スピーキング学習で伸び悩む理由
「英語の4技能の中で【スピーキング】が一番伸びるのが早いです」
こう言うと、意外そうな顔をされることがあります。
しかし、英語コーチとして長年受講生の皆さんをサポートさせていただいていた経験から、これは間違いないな、と確信しています。
というのも、スピーキングは、日本人の場合、単純に圧倒的に練習不足であることが多いからです。
学校の英語教育でスピーキングをやることはないし、英語で会話する機会も普通はそれほどありません。
さらに、「間違えて恥をかきたくないからできれば話したくない」というマインドが日本人にはどうしてもあるので、できるだけ話さずにおとなしくしておく、という意識も根強く働きがちです。
一方で、単語や文法、長文読解などのインプットはたくさん行ってきています。
つまり、話すために必要な【パーツ】はあなたの中に既にあるのです。
あとは、そのパーツを組み立ててあげるだけです。
しかし、スピーキングを時間をかけて学んでも、なかなか上達を感じられず、何年英会話をやっても、実際のネイティブとの会話にはなかなか対応できない、という方もいらっしゃいます。
いったいなぜそのようなことが起こるのでしょうか?
私は、次のような理由があると思っています。
1)直訳癖があり【語彙不足】が原因だと考えている
体験英語コーチングなどで皆さんとお話ししていると、スピーキングで自分の意見をうまく言えない理由として、『語彙不足』を挙げる方が多くいらっしゃいます。
もちろん語彙はあればあるに越したことはないでしょう。
しかし、語彙力は、スピーキング力において、実は本質的な問題ではありません。
例えば、ネイティブの子供は、語彙力は少ないかもしれませんが、流暢に英語を話すことはできています。
日本人の子供も同じで、彼らは自分が知っている語彙で、周りのことを一生懸命表現しているはずです。
あるいは、通訳を思い浮かべてみてください。
私はよく日本人が話した内容を通訳がどのように英語にするのかを興味深く見ているのですが、「うまいな」と思う箇所は、だいたい直訳ではありません。
大事なことなのでもう一度言います。
「通訳がうまい」と感じる箇所は、「直訳ではない箇所」なのです。
むしろ元の文章からはガラッと変わっていることの方が多いです。
そのガラッと変わった内容は、使っている語彙レベルは簡単なことも多いです。
しかし、日本語は実は抽象的かつ省略が多い言語なので、その行間を適切に補って具体的にわかりやすく表現すると、とても分かりやすい話をする人だと感じるのです。
となると、もはや直訳することの方がナンセンスだということもできます。
語彙力があることは、直訳病にどんどん侵されるリスクにすらなりえます。
むしろ、「日本人の英語は直接的過ぎて無礼になってるケースもある」ことは留意すべきです。
と言っても、すぐには信じられないかもしれません。
ぜひ、「もしかすると話せないのは語彙不足が原因ではないのかも?」と思ってみるところから始めてみていただければと思います。
2)日本語とは会話の仕方が違う(最初の質問に対してたくさん話すことを求められる)
あまり知られていませんが、実は日本人の『常識』として無意識に従っている『日本語の会話』のルールが、英語圏をはじめとする海外の人たちとは根本的に違う、というのが一つの見えない障害になっています。
日本語は、『1問1答形式』での会話が割と一般的で、最初の質問から長く話すことは文化的に違和感があるのではないかと思います。
例えば、「ご出身は?」と聞かれたときに、とりあえず「東京都の●●市です」と答えたうえで、さらに質問があればもう少し詳しく答えようかな、というのが、日本人的な会話の一般的な在り方です。
一方、海外ではこのルールは通用しません。
「ご出身は?」と聞かれたら、最初から「出身地の情報」に加えて、どんな場所なのか、どのくらい住んでいるのか、等の【余分な情報】を少し付け加えて、詳細を話して話を少し膨らませるのが一般的です。
実際、例えばIELTSのような海外の試験では、最初のパートで、短い質問に対して回答するのですが、2~3文程度は返すことが対策本などで推奨されています。
「英会話スクールの先生とは盛り上がるのに、先生以外のネイティブとは全然会話が盛り上がらない」という悩みを持つ方も、悩みの原因は同じです。
英会話スクールの先生は、日本人を熟知しているので、たくさんの質問リストを持っています。
これによって、矢継ぎ早にたくさん質問をしてくるので、受講生は「話せている」と【錯覚】するのです。
しかし、実際のネイティブとの会話では、こんな風に、親切にたくさん質問してくれません。このことが、スクールと現実のビジネスや日常会話での場面とのギャップになることが多々あります。
3)間違えたくない思いが話すマインドのブロックとなっている
3つ目のポイントも割と本質的なところになります。
海外に行くと、他国から来たノンネイティブの方たちが、語彙や文法を間違えながらも一生懸命英語を話してコミュニケーションをとっている姿を見かけます。
一方、日本人は、間違えるのは恥ずかしいという思いも強く、できるだけ話さずにおとなしくしている方も多く見かけます。
私自身、どちらかというとそういう人だったと思います。
しかし、半年もすると、間違えながら一生懸命話していた方たちは、ミスも減って流暢に話せるようになっています。
一方、できるだけ話さないようにしていると、半年たってもあまり状況は変わりません。
スピーキングで課題を感じている方の場合、最初は、「たくさん話せない」「スラスラ話せない」「文法を間違える」「語彙が出てこない」など、多くの問題を抱えていると思います。
しかし、それらすべてをいっぺんに解決しようとすると、残念ながらすべて中途半端になります。
だから、1つずつ順番に解決していくのが、結果的に近道になると思います。
ということは、途中過程では、たくさん間違えてもいいからたくさん話す、というプロセスを踏むことがとても有効になります。
このような長期的な目線で見て、「今どのフェーズなのか」「何をめざしているのか」を明確にしながら取り組めば、たった2~3か月でも、スピーキング力は確実に激変するはずです。
以上の話は、どちらかというと英語を話す際の「考え方」や「話し方」「マインド」の話で、従来の英語教育からはスポッと抜け落ちているようにも思います。
たくさん話す練習は英会話学校でできるし、文法や長文読解は独学でもやってきている。
一方、そのような「英語の話し方」については、どこも教えてくれない。
センスのある方はこの辺りを我流でうまくできるようにしていくのでしょうが、このような勘所をつかめないと、伸び悩む原因になってしまいます。
これまでに開催してきた「5歳児英語ワンデーセミナー」では、まさにそのような、できる人が無意識でやっている『英語の話し方』の部分を埋める内容になっているので、これまでの英語学習法で伸び悩んでいたり、職場で英語を使うのに何かストレスを感じている方にこそ、ぜひ受講していただければなと思います。
来週の開催が、いよいよラストです。
興味ある方は、よかったら下記リンクから申し込みくださいね!https://forms.gle/fVi4dvBSdWsFPPb3A
なお、ワンデーセミナーの詳細は、下記記事もご参照ください。
無料開催は今回が本当にラストで、ワンデーセミナー自体も、しばらく(数カ月間)やる予定がありません。
もしかしたらこの講座自体、今回が最初で最後になるかもしれません。
なので、少しでも興味をお持ちいただいたなら、ぜひこの機会を掴んでいただきたいと思います。