なあ君、ファミレスを享受せよ
友人と土砂降りのなかファミレスにいく。
私はファミレスが好きだ。
絶妙な硬さのソファに座り、たくさんあるメニューをひととおり見るけど、いつもだいたい同じものを選ぶ。
入店音が響く。みんなが思い思いの注文をしていて、隣のテーブルからいい匂いがしてあ、それもいいなと思う。
なんといっても
最大の魅力はドリンクバー。空のグラスを握って、何を飲もうかと考えている時間が大好き。心躍る。
いつもは飲まない鮮やかに着色された炭酸ものを飲んでみたり、飲み放題という言葉に誘われて軽率に挑戦して失敗したり。席を立って取りに行くという行為すら意義を感じる。
昔は、私が高校生のころは、たまになにかの打ち上げと称してふたりでここに来ては、他愛もない話をしていた。
また家族の外食といえば7割ファミレスだった。私の狭い世界にとっては唯一無二だった。
入店音が響く。お昼時なのに昔ほど、混んでいない気がする。
永遠にファミレスにいられたら、どうかな。
『ファミレスを享受せよ』
こんなゲームがあります。
※以下、ネタバレなしの感想です。
月刊湿地帯というゲーム制作サークルの、おいし水さんという方の作品です。
永遠のファミレス、ムーンパレス
ムーンパレスには同じように迷い込んだ人たちがいて、雑談しながら、たまにドリンクバーをとりにいって。途方もない時間を過ごす(こちらとしては数時間だが)。
テンポがゆるりと進んでいくのが、ほんとにファミレスにいる感じがしてよかった。
もうこのままでもいいかなと思っちゃう。
ただ、設定はかなり強烈で、終盤どんどん惹き込まれていった。
タイトルからわかる通り、なかなか馴染みのない漢字や言葉が沢山出てくる。
享受
ありがたく恩恵を受ける、みたいな意味だととらえている。
小説みたいな言い回しもこのゲーム魅力だと思う。
耳に残る音楽も、キャラクターデザインも素敵です。
全エンド回収しても3~4時間ほどだと思うので、ぜひ。
SteamのURLを貼っておきます。
NintendoSwitchでも遊べます。
現実にもどりまして
ドリンクバーを6回飲んだ。梅昆布茶がいちばんうまいと言うと、昔も飲んでたよねと言われた。
変わらない味だった。
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