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知人と「バーチャルマーケット4」に行って、やっとVRChatのおもしろさを理解した話
これはロックンロールのハンドサインです。「I Love You」とか「音楽を愛してる」みたいな意味があるらしいです。
これを重ねると「凶」という漢字になります。
こうすると「わたしは不幸です」というサインになり、なにかの神様によって逆に幸運が回ってくるとのことです。兵庫県西宮市では写真を撮る時によく使われるポーズらしいです。
そんなわけでひさびさにVRChatの自撮りに熱が入っています。
きっかけは先日開催された「バーチャルマーケット4」で、ここに知人数名とともに遊びにいったところ、あっという間にTRUSTが贈呈されたので、現地で見かけたこのかわいいアバター「サーシャ」も買って、はじめての「VRChatへアバターアップロード」を敢行した次第です。
それまでもVRChatはちょろっと遊んでいました。ただ、イマイチハマれなかった。その理由はなんとなく察していたものの、今回のVケット訪問でやっと確信に変わりました。「これ、一人用のゲームじゃねえわ」って。
そんな気づきも得られた、「バーチャルマーケット4」の訪問の記録とかを以下に書いていこうかと思います。
ひさびさのVRChatはわからんことだらけだった
VRCわかんねえ!!
— 浅田カズラ✑バーチャルブロガー・ライター (@asada_kadura_vb) April 29, 2020
GW本格突入前の4/29、知人から「Vケット4見に行きません?」という誘いを受けました。
バーチャルマーケットは初回開催時から情報としては追っているものの、実は開催期間中には行けずじまいでした。今回も別にいいかなーと思っていたところのお誘いだったので、まぁいい機会か、と思って快諾した次第です。
というわけでひさしぶりのVRChat起動。だいぶ前に一人で坪倉邸を訪れて、櫻歌ミコの姿で自撮りをしていた名残がありました。さて、そそくさと現地へ行こうかと思ったものの、「この人らとピンポイントで合流するのってどうすんだ?」と早速の疑問が。「フレンドになってからJOINを仕掛ける」という正解には、教えられるまで行き着かなかったんですね。
そして合流したはいいものの、マイク設定はどこにあるかわからずあたふたし、なぜかアバターがトラッキングを外れて勝手に前方へ歩いていってしまう怪現象に襲われるなど、久方ぶりの来訪を咎めてくるかのようなトラブルの連続。泣きそうでしたよね。
落ち着いてオーディオ設定を点検しつつ、アバターはしょうがないからデフォルトセットからユニティちゃんを召喚し、事なきを得ましたが、これが初のVRChat体験だったらいろいろと挫折かもなぁ……なんて思いも抱きました。
電脳都市ミラビリス
そんなこんなで最初に訪れたのは「電脳都市ミラビリス」。ザ・サイバーシティ(あるいはザ・サイバーパンクか)なワールドで、兎にも角にもそのスケールのデカさにビビりました。
行き先を示してくれる「順路くん(仮称)」の存在には助けられましたよね。
軽く歩き始めただけでその広さはすぐに理解できました。歩けど歩けどまだ先がある。その道沿いにあるブースに立ち寄り、同行者たちとワイキャイしゃべる、そんな時間が今回のVケット訪問の8割を占めました。
道中でアバターを試着して回れるので、みんな気がつくと別の姿にコロコロ変わる。これもお互いに見ながらワイワイできて楽しい。
アキバの裏通りにありそうな店にはグラボが売られていた。
進捗が力尽きてしまったとおぼしきブースも……
奥に進むとアングラ感ある裏通りに。
道中にはこんなポスターが貼られているところも。あるクリエイターの活動が「広告」という形で「街」に存在するのってすごくよくない?
