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【イタリア】日本人で初めての偉業をバチカン市国から表彰されるかもしれません。

今年の夏、バチカン市国へ訪れた時の話である。私は恐らく日本人初の偉業を成し遂げた。


バチカン教会、炎天下で3時間待ち

我々一向は一通りの観光を終え、帰路に着くためバチカン美術館からの最寄り駅へ向かった。炎天下を20分ほど歩き駅に到着すると、券売機には観光客が長蛇の列を作っていた。全ての観光客はこの駅を使うが、どうやら地下鉄の乗車券を買うのに手こずっているようだった。私もこの列に並んだが、一向に進む気配がなかった。




私は元々せっかちな性格である。その上に暑さと立ち疲れで辟易としていた。列に並ぶ其々が何に手こずっているのかと次第に怒りと疑問が湧いてきた。私は居ても立っても居られず、乗車券購入の列に妻を残し、券売機の先頭まで向かった。こちらから彼らに話しかけると、乗客がそれぞれ私に悩みを打ち明けてきた。券の買い方が分からない、コインの入れ方が分からない。中には英語やイタリア語でもない言語で必死に説明してくる相談者もいた。私は彼らの言う事は殆ど理解できなかったが、一通り聞いた上で大きくうなずいた。行き先によって当然料金が異なるが、私は彼らの説明内容に問わず、全ての客に最も安い1.5ユーロの切符を買うよう誘導した。彼らはチケットを手に入れるとお礼らしき言葉を残していたが、私は一律に「No problem」と片手を挙げて、彼らを見送った。その結果、私の列だけが圧倒的に早く列を消化し、私達自身も予想より早く乗車券を買うことができた。

この経験はこの旅で最も達成感を感じた瞬間だった。この状況に一石を投じ自ら一歩を踏み出したこと。そして、どこの国の人かも分からない人の要望に次々と答え、成果を出せたこと。海外に住み始めて半年が経とうとしたこの日。自分の内なる成長を実感できる旅の最後だった。


大幅な余裕を持って帰りの空港に到着

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