば!」をミニマムにして心を強くする21の習慣』(朝日新聞出版)から紹介します。  どうしても好きになれない人がいる。不当な叱責や心無い一言をきっかけに相手に嫌悪感を抱くようになり、気が付いたら

新しい環境で「折れる人、折れない人の違い」を元自衛隊メンタル教官に聞く

 新年度、やる気いっぱいでスタートしたものの、五月病をはじめ、うつ状態などに陥ってしまう人が多いこの季節。長年、自衛隊のメンタル教官として多くのカウンセリングや心の不調予防策を実施し、定年退官後もNPO法人メンタルレスキュー協会理事長として心の健康づくりにたずさわり、『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』(朝日新書)の著者でもある下園壮太さんに、ポキッと折れることなく働き続ける上で大切なことを伺った。  筆者は定年で退官するまで、長年、自衛隊のメンタルヘルスの現