10月「ハマナスの実に寄せて」
夏に紅紫色の花を鮮やかに咲かせ、秋に結実するハマナス。 海辺に育ち、花は青い海を背景に1日だけ咲いて、散っていく儚い一日花。 一方、実はたいへん固く水も吸わず、落ちてもすぐには発芽しないガンコ者です。
ある日、実はぽとりと落ちて、長い海の旅に出ます。 「私の土地はどこかい?」「私が住まう砂浜はどこかい?」 新天地を夢見ながらも、自らの意思だけで辿り着けない希望の土地を目指して。
波に揺られて、色々な生き物に出会い、時には独りぼっちの夜を過ぎて、 果てしない水平線、永遠と思う闇夜、月の光の道。 海に落ちた日、一緒だった仲間は、もう遠にいません。
けれど、太陽が笑いかけてくれた日、星が方向を教えてくれた夜、 風が陸の音と匂いを運んできたとき、 「私の未来はまだずっと、この先に続いている」と 希望が心に生きていることを感じたのかもしれません。
そうして、やっと砂浜に辿り着くと、 あれほどガンコだった実は、このタイミングだ!とばかりに 殻を破り、芽吹くのです。
やがて、砂浜に暮らすハマナスは、砂が堆積すれば茎を伸ばし 砂が風で飛ばされてしまえば、根を深く伸ばします。
なんだか、いつも環境に流されているのかしら?と、ふと思いましたが、 すぐに本質を理解しました。 運命に流されているだけじゃない、ここぞ!というタイミングで動けるように 希望を忘れないのねと。
時の流れは止まりません。未来へ向かって流れていきます。 運命に嘆くことがあっても、どんな運命の流れの中でも「私」を生きたい。 ハマナスのように希望を胸に、運命を味方にして。
「時はいつでもあなたの味方、波に上手く乗ってゆけることを祈って」
和ハーブタロットの「運命の輪」のカード。ハマナスは「運命の輪の正位置」の和ハーブです。
詳しくは『和ハーブタロット』オフィシャルサイトへ