見出し画像

6月は愛のシャワー

明け方、暗闇で火花が散るのを見た。
あれは君がカーブを曲がるところ。
目を閉じて耳をすます。
双眼鏡では届かないけど、見届けたいと思っている。

ベランダに光の音。
君が手放したものたちが水滴になって何か言っている。
たぶん祝福を
君が回している車輪に。
一つは過去のこと、もう一つは未来のこと。
君は今のこと。

君は切実に、たまにふざけながら
君はスマートに、だけどもつれながら
美しい涙を浴びて、それを涙のようには扱わない。

君に勇気はいらない、真実だけでいい。
君のキャップの中でその時に音楽が鳴る。
それはヘッドライトと同じく行く先を少しだけ見せる。
冷たい空気を割って、柔らかい雲を超えて。

あのカーブをどうか祝福とともに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?