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退院後1か月。

退院後、まずはお腹の傷(腹腔鏡手術による傷)が治るのをひたすら待つ。

退院してから3週間(執刀医の次の診察まで)は、入浴は出来ずシャワーのみ。感染症などを防ぐために、腹腔鏡の傷がきちんとなおるのを待つ必要があるらしい。

痛みなどはそれほどひどくはない。腹筋に力が入ったときに「うっ」と痛くなるぐらい。外見で確認できる傷には、病院で貼られた絆創膏が張り付いたまま。「自然に剥がれると思うよ」と言われていたが、半分めくれたままなかなか剥がれない。シャワーのたびにめくれた部分がピロピロして気になるので、結局しばらくしてから自分でぺりっとはがす。その下の傷も、見た目ではもう塞がっているように見える。

約3週間後には、手術をしてくれた(執刀担当)泌尿器科の診察があった。パッとみて、うん順調、お風呂も入っていいよー、運動も軽いものなら始めていいよー、と言われる。特に問題もなく、泌尿器科との診察はもうこれでおしまい。

肝心の副腎。残った左側の副腎は、今はコルチゾールを排出していないスリーブ状態。自力で出せないコルチゾールを薬で補いつつ、副腎が起きてくるのをひたすら待つのがこれからの私のミッションだ。

退院後はコートリルを20mg/日ずつ、毎日服用。これが足りなくなると大変なことになる、というので、必死で忘れないように、飲む。

11月半ばには、早くも15mgに減らされる。ちょっとペース早くない?と思ったが、残った副腎には早く目を覚まして欲しいし、医者に言われればそんなもんか、とその時は受け入れた。

ところで薬って、ほんとに飲むのすぐ忘れませんか?(私だけ?)
私は他にも定期的に服用している薬がいくつかある。それぞれ、1日3回、朝晩だけなど頻度もさまざま。一度に飲む種類が多くなると、「あれ?どれを飲んだかな?」とわからなくなるときがある。めんどくさがらず、個別のパックなどに分けて置けば良いのでしょうが…

閑話休題。

この頃は、「仕事復帰はいつできるかな」ということばかりを考えていた。なんとなく、手術も乗り越えたしゆるやかでも体調は回復して上向くんだろうな、と勝手に思っていた。私は過去に二回、盲腸や子宮筋腫で手術したことがある。そのときも、時間はかかっても身体が徐々に体力を取り戻し、自分か元気になっていくのが感じられた。今回も、同じように進んでいくのだろうと思っていた。

所属している会社は、病気のためずっと休職中。そもそも、病気休職に入る前にも留学のために休職しており、留学でインプットしたものを早く形にしたいという思いもあった。

そんなわけで、基本は毎日、のんびり過ごしていた。

とはいえ、なんとなく、身体のあちこちの関節が痛い。気怠さもあり、体力もあまり戻らない。朝起きて朝食を取ったらまた横になったり、午後には昼寝をすることも多い。思ったより、回復は遅いぞ、というか回復してるのか?と思うことも増えた。こんなんで、以前のような日常生活に、仕事に、戻ることができるのかな…

それでもまだ、いつか上向いてくるだろうなんて楽観しつつ、調子の良い日は近所のカフェや図書館に歩いていき、筋力復活をはかっていた。

退院から1か月後には、好きなスターが来日したため、都心で開かれたコンサート(着席で、しっとり聞くタイプのもの)にも行った。術後、初の遠出、初の夜の外出!!歩くのもゆっくり、前見たいにあちこち寄り道したりはできないが、やはり気持ちが高揚する。何事もゆっくり…を心がけて、以前ほど時間も距離も望めないけど、まあそのうち戻るだろう、と思っていた。

この時、私はわかっていなかった。この病気の本質を…

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