かなりしっかり「店舗」の体裁をとったブースもあった。
おなじみバーチャルモーションキャプチャーのブースも発見。
ロボアバターをまとったままどこかで拾ってきたライフルと剣でブンドドしている同行者の図。
前から「オンギャッかわいい」と思ってて気になってたアバター「リナリィ・ココ」を偶然発見。
試着して自撮りをする図。数時間後にポチることとなる。
どのくらい滞在したか記録していなかったけど、Discord上のやりとりから推察するに30分くらいはいたはず。けれどもワールドの広さ、作り込みのすさまじさから、体感では1時間以上は滞在していたように感じました。
その間、同行していた3人とは、「このアバターかわいい!」「このブース凝ってるねぇ」「ていうかワールド広くない?」「そういやリモートワークどんな感じです?」などなど、世間話も交えながら和気あいあいと街を歩いていました。この「和気あいあい」という感覚が、自分にとっては完全に未知の感覚でした。
一周して「さすがに立ちっぱはキツイわ」と着座に切り替えた人の図。
ワールドエンド・ユートピア
次に訪れたのは「ワールドエンド・ユートピア」というワールド。見るからにディストピアめいていて、ここも雰囲気だけでワクワクさせられました。後になって公式サイトの解説テキストを見てきたんですけど、
かつて、機械は人類の物言わぬ奴隷として扱われていた。自動的に成長を続ける機械の中から、自我と感情に目覚める機械が現れ始める。機械たちは人類から離れ、独自の国家を築き上げ急成長していった。
これを危険視した人類は機械殲滅計画を開始、人類と機械の間で熾烈な戦争が繰り広げられる。人類対機械、時を同じくして勃発した機械国家内の内戦。
戦争の最終局面、遺伝子に介入して組織を死滅させる光波発生装置「終焉の塔」が起動され、大半の人類が死滅。機械国家も大半が同士討ちにより自滅し、世界からあらゆる文明が消え失せた。
それから100年。世界は静かに緑に包まれていく。
World End() => Utopia;
(『バーチャルマーケット4』ワールド一覧より引用)
フレーバーが良良良。ここから作り込んでこその「ワールド設計」なのですかねぇ……
こんな感じの「終わってしまった世界」なロケーションがそこかしこにある。単純な探索のしがいもピカイチでした。
そんな中見つけたのが「サーシャ」。自分はもちろん同行者たちにもウケが特によかった。
スルッとお着替えして、以後はこの姿で会場を回りました。
こちらにも広告ポスターが道沿いに貼られていました。こういうディストピア空間に広告が貼り付けられている光景、よくない?
「あっ!tekka.ccの2人じゃん!」となったやつ。その隣の「VR対戦可能」と書かれたカードゲーム?も気になる……
こちらのワールドには坪倉氏のブースも。
「やかんやべえ!テクスチャやべえ!」と一同はしゃぎまくる。こんなセリフが口から出てくることなどおそらく二度とあるまい。
大学からの出展もありました。情報系の私立大学とのことです。
「『DEATH STRANDING』じゃん……」ってなったやつ。「Bokka」って「歩荷」かな?って考えている一方で、同行者からは「最近こういうダボッとしたやつ流行ってますよね」「『アークナイツ』とかねぇ」っていう話題が出てくるなど。
そしてアデリーペンギン。
あとダイオウグソクムシ。
めちゃめちゃロケーションがよいスポット。
登りきったところにさらにフォトジェニックなスポット。
フォトジェニックな自撮り。
最奥地にはなんか急ごしらえっぽいアトモスフィアがただようところも。
そして終着点にはお花畑と……
打ち捨てられたロボットたちが。
こちらのワールドも同じくらいの時間をかけてめぐりました。規模は「電脳都市ミラビリス」に引けを取らないレベルで、廃墟好きとかにはたまらん空気がムンムンに満ちている、よい会場でした。
そして気がつけば1時間以上もVRChatをしていたわけです。ここで、ふだんVRChat慣れしていない各位は若干のVR酔いとか、そもそも立ちっぱなしで疲れたとか、そんな感じの理由で三々五々に解散となりました。
実際、移動時に視野狭め処理のはさまらないVRChatって、そこそこ酔いやすい気がするんですけど、みなさんどうですかね?
2020年にしてはじめてアバターを上げた
ログアウトからほどなくして、VRChatさんからメールが届きました。
そうかそうか、とうとう"認めて"くれたってわけね。じゃあやるっきゃないじゃん。「アバターのアップロード」ってやつをさ。
というわけで2020年にもなって初めて、VRChatへアバターをアップロードした次第です。ひとまず最初に上げたのは、即買いした「サーシャ」となりました。
その作業を終えた直後の感想はこんな感じ。
ついにVRChatにはじめてアバターをアップロードしてみたものの、この手順が「やってみれば簡単だけどパッと見かなり複雑」「そもそもその条件を満たすためのアクションがキツイ」ということを思い知らされたし、ほしいのはやはり有識者で、これをつかめないとVRCにのめりこめんと思いましたね…
— 浅田カズラ✑バーチャルブロガー・ライター (@asada_kadura_vb) April 30, 2020
普段SESで糊口をしのいでいる身としては「これめっちゃ独自カスタマイズが光る厄介案件の環境構築手順だ!」と直感した次第です
— 浅田カズラ✑バーチャルブロガー・ライター (@asada_kadura_vb) April 30, 2020
派遣されるタイプのエンジニアあるある「着任早々、まだチームメンバーもシステムの全容もわからない中で、いろいろと聞いたり調べたりしながらローカル開発環境構築をすすめる」を、だいたいなぞるような感じ。そのくらいUnityってパッと見で入り組んでるように感じるんですよね。
よーく先人たちの記録を見ていると、この工程って実は「Unity上に必要なSDKをインポートする」「視点位置の調整をする」「アップロードする」くらいでしか構成されていないので、思っているよりも数倍かんたんなんですよ。ただ、その「先人たちの記録」を見ながらすすめる場合、ある種の読み替えスキルは必要かなぁとは思ったのです。自分で調べて考えられる人なら乗り越えられるかなー、という。
あっ!だからVRChatってエンジニア畑の人が多くハマってるのか!?
— 浅田カズラ✑バーチャルブロガー・ライター (@asada_kadura_vb) April 30, 2020
あと、そもそも論として「Unityを経由するしかないのって不便じゃない?」とも思ったり。身も蓋もない話とはいえ。
とはいえ、こうした「一見したハードルの高さ」は、TRUSTシステムと合わせて、ある種のユーザーのフィルタリングとして機能していそうだし、それは一概には悪いともいえないな、とも思いました。
結論としては、「詳しい知り合いに頼んで手取り足取り教えてもらうのが一番幸せ」というところです。
でもゲームって一人で遊びたいんですよ
そんなこんなでやっと「VRChatの入口」に立てたと感じているのですが、同時に「自分には根っこでは向いてないかも」と思いました。
今回Vケットを知人と回ってみて実感したのは、VRChatって複数の人としゃべりながら遊ぶのが一番楽しいんだなってことでした。いろんなワールドを訪れ、あれがいいこれがいいとはしゃぎ、お互いのかわいい見た目について褒め合いながら、リアルで会ったときのような世間話もする。そのにぎやかさが楽しい。
ここが本質的には「人と人が出会う場」であり、こうした場がオンラインに、もっといえばバーチャルに存在することの意義は間違いなく大きい。個人も法人も参加するマーケットたる「バーチャルマーケット4」は、一つの到達点と言えるでしょう。
ただ、それはすばらしいと思いながらも、僕自身は「なんで家でゲームしてる時に他人とコミュニケーションとらなアカンねん」って思っちゃうタチなので、わざわざパブリックなワールドに顔を出そうと思えないんですよね。MMORPGなんかは昔から苦手。ゲームは家で一人でやりたい。
VRChatも僕にとっては同様で、一人で気に入った世界を訪れて、一人でかわいい姿で自撮りを撮りたいわけです。で、そういう用途しか持たない場合、起動回数もたかが知れている……ということになっちゃうわけです。これがひさびさのVRChat起動時にあたふたした最大の理由だったりします。
今回のVケット訪問でアバターアップロードができるようになったので、今後は「この子になってみっか」という理由で起動する機会が増える気はしています。
ただ、今後も複数の人と遊ぶ場合は、基本的には顔見知りとしかやらないだろうなぁ……と感じた次第です。誘われたらその限りではないのかもしれないけど、「アバターの有無」が心理的ハードルではなかったということですね。ただ単に、一人で遊びたいだけだったわけです。
……というのが、2020年5月時点での、自分とVRChatの距離感です。それをしっかりと自分の中で可視化できたことが、今回のバーチャルマーケットから得られた最大の収穫かもしれません。
ただ、こんなご時世でVRChatもプレイ人口が一気に増えてきたらしく、個人的には世間の流れも相まって、VRChat文化圏がまた変化するような気もしています。あるいは、clusterやambrのような新たな「場」が台頭してきて、根本的な勢力図が変わる、とか。
具体的になにが変わるのか、そもそも変化が訪れるかはわからないけど、その時になって自分とVRChatの距離感がどうなるかは、自分でも注視していきたいなぁと、ふわふわと考えてみるこのごろです